いこいの杜〜きょうのまかない定食7/29〜

きょうのメインは唐揚げ。野菜たっぷりサラダ。ゆで卵。これは万願寺唐辛子かな？　お豆。じゃがいも。ピーマン。お豆腐。漬物。あ、スイカの皮の漬物もある。きのこと玉ねぎの味噌汁。ご飯。コーヒー付きで８００円。コーヒー無しで６００円。 . . . 本文を読む

黒い蝶

‪黒い蝶だ。リビングの壁にはりついた巨大なサナギが明け方に羽化したのだ。それが部屋の中を舞っている。マンタのようだ。テーブルの上を通り過ぎるたびに鱗粉が落ちる。家族は平気な顔で鱗粉まみれのトーストを食べる。蝶は家族の一人の頭にとまりくるくる巻いた口吻を耳の中に伸ばしていく。 . . . 本文を読む

近所のスーパー

‪近所のスーパーに行った。２４時間営業の店だ。真夜中でもかなり客がいる。だが誰一人マスクをしていない。この時期になんという非常識。その時知っている顔を見つけた。去年亡くなった近くのお婆さんだ。その向こうを一昨年亡くなった義父が歩いていく。この時間帯の客にはマスクはいらない。 . . . 本文を読む

傘

‪傘をちゃんと閉じないままベランダに置いていたら内側に丸い卵がくっついている。夫に聞くとヤモリだろうと言う。庭でヤモリを見かけたことがない。ワクワクして観察を続ける。と、ある日卵から明らかにヤモリ以外のものが這い出して空の向こうに飛んでいった。天使って卵から生まれるのだね。 . . . 本文を読む

大きなアオムシ

‪大きなアオムシが家の中を這っている。何日か前からだ。常識的な大きさではない。抱き枕とほぼ同じくらいのサイズ。見えているはずなのに家族は誰も何も言わない。もしかして見えているのは私だけ？　そう思うと話題にできない。今朝からリビングの壁でサナギになっている。たぶん羽化は近い。 . . . 本文を読む

駅から

‪駅からかなり離れた場所だが好きな喫茶店がある。カフェではない。木の扉を開くとカラカラとドアベルが鳴る。天井は低くて少し煤けている。無口なマスターがいれるコーヒーは美味い。だが毎回道に迷う。きょうは見たこともない石畳の広場に出た。広場の向こうにあるはずもない海が見えている。 . . . 本文を読む

後から

‪後から声をかけられ振り返る。男が無言でチラシを手渡す。チラシには「一時間二千円」とだけ書いてある。チラシを手にした人が横を通り過ぎる。後について古いビルの階段を降りる。ドアを開くと一面の砂。数人の人が砂に腰をおろしている。壁はない。水平線が見える。砂に波が打ち寄せている。 . . . 本文を読む

色のついた夢

‪色のついた夢を見る。子どもの頃からだ。水彩画のような淡い色。なのに最近夢どころかろくに眠れず病院で睡眠導入剤をもらってきた。久々の夢。空が青い。いつもは滲んだような人の姿もくっきり見える。髪の長い女の人が微笑みながら近づいて私の腕を掴む。冷たい手。「ほら、やっと捕まえた」 . . . 本文を読む

朝

朝早く猫の鳴き声で目が覚めた。起き上がり窓の外を見る。集合住宅の一階の狭い庭。まだあたりは薄暗い。いつだったかベランダの下で野良猫が子どもを産んだことがあった。あの子らはどこに行ったのだろう。また猫の声がした。振り返り寝床の中の夫を見る。薄く目を開けた夫がニャアと鳴く。 . . . 本文を読む

いこいの杜〜きょうのまかない定食7/8〜

きょうのメインはカツ。生野菜のサラダ。ポテトサラダ。ゆで卵。高野豆腐と野菜の煮物。いんげんのごま和え。酢の物。漬物。すまし汁。ご飯。コーヒー付きで８００円。コーヒー無しで６００円。 . . . 本文を読む