おだにゃら記

地元小田原市中心のフィールドワーク備忘録。
歴史、神社仏閣、あとはいろいろ。


伊東にて 東海館と松川遊歩道

2024年06月25日 02時20分00秒 | お出かけ

伊東に行ったので東海館を見学しました


昭和3年(1928)創業。
平成9年(1997)に営業終了、伊東市の有形文化財に指定され
平成13年(2001)郷土資料館的な文化施設としてオープンしてます。
 
 

見事な唐破風彫刻に迎えられる玄関。
 
入浴案内板でよく見えませんが、お座敷文化大学って書いてあります。
芸者体験できるそうです。
 


入館料は大人200円子ども100円
 
駐車場は見当たらず、道路挟んですぐ近くのコインパーキングを利用しました。
 
スリッパが置いてありますが、館内は階段が多いので履かない方がいいと注意書き。
 

だから履きませんでした。
階段怖いからね。
 




後ろのすりガラスには伊東の名勝地が彫られてます
 


 

総タイル張りの浴場で日帰り入浴(別料金大人500円子ども300円)できます。
ここから先は入浴客only
 
 







1〜3階までほとんどの客室を見学できます。
 
増築を重ねてるせいか、微妙に垂直でない箇所があって
じっと見てるとクラクラするような不思議感覚。
 
 
昔は何とも思わなかったけど、今見るとちゃぶ台ってすごく低いです。

昭和の人は(私もそうだけど)こんな低いとこ座って膝大丈夫だったのでしょうか?
 




磨き込まれてツルツル。迷路のような廊下。
 
複数の職人が腕を競った造作は場所ごとに全部違う贅沢さです。
 
 

現在でもリモートワークなどに貸し出してる部屋もあります。
 


伊東市ゆかりの偉人が展示されてる部屋。
ここは伊東祐親の部屋。
 
 

東郷平八郎の部屋。
伊東に別荘があったんですね。
 

三浦按針の部屋。

按針は徳川家康に命じられ、伊東の松川河口で造船したそうです。
 
 



部屋から見る松川



彫刻家重岡建治氏の作品展示スペース
 

透かし欄間というのかな
影が美しい



大広間
 

一瞬びっくりしてしまった芸者のみなさん。
ここでお座敷大学するんですね。
 
 



望楼からの眺め
 
昔は山々を臨む評判の景観だったそうですが、今は高い建物が増えて残念です。
 
 
古い建物ゆえ館内の階段は急で、手すりはデザインが凝ってて恐ろしく(途中掴めなくなる)
特に3階から望楼までの階段はかなり狭く危険
(現存天守並です)
足腰不安な方は無理して望楼まで上る必要はないと思います。
 
 
私は吊り橋、灯台、現存天守はパスする誓いを立ててますが
この度望楼もリストに加えておきました。
 
 

見学を終えて松川のいでゆ橋へ




松川遊歩道から見る東海館。
さすがの景観。


竹のオブジェがずらりと。
毎日18時〜22時までライトが灯されてます。
夜までいられなくて残念でした。
 



 



東海館の隣は2007年まで営業していた旅館いな葉。
現在はK's Houseというホステルになってます。
東海館は市の文化財ですがこちらは国の文化財に指定されてます。
 
国指定文化財なので毎日4時間かけて掃除しているそうで、
この時もスタッフが身を乗り出して窓拭きしてるのが見えました。



K‘s House(旧旅館いな葉)の玄関
 




松川沿いを海まで歩きました



ずっとついてきた鴨
 
食べ物持ってないとわかるとすごく怒って 笑
グーグー鳴いて去って行きました。




松川河口
 
ここに三浦按針が造船の指揮をとったドックがあったんですね。
 
 

小田原にあった諏訪大社のミニチュア

2024年06月20日 17時23分00秒 | 神社

県立おだわら諏訪の原公園

(おだわら諏訪の原公園パンフより)
小田原フラワーガーデンに隣接する、諏訪の原丘陵を利用した公園。
ファミリー層からの人気が高く、週末はいつも賑わってます。
 
 
公園の中ほどにひっそり・・・
ではなく
なかなか目立つ場所に諏訪神社があります。
 
この土地、府川の鎮守であり、境内が公園内に取り込まれそのまま残されています。
 
 
立派な鳥居が目を惹くので参拝する公園利用者も多いようです。
 
人がいないのを見計らって写真撮るのが大変でした。
 
 



石灯籠は紀元2600年(昭和15年)記念に奉納

私の父の生まれ年です(関係ないけど 笑)



 
ちょっと雑草が多いのが気になります。
たまたま掃除が行き届かない時期だったのかもしれませんが
周囲の公園が綺麗なだけに荒れた雰囲気。
 
 

手水舎に貼り付けた簡易由緒書きも傾いたまま。
 
内容は素晴らしいので是非きちんとしたものを立てていただければと。
 
 

 
諏訪神とは言うまでもなく長野県諏訪湖にある諏訪大社を中心とする信仰。
祭神は建御名方神(タケミナカタ)とその妻、八坂刀売神(ヤサカトメノカミ)
 

(画像は大津諏訪神社より)
 
建御名方神は大国主命の息子。
天照大御神による国譲りに反対し戦い、諏訪湖まで追い詰められ同地の神となったという古事記の記述でお馴染みです。
 
 
諏訪信仰は全国に広がっており、平成2年の調査ではその神社の数は全国6位を誇ります。
 
神奈川県は少ない方で、小田原市内では諏訪信仰の神社はここ府川だけです。
(菅原神社内の諏訪社など、合祀されてる場合は除く)
 
