コロナで鬱々とした気分を紛らわすのもあって、
天気のいい日曜には、四国88カ所を逆から回る「逆打ち」をしている。
天長年間、伊予の国(愛媛県)の強欲な長者・河野衛門三郎(えもんざぶろう)は自分の悪行の許しを請うため、弘法大師の後を追ってお遍路を始めた。
20回回っても大師に会うことができず、21回目にして、逆に回れば途中で会えるかもしれないと「逆打ち」を思いつく。
そして12番札所の焼山寺で力尽き、薄れゆく意識のなか、ついに弘法大師が現れ、すべてを許されたという。
行程も厳しいことから1度回った人が逆打ちすると、ご利益が3倍になると言われる。
88カ所参りは14年前お姑さんを亡くした後、じーさまと私達3人で回って以来。
「こんなにきつかったっけ?おじいさん80でよく歩いたね」と息を切らし、
マスクも途中ではずし、大汗かいて山寺へ続く急な坂道を上っていく。
以前はどの札所もお遍路さんでいっぱいで、バスで来る団体客も多かった。
地域の方たちが、境内で甘酒やお菓子のお接待をしてくれたり、
お土産屋さんや食堂なども、人が溢れて活気があったものだ。
でも、コロナの今年は全く様子が違う。
桜の頃でも駐車場は2、3台。バスの影もお接待の人もなく閑散としていた。参道のお店も閉まっている所が多くて寂しい限り。
車も香川ナンバーばかりで、こちらの肩身がちょっと狭かったくらいだ。
それから間もなく納経所も自粛で閉鎖され、5月末にようやく再開した。
納経所の出入り口には消毒液が置かれ、受付の窓口にもコロナ対策がしてあり、用心深い札所では、中に1人ずつしか入れないようになっていた。
今回は本格的に、白衣にワゲサをつけてずだ袋をかけ、金剛杖をつき、
本堂と太子堂で般若心経を唱えてから納経所で御朱印をもらっている。
(お経の読み方もわからないので、紙を見ながらまったくの自己流だけど)
そして必ず、本堂をバックにツーショットで記念撮影することにしている。
というのも、めったに四国一周なんてできないし、写真の1枚も撮っておかないと、記憶がすぐになくなるからだ。
88のお寺と、それぞれのお札の写真を並べて1冊のお遍路アルバムを作り、
将来どちらかが1人になっても、お遍路のことを思い出せるようにとダンナがはりきっている。本来なら人が多すぎて、三脚広げて撮影なんて無理だけど。
今回は雨のため中止になってちょっとホッとしているところ。
毎週のように日帰りで何カ所もお参りするのは、結構疲れるもので、
月曜日は仕事中死んでいる(^^;)
先週は、難所で有名な45番の岩屋寺へ。聞きしに勝る登り坂。
ひーひー言いながらも大自然のマイナスイオンの中、歩き続けて本堂が見えてくると、達成感はハンパなく、本堂が岩山の中に埋め込まれるようにして建っていた。
この標高700mの岩山は、4000万年前に海の中でマグマや岩が寄せ集まってできた山だそうだ。
海と山が1つになった超パワースポット! だからお遍路は奥が深いのです。
88番から44番まで行ったので、ちょうど半分は回ったことになる。
あと1回で香川→愛媛を制覇し、次からは高知→徳島へ。。
目的地に行くまでが遠くなるので大変だけど、県外遠くからお遍路に来る人たちよりは地の利に恵まれているので、なんとか今年中に回るつもりです。
家族の健康と、コロナ収束の願かけが届くといいのだけど・・