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おだにゃら記

地元小田原市中心のフィールドワーク備忘録。
歴史、神社仏閣、あとはいろいろ。


駅のホームにある神社 深沢銭洗弁天

2025年04月16日 13時50分00秒 | 神社
今年は干支の蛇にまつわる神社を気に掛けたいなと
1月に出雲大社相模分祠の龍蛇神さまに参拝しました。

でも近隣で蛇にまつわる神社、他に一社しか思いつかないんです。
あんまり遠くには行きたくないし。

その一社というのが箱根、塔ノ沢にある深澤銭洗弁天です。

この神社は箱根登山線箱根湯本駅から一駅目、塔ノ沢駅のホームにあリます。
正しくは駅の構内にあると言ったらいいかな。
ホームを降りずにそのまま行けるんです。





塔ノ沢駅は崖迫る山腹の無人駅。
駅周辺には何もなく、なぜここに駅があるのか疑問ですが、マイカーやバスがなかった大正〜昭和初期には湯治客で賑わったそうです。
(箱根登山線の開通は1919年、大正8)



神社は上りホーム(箱根湯本方面)にあるので



トンネルの上の階段を渡らねばなりません





 

鳥居をくぐるといきなり水の音がすごい






社には陶器の蛇が安置されています


かえるがあちこちに


ここで銭洗いします。

財布の中の小銭を何枚か洗いました。



灯篭の宝珠にマメヅタ。
水気が多いので苔やシダが美しくてうっとり。



深澤銭洗弁天はもとは早川渓谷の弁天池近くにあり、
明治時代の電気工事で池がなくなり社もなくなり存在を忘れられてしまったそうです。

大正時代になり、塔ノ沢に頻繁に宿泊していた実業家松井房吉氏(松井証券創業者)の夢枕に白蛇が現れ弁財天をきちんと祀るようにとのお告げが。
そこで松井氏は1926年(大正15)この場所に祠を寄進。
以降、塔ノ沢の旅館の人々によって守られてきました。


早川渓谷にあったという弁天社については調べてもわからず、深澤という名称についても不明。
遷座したわけではないので大正時代に建立された新しい神社といえます。






奥に他の社がいろいろ



石が祀られている社
何だろう。この石。

ここにも白蛇います。



可愛い
経典くわえてるヘビ



上行菩薩



火伏観音

こちらももとは早川渓谷の洞窟に祀られていて
昭和20年代にここに移されたそうです。



奥はまだまだ続いてまして
ちょっと信じられないです。
さっきまで駅のホームにいたのに。



祭神 瀬織津姫の紹介

瀬織津姫は祓戸大神であり、災いを川から海へ流す役割を持っています。

祭神とする神社はとても珍しいです。
別名や同一神が多く、蛇との関係はよくわかりません。








ここにいらっしゃるのが瀬織津姫なのですね。



さらに先の岩肌に小祠



足元の崖下には山からの水がじゃんじゃん流れてます。

とにかく水の音がすごい。



電車の音がして振り向いたら電車が。

気づくとホームからかなり離れてました。
山奥にいる気分。




神社境内は駅の小さな売店「しのや」のご主人が管理清掃されています。
最近はあまり開いてないようで、この日も平日だったせいか戸は閉まってました。
開店してるこの画像はWikipediaから。



帰りは箱根湯本駅まで歩きます。





遊歩道を下ります


箱根湯寮や阿弥陀寺への別れ道








弥八恵比寿大黒天とは?



後で調べたらお花見茶屋というお店の入口でした。
この下の弥八旅館のオーナーによる経営で、
敷地にはこね焼という陶芸ショップもありました。
現在は旅館も茶屋も陶芸も閉業してます。



茶屋のそばにある弥八恵比寿大黒天の社。
これも弥八旅館が建てたものです。



社からの階段は怖そうだったので別の道から。
ここにも何かありますね。









一応阿弥陀寺の名が書かれてますが…

この一帯は弥八旅館のなんでもパークみたいなものかと。
らーめん缶なる自販機群(ずっと不思議だった)
もパーク内。



塔ノ沢駅から徒歩5〜6分で国道1号に出ました。ちょうど福住楼の前。

下りだから楽だったけどここから塔ノ沢駅に登るのは疲れそう。

途中、数組のハイキング客とすれ違いました。全員外国人。



先ほどの社からの階段はここに出ます。



登ってないけど七福神の石像などあるそうです。

弥八旅館は閉業してますので今後の管理が心配ですね。
廃墟化しなければいいんだけど。




早川はウグイス色
前の晩の雨のせい




塔ノ沢駅から箱根湯本駅までは徒歩20分くらい。


大好きなハイカラ中華日清亭でラーメン食べて
(ここも外国人ばかり)
箱根登山線に乗って帰りました。




出雲大社相模分祠の龍蛇神

2025年01月31日 21時43分00秒 | 神社
今年の干支は蛇なので、
蛇に関わる神社が大人気で品川の蛇窪神社などは初詣に8時間以上も並んだとか。
そんなニュースを見て
今まで干支の動物に関する神社に興味はなかったけど、今年は私も蛇を気にしてみようかな と。

