おだにゃら記

地元小田原市中心のフィールドワーク備忘録。
歴史、神社仏閣、あとはいろいろ。


御嶽神社 御嶽の山で転ぶ

2023年07月27日 23時00分00秒 | 神社

タイトルにありますように

転んだんですよ
御嶽神社で
  

南足柄市三竹にある御嶽神社です

正しくは御嶽権現神社。
奈良の金峰山寺を総本山とし、蔵王権現を祀る神仏習合色強い神社でした。

経緯は不明ですが、江戸時代には修験道要素が抜けて祭神は日本武尊になったようです。

 


 
南足柄広域農道から三竹集落に入って車で10分ほどなので気温はさほど変わらないのですが、木々が茂る山深いところに来るだけでも気分は良いです。
 
三竹という地名の由来は御嶽神社で、
新編相模國風土記稿には三竹山村とあります。

村名は簡単な漢字が採用されてよかった。



鳥居左手にみたらしの水と呼ばれる湧水があります。



みたらしの水については弘法大師やヤマトタケル由来などが伝えられてるようですが、
ここは御嶽権現なので下に貼られてる権現様の伝説が一番しっくり来ますね。
(これなんのコピーかな?)


御嶽権現は狼を眷属としており、武蔵の御嶽神社では狛狼や狼のお札が有名です。

ここ、三竹の御嶽神社では本殿に蔵王権現ら18体の像が納められた厨子があり、その前に狼像が置かれてるそうです。


ところで、
すぐ北にある塚原のグリーンヒル分譲地はかつては玉峯山といい、
麓の玉峯山長泉院には凶悪な山犬を退治してくれた黄色大権現の話が伝わってます。
黄色大権現によって山犬は石に変えられ、その石のある場所が現在もグリーンヒル内にある笹子地蔵です。


6年くらい前に撮った笹子地蔵

笹子地蔵にも湧水があります。

笹子地蔵の話をすると大変長くなるので別の機会に。


権現様による恩寵、湧水、そして山(狼)
御嶽神社の伝説がお隣の玉峯山まで伝わったかその逆か。

権現様がおられるところにはこの話はセットで伝えられてるかもしれないので心にメモしておこう。



手を洗わせて頂きました。
冷たくて生き返ります。



手を洗って鳥居に向かったこのあたりで突然宙を舞ってうつ伏せに倒れました。
まぁ、
石につまづいただけなんですけどね。
あんな派手に転ぶのは10代の頃以来な気がします。

御嶽神社の祭神はヤマトタケルですから
最近足柄明神のことでブツブツ文句垂れてたバチが当たったのかもしれません。

でも転び方の割にはどこも痛くはなく怪我もなかったのは
(ふんわりと砂利に落ちたような気がする)
ヤマトタケルの温情なのかもしれません。


ありがとうミコト
文句ばっか言ってごめんなさい許してください



鳥居杉
樹齢500〜700年、高さ50mの美しい2株の杉。
神奈川県の名木100選に選ばれています。





伸び伸びと高く美しい姿



階段はこのように大変急で手すりもありません。
みたらしの水の奥に迂回路があるので自信のない方はそちらからどうぞ。
決して無理に登らないでください。
私はもちろん迂回路からです。









上から階段を見下ろす。
階段が怖いので狛犬がちゃんと撮れません。






社殿左手のスダジイ
この木も素晴らしくて、この木を目当ての参拝客も多いそうです。



トチバニンジン


ヤブミョウガ


この子はアジサイの仲間でしょうか?

7月も終わりなのにアジサイがまだ見られます


御嶽神社前の林道は今でこそひっそりとしており車も滅多に通りませんが
かつては小田原から最乗寺を結ぶ狩野みち、狩野街道として賑わっていました。

平野部の道が酒匂川の氾濫でしばしば通行不可能になったので、狩野街道は長い間重宝されたようです。



御嶽神社前には細い道が伸びており
古地図でも確認できる狩野街道の一部と思われます。先を歩いたことはないので現在の様子はわかりませんが、斎場の西側に続いてます。


笹子地蔵関連といい狩野街道といい
私にとっては興味のつきない神社です。

 

御殿場の浅間神社ぜんぶまわるその5 保土沢

2023年07月21日 01時34分00秒 | 御殿場の浅間神社ぜんぶまわる
御殿場の浅間神社ぜんぶまわる
その5は保土沢の浅間神社です


(ピンク印は訪問済み)

