ぴてのひとりごと

法務や福岡ソフトバンクホークスの話題など、徒然なるままに書き込んでいるブログです。

ゼクー

2005-08-16 02:00:27 | 法務

 破産手続中の株式会社ゼクーが運営する「とりあえず吾平」という居酒屋と「ホブソンズ・カフェ」というレストランの営業譲渡が決まったようです(こちら)。

 このゼクーという会社、独立監査人が会社の内部統制が不十分であるとして辞任したり、巨額の前渡金勘定が結果的に回収不能になったり、会社提案の取締役選任議案が否決されたり、元代表取締役が所在不明になったり、前代表取締役が準自己破産を申し立て、それに他の取締役、監査役が反対して代表取締役の行為差止請求がなされたりしていて、いろいろ話題を提供していました。代表取締役と他の取締役、監査役がまったく違う立場から東証に適時開示していましたので、私自身も興味を持って推移を見守っていました。

 結局、東京地方裁判所が代表取締役による準自己破産の申立てを受けて、破産開始決定を行い、破産管財人の元で事業が継続されてきたようです。無事営業譲渡が決まり、事業としての継続が決まったのはよかったですね。事業継続のためには、破産よりも民事再生の方がよかったのでしょうが、取締役会で賛成を得られないと判断して、代表取締役が単独で申立てを行える破産を選択したのでしょう。

 今の段階では、会社の中でなにが起こったのか分かりませんが、破産管財人も原因の究明に努めるといっています。会社法でも大会社においては内部統制システムの整備が取締役会の責任となることが明らかにされたことでもありますし、本件の経緯が明らかにされ、上場会社に求められる内部統制とはなにかを考える一助になればよいと思っています。


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2 コメント

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上場会社だったのです (りんご)
2005-08-17 01:00:55
ご無沙汰です。

今回の件で話題になる前から上場直後に代表取締役がお家騒動でころころ変わったり、派閥争いが原因で社長が社員に暴力を振るったとして逮捕されたりと、上場会社どころか普通の会社としてもかなり水準が低かったことは事実ですが。ベンチャー向け市場に大手証券以外の主幹事で上場した会社はこんなものだという典型例が極端な形で出てしまったのですね。
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返事が遅くなりまして (ぴて)
2005-08-18 23:34:36
申し訳ありません。海外旅行中のためコメントを見るのが遅れてしまいました。



それにしても、新興市場の上場会社が玉石混交ということになると、今まで以上に上場主幹事の力量が問われますね。もっとも今回の騒動はすべての会社に共通して求められる内部統制の問題なのかもしれませんが。
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