神社にいる干支の動物って龍と蛇くらい。
龍は多いですが蛇はほとんど聞かないですよね。
狛犬の代わりに牛やウサギがいるところもありますがあれは神に仕える眷属です。

蛇、蛇神、
と考えてると蛇拳とか蛇鶴八拳とか浮かんできちゃう世代。

それでも近隣の蛇を2社思い出したので、
そのうちの1社、出雲大社相模分祠へ行ってきました。
眷属になりますが大国主命に仕える龍蛇神がいらっしゃいます。






1月半ばまでは混雑してるようでしたがさすがにもう空いてました。
2月2日までは初詣期間でライトアップしたりやシャトルバスが出たりしてるそうです。







渋沢の峠集落を散策する - おだにゃら記

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出雲大社相模分祠については峠集落の記事で触れました。

出雲大社は言わずと知れた大国主命が国譲りをして隠遁した超有名神社です。
ですが全国にある出雲大社の分祠、分院、教会は明治時代に成立した出雲大社教という教派神道新宗教を布教するための施設です。
仏教系の有名な新宗教(創価学会や立正佼成会など)の全国各地にある支部はよく知られていると思いますが、出雲大社の相模分祠もそれらと同じです。
つまり相模分祠は神社ではありません。

そういった事情があるので
当初、明治に渋沢の峠集落に出雲大社教が分霊されたことは
鎮守の建立を願っていた地域住民にとって不本意だったらしく、
昭和50年に出雲大社教は現在の秦野市平沢に移転しています。


峠集落の出雲大社教跡地にはそのあと神明神社が迎えられているので、
伊勢派の普通の神社がいい!という住民たちの声が伝わってきますね。



峠集落を去った出雲大社教の相模分祠は
平沢村の鎮守、御嶽神社と八坂神社のすぐ近くに移転します。
両社とも天照大御神を祀る伊勢派っぽくないので都合が良かったのでしょうか。

その後50年ほどでここまで境内を拡張し建物を増やし、現在では御嶽神社と八坂神社を摂社の如く従えてるように見えます。


御嶽神社こそが1000年以上この地を守ってきた氏神であること、
知っている方はあまりいないようです。


出雲大社教や相模分祠のことを悪く言ってるわけでは決してありませんが
なんかね、
いろいろありますよね神社も神道も

ということで。




さて龍蛇神

アートな鳥居の奥、千年の杜に龍蛇神がいらっしゃいます。




千年の杜は境内に平成19年に植樹されたスポット

湧水から小川を流してメダカやドジョウやホタルもいるそうです。
生憎この日はほとんど水がなかったです。
日頃メダカを飼育している身にとっては非常に心配なところ。


公式に植樹時の写真があります。

なんにもないー

これがたった18年で今のような癒し森スポットになるなんて
植物の成長って早いものです。


千年の杜の奥にある龍蛇神の社



湧水「ゆずりの水」

汲んで持ち帰ることができます。
社殿で空のペットボトルを売ってます。


素朴な疑問。
この湧き水はいつからここに出てるんでしょ。

出雲大社教公式によりますと

「龍蛇神とは海蛇の神様で、水に住む龍は火難除け水難除けの守護神、
地に住む蛇は土地の災難除けの守護神として仰がれる。」

「出雲に八百万の神が集まる神無月(出雲では神在月)
大国主の御使として神々の先導役をする。」


働き者の海蛇様です。
私も今年は少しは働き者にならねば。



龍蛇神イメージ(出典こちら

出雲地方では浜に打ち上げられる海蛇を神聖視して神社に奉納する風習があったそうです。

どちらかというと、龍より蛇に近いお姿でしょうか。










出雲大社といえばうさぎ

愛らしいうさぎオブジェを見ていると
先日の悲しい事件を思い出してつらくなります。






相模分祠は伊勢ヶ濱部屋との繋がりが深く、
毎年の節分には部屋の力士がたくさん参加してるそうです。



昨年の様子


今年は2月2日開催。
恐ろしく混雑しそうでとてもとても行けませんが、見てみたいなぁ。


私の推しは熱海富士です。

頭高山プチ登山と白山神社

2025年01月25日 20時27分00秒 | 神社
頭高山

「ずっこうやま」と読むと最近知りました。
ずっと「ずこうやま」と思ってました。
 
 
頭高山 ずっこうやま
は秦野市千村にある標高303mの低山。篠窪のすぐ北。
R246の松田から寄にかけて、四十八瀬川の東に壁のように見える山がそうです。
 
渋沢丘陵から続くお手軽なハイキングコース、
渋沢駅からだと2時間程度で山頂に着きます。


昨年末
駅から歩かなくても山頂近くに駐車場があるのでプチ登山できそう
と行ってみました。

なお、この地図ははだの歴史博物館でいただいた大切な大切な矢倉沢往還ウォーキングガイドのコピー(すごい大活躍中)に加筆したものです。
ピンクが今回歩いた道。

 
駐車場はこんな感じ。
地主さんが厚意で開放してくれているそうです。
 

山頂までは15分




駐車場からすぐのところにある
戦没者慰霊の祈りの像

ここまでいきなり坂道…
 
祈りの像を過ぎてからは平坦で楽な道が続きます。
綺麗に整備されてるのでとても歩きやすい。



丹沢の山々が眺められるスポット



途中にある休憩所

一帯は八重桜の里

頭高山は塩漬けなど食用としての八重桜の生産量日本一だそうです。
 
これは春にまた来なくちゃ。
 
 