川島田、保土沢、板妻の3つの浅間神社はほぼ469号線に沿ってるのでとてもわかりやすいです。



469号線からすぐ見える鳥居



溶岩で固められた忠魂碑

御殿場の神社には忠魂碑が多く見られます。
遺族会等の活動が活発なのでしょう。地区ごとにきっちりしっかり建てられてる感じです。



関東大震災で壊れた鳥居や灯篭

そういえば今年は震災から100年という大きな節目を迎えてますね。



参道脇には遊具があります





社殿は鉄筋コンクリート



鉄格子… いかつい



蛙股に馬の彫刻って珍しくないですか?
なにか馬との関連があるのかな。







神社の裏手の林を抜けると水田が広がってます。
この写真撮ったのは2ヶ月前、田植え終わったばかりの頃でした。
(up遅れた)

保土沢の浅間神社にはめおと獅子の伝説があります。

疫病退散の獅子舞のため、めおと獅子の片方を借りたところ
翌朝拝殿の戸口にもう片方の獅子の噛み跡があったと。
引き離された獅子たちが寂しがってるとすぐに返却したそうです。


この話は勝間田二郎氏の「御殿場、小山の伝説」でも伝えられてますが
それ以外の情報が少ないので現在も関連した例祭があるのかなどの詳細はわかりませんでした。


富士山五合目新御殿場口 プチ登山

2023年07月18日 23時13分00秒 | お出かけ
 3連休真ん中の日曜日、あまりに暑いので不意に富士山に行きたくなりました。
もちろん富士山頂なんて行けるはずありません。車で行ける五合目までです。

富士山五合目はシーズン中マイカー規制されてますが、御殿場口だけは規制がないので気軽に訪れることができます。



富士山五合目御殿場口は東名御殿場ICから車で40分くらい。
正しくは御殿場口新五合目というのですね。

あー
富士山見えません 残念。


駐車場は3ヶ所あって、うち第1駐車場は夏のシーズン中はトレランの施設
Mt. FUJI TRAIL STATION(通称:トレステ)
で埋まるので一般車両は第2と第3駐車場しか使えません。

そのせいか、あまり混まないと聞いていた第2第3駐車場は満車で(午後2時ごろ)
路駐してる車も多くありました。









トレステの富士山歴史パネルの展示



ボケてわかりにくいですが
山頂と五合目の気温などの表示。

この時山頂は9℃、ここ五合目は19℃でした。






トレランの人も登山客も続々と下山してきます。
お疲れ様でした。



御殿場口の鳥居
御殿場口ルートの出発点です。




鳥居から徒歩10分ほどで大石茶屋があり
登山客でなくても気軽にプチ登山を楽しめるそうなので行ってみることにしました。






いきなり砂利道

雲は多いけど晴れてて気持ちいい



ノイバラみたいなの咲いてる



最初は楽しいんだけど
だんだん、いや、あっという間に疲れてきます。
砂利に足をとられて歩きにくい。

それに暑い 
暑いぞ! ほんとに19℃?

こんなとこ歩く予定はなかったのでスリッポンなんです私。
小石が入ってくるんですよ。
火山灰?スコリアっていうんだっけ?
靴真っ黒。

でもミュールやビーサンの人もいてすごいなーと。
どうやって歩いてるのかな。



徒歩10分なんて大ウソー つらいよー

なんとなく固まって歩いていた他の観光客はとっくに先に行き、
夫にも置いていかれ、
私の後方にはミニチュアダックスをそれぞれ抱いたご夫婦がゆっくりゆっくり歩いてるだけ。



負けたくない
後ろのワンコ達には負けたくない


大石茶屋に到着!
やったワンコに勝った!

結局私は20分くらいかかってしまいました。



茶屋は下ってきた登山客や私たちのような普通の観光客で賑わってました。




なお、ここは標高1500mくらい。

そこまで高くはないので体調は全く問題ないです。
ただ疲れただけ。



大石茶屋からの富士山
残念ながら雲がかかってました。

この先が山頂までのルート。
御殿場口ルートは富士山4ルートの中で最も長くて過酷なんですよね。





下界を見ると雲海が。
美しい景色に疲れが飛びます。


しばし休んで景色を楽しみ下山。

想定以上に疲れました。最近たいした山歩きしてないので当たり前ですがこんなにキツいと思ってなかった。
山頂まで登山できる人って本当に凄い。尊敬します。


なお、先ほどのワンコ達は私の背後から嬉しそうに砂利道を駆け降りて風のように去って行きました。


よろしい。引き分けじゃ。






あまり涼しくはなかったし、とにかく疲れたけど
こんな私でもプチ富士登山を味わえて幸せでした。

次は富士宮口の宝永火山をハイキングしたい、と思ってます(懲りない)