由緒については久所自治会の宮原諄二氏による
「久所の始まり」に詳しく書かれているので、境内の由緒書と共に参照させていただきました。
 
 

諏訪神社を造営したのはこの地に住み着いた甲斐武田氏の家臣(稲子氏、荒川氏とも)と伝わっており、
その時期は武田信玄の小田原攻めの際とか武田氏滅亡後とか、もっと早く源頼朝の頃だとかはっきりしません。

諏訪の原という地名はもちろん諏訪神社に由来してるので
もっと早い時代からあったとも考えられます。
 
甲斐武田氏に繋がる者が勧請したのは確かなようで
それはかつて府川には諏訪大社と同じように二社四宮が存在していたことから窺えます。
 
本家諏訪大社は諏訪湖を挟んで上社と下社に分かれ、さらにそれぞれ本宮と前宮、秋宮と春宮に分かれています。
4つ合わせて諏訪大社なのです。
 

諏訪大社公式 より)
 
府川の諏訪神社も江戸時代まで4つの宮に分かれていたとされています。
 
現在残されているのは本宮である諏訪神社のみですが、他3宮の位置も地図と登記記録から確認することができます。
公園沿いの道路を下った細窪と呼ばれる場所(庚申塔がある)が前宮、
相洋高校グラウンド(穴部)付近に下社の春宮、
清水新田に下社の秋宮、
 
 

(『農業集落境界データセット』(CODH作成) 「農業集落境界データ」(農林水産省)を加工)
 
 
地図で見ると宮原さんの仰るようにまるで諏訪大社のミニチュア。
諏訪の原公園の北側には調整池が設けられていますが、
もしかしたらかつては諏訪湖を彷彿させる池があったのかもしれません。
 
 
このような諏訪大社のミニチュアを鎌倉〜戦国時代に移住先に作ろうとするのは、
実際に故郷で諏訪大社をその目で見て崇拝していた甲斐武田関係の人たちなのだろうし、
どうしても4つなくちゃダメ!って地元民を動かせる力もあったのでしょう。
 
 
 

競馬が行われていたという広い参道
 
公園の遊歩道のようになってるのでかつての参道かどうかは不明。
公園ができる以前は神社西側を前宮推定地まで道路が走ってました。
 
田代道彌氏は「西さがみの地名」で社前の広場を桜の馬場と言い、
諏訪大社の「御射山」に似た狩猟儀礼が行われていたのではと推察されています。
となると現在の多目的広場一帯が桜の馬場だったのでしょう。
時代が下がって狩猟儀礼が競馬という形で残されたのかもしれません。
 
 

境内横の馬頭観音碑2基
左は大正9年(1920)の鬼鹿毛馬頭観音碑
 
競馬が行われていた名残ですね。
 
 

公園からの足柄平野の展望
 
この土地を挟んで諏訪神社4社がありました。
本家の諏訪大社ほどではないにしても
想像するとかなり壮大な景色が浮かんできます。

現在の諏訪の原公園はかつてのミニチュア諏訪大社の中にあり
みなさんはミニチュア諏訪湖で遊んでいる、
というわけです。
 
 

小田原城 あじさい花菖蒲まつり2024

2024年06月10日 19時20分00秒 | 小田原城
今年もあじさい花菖蒲まつりの季節がやって来ました









平日の今日もまずまずの人出

気温はそこまで高くないけどかなり蒸し暑いです





外国の方も熱心に撮影してました

















夜間ライトアップはおまつり終了の16日まで



南堀ではハスに蕾がちらほらと

じっと動かないアオサギさん



二宮神社鳥居前にお寿司屋さんできてました
「城前寿司」

つい先日まで知らなかったのでびっくり
今週14日オープンだそうです



帰り道
梅林駐車場の遊歩道





遊歩道のあじさいもとても綺麗

人がいないのでゆっくり撮影できました





夕日の滝 リフレッシュ散策

2024年06月03日 20時55分00秒 | お出かけ
南足柄市の夕日の滝へ


地蔵堂から徒歩15分ほどに夕日の滝はあります。

わたしはなぜか徒歩でしか行けないと思い込んでたのですが
(最近思い込み激しい…)

普通に車で行けました。
しかも駐車場は無料でした。



キャンプ場の駐車場。

こちらも無料ですが、わたしたちはキャンプ客ではないのでなんだか申し訳なく
この下段にある駐車場を利用。




キャンプ場の脇の道から夕日の滝へ向かいます。

スタッフが木材を切る作業をしており、木の香りが漂ってきていい気分。、



赤い橋を渡ると



金太郎の歌碑や



金太郎の力水や


見守り地蔵さまが並び



ちょっとだけアップダウンありの道を進むと





夕日の滝に到着



小ぶりながらスッキリした姿の美しい滝





要予約で滝行が開催されているそうです
(不定期なので注意)





滝も素敵だけど周囲の木々や岩を見ながらの散策が楽しい



森のステージ



苔むした庭石のような岩々

まるで一乗谷のようです





駐車場先のハイキングコースへ続く道

金時山や足柄峠に続いてます



夕日の滝周囲だけの短い距離とはいえ、
深い緑と滝の音が爽快でじゅうぶんにリフレッシュできた散策でした。