山頂手前の分かれ道
どちらから行ってもOK。
 
左は階段が見えたので、ちょっと遠回りっぽいけど楽そうな右から。
 

でもこっちにも階段があった。
しかもけっこうキツいっ



なんとか山頂到着
ダラダラ歩いて20分くらい。

プチ登山というよりはプチハイキングかな。
 



足柄平野、箱根山方面を臨む。
 
あとで調べたら頭高山は展望はあまり良くないようです。



秋葉神社
 
秋葉神社があることから昔は秋葉山とも呼ばれてたとか。
2つの石碑は馬頭観音。この山で働いた馬を祀ったものでしょう。
 
そういえば
昔、ここの麓の川沿いで馬飼われていたの思い出しました。
 
 
帰り道は駐車場にそのまま戻らず、
途中で白山神社方向へ下りました。
 


白山神社
千村地区の鎮守



いきなり素晴らしい鳥居スギ




かながわの名木100選のスギでした


社叢のスギ全体が秦野市の天然記念物に指定されています












昇り道祖神とは?

ウロを覗きましたら


道祖神が
はさまってる!

木が根元にいた道祖神を抱えて成長したんですね。
これからもどんどん昇っていかれるのでしょうか。



また一社
すてきな神社に出会えた喜び




白山神社から駐車場までは上り坂の道路。
ひたすら坂道。

これがかなりつらかった。
駐車場に戻ってから車で神社に行けばよかった…と激しく後悔しました。



かりがね神社

駐車場の斜め前なので最初に行くべきだったかも。



説明板が痛んで倒れていて
代わりにコピーが貼られてました。

昔、「かりがね」という名の姫がこの地で亡くなったことを偲んだ「かりがねの松」という立派な松があり、
いつしか神社が建てられたそうです。



お姫さまらしくお供え品が可愛らしい明るい空気の社。



ちょっとつらい階段や坂道もあったけど、
このくらいならいいかなと思える1時間半ほどの山歩きでした。

 

六所神社と総社と悪魔の手毬唄

2025年01月16日 21時16分00秒 | 神社
先週、
大磯の六所神社でお札をいただいてきました。
神棚の三体目の崇敬神社です。
昨年は川匂神社、一昨年は寒川…だったはず。



六所神社は相模国の総社です。

総社とはその土地の主だった神社を複数勧請した社のこと。
赴任してきた国司の巡礼の手間を省くために一箇所にまとめたものです。
便利ですね。日本の神さま。


もともとこの地には崇神天皇の頃から柳田大神が祀られていました。
崇神天皇とは第10代天皇、治世は紀元前、およそ2100年前になります。

古いです。
このくらいが古いと言うんです。


その古い歴史を持つ柳田大神に

寒川神社(一宮)
川匂神社(二宮)
比々多神社(三宮)
前鳥神社(四宮)
平塚八幡宮(一国一社)

の5社を合祀して総社六所神社。











総社は一つの国に一つで、数や神々は様々、総社が設けられていない国もあります。
伊豆国にはないですね。なぜだろう。



総社と聞くと昔から思い出してしまうのは
映画「悪魔の手毬唄」(1977年)

総社駅での石坂浩二と若山富三郎のラストシーンが有名です。


金田一が
「リカさん(犯人岸恵子)のこと愛してらしたんですね」

と聞くけど汽笛の音にかき消されて磯川刑事はハァ?

かわりにカメラが映す


そうじゃ !


観客をおちょくってないか?とも思うんですが
みなさんが名シーンと言うから名シーンなのでしょう。


映画の舞台は岡山県総社市。
市名の由来はもちろん総社があることからです。

でもロケ地はほとんど山梨県や静岡県で、
この「そうじゃ」駅も実際は大井川鉄道の家山駅で撮影されています。

映画に出てくるレトロな駅舎は健在。いつか訪れてみたい場所のひとつです。

なんと
この機関車は今はトーマスになってた!










六所神社は池が広く清涼感があり、
祭神に櫛稲田姫がいることから明るく華やかな空気もあり、
言葉では説明し難いのですが、
女性としてホッと安らげる社だと常々感じております。



宗我神社と曽我の里

2024年12月18日 19時20分00秒 | 神社
曽我の里
宗我神社の散紅葉






毎日お掃除大変そうです







散ってなおこの艶やかさ



鏡に狛犬ほっこり







石垣に道祖神が埋め込まれてる
埋め道祖神

この場所から動かせない!という強い意志を感じます



六本松跡へ




こんなところにあります
今は松は残っていませんが





このあたりきちんと歩きたいなと思いながら数十年



蜜柑畑





田島からの富士山

この日も雲がかかっててちょっと残念