お盆と松永記念館の睡蓮

2023年07月15日 14時38分00秒 | 小田原のいろいろ
私の地域は7月お盆です。

7月お盆の悪いところはよく忘れられること。
昔から身内にさえ忘れられるので徐々にたいした盆棚は設けなくなりました。
誰も見ないし。
それで8月お盆の時期にフルーツ貰ったりするんですけどね。

7月お盆の良いところは8月の盆休みにはゆっくりできること。
8月にスーパーで盆飾り用品など売られてるのを見ると
うちはもう終わったもん
とおかしな優越感に浸れます。


そんな感じの今年のお盆も無事に過ぎつつあり




本日は墓参りの後、お隣の松永記念館に寄ってきました。




睡蓮を見たかったのですが
午後だったので花は少なく




でも健気に幾つか咲いてるのを見れてまずまず満足です。




この時期、蓮に比べ睡蓮は意外と見れるスポットが少ないと感じます。








平日の松永記念館はいつも人が少なく
今日もすれ違ったのは3組くらいかな。

昨夜、ジブリの新作 君たちはどう生きるか
を観てきたばかりなので
池を前にしたら
アオサギや魚やカエルのこと思い出しちゃいました。

映画の中でも睡蓮咲いてましたね。
すごいお屋敷でした。


御殿場の浅間神社ぜんぶまわる その4川島田の後鬼前鬼

2023年07月07日 22時51分00秒 | 御殿場の浅間神社ぜんぶまわる
御殿場の浅間神社その4は川島田の浅間神社です。





鳥居の前に社号票が2つ並んでいます。
浅間神社と後鬼前鬼神社。
これはどちらも摂社や末社ではなく、境内に違う本社が2つあるというもの。

珍しい。



鳥居前の道祖神と庚申塔


このあたりの住所は川島田なのだけど、
明治時代に印野村の枝村である北畑村が陸軍演習場拡張のためこの地に移転してきたため、現在でも北畑という地名も使われてます。
(余所者にとっては大変ややこしい)

北畑村の移転に伴い鎮守である浅間神社もここに移り、後鬼前鬼神社が後に同じ境内に建てられた らしい。





鳥居から正面にあるのが浅間神社。
まだ新しい社殿。



そして、浅間神社の右側にある赤い鳥居。
これが後鬼前鬼神社の鳥居。


こちらも新しい建物


後鬼前鬼とは
7世紀に活躍した修験道の祖である
役小角(えんのおづの)
が調伏し従えていた2匹の鬼のこと。

2匹は夫婦で、役小角の前方を守る前鬼が夫、後方を守る後鬼が妻。
前者が赤鬼、後者が青鬼ともいわれます。

社殿を覗くと壁に鬼の面があり、祭神である後鬼前鬼の像などは見えないのでイメージをご紹介。




こちらは奈良県大峯山龍泉寺の後鬼前鬼の阿吽像(画像はぐるりん関西より)

カッコいいです



こちらはすみだ北斎美術館より
葛飾北斎による役小角と後鬼前鬼

後鬼と前鬼の表情から2人が小角を心から慕ってる様子が伝わってきます。


それにしても後鬼前鬼の神社というのは非常に珍しい。鬼が祭神なのは聞いたことありますが、後鬼前鬼は全国でここだけかもしれない。

説明板作ればいいのに。
なんにもないからもったいない。





神社裏手は北畑区民会館。
富士山がよく見えます。


御殿場には他にも役小角が開いたという青龍寺、自ら種を蒔いた椿の伝説などがあります。

伊豆半島最南端の石廊崎にある石室神社は小角が勧請したとされ小角の像がありました。


役小角ってほぼ架空の人物だし修験道という掴み難いジャンルなので歴史好きな方にとっても少々マイナー。
あ、でも最近はアニメなどの影響で違うのかな。

そういえば私が初めて役小角を知ったのは中学生から読み始めた平井和正氏の幻魔大戦シリーズでした。
確か東丈の前世ですごいイケメンだった記憶が。


後鬼前鬼に夢中になり忘れるところでした。
川島田(北畑)の浅間神社にも神楽が伝えられてます。



明治時代の村移転のためか、一度中断しており第二次世界大戦後に再開されたそうです。
もとは湯立神楽だったらしいのですが、今は湯は立てないとのこと。

ちょっとさみしい。