練馬区 すぎぶち ぴあの教室

都内のピアノ教室です。ピアノレッスンのことを綴った真面目なことしか書いていない、でも少し役立つかもしれないブログ。

ウラディミール·ホロヴィッツ

2024年07月21日 | ピアニスト

 

 

 

ピアノ王国のピアニストをご紹介したいと思います。

 

まずは、今でも多くのピアニストが憧れている

ウラディミール·ホロヴィッツ

 

Vladimir Samoilovich Horowitz

1903-1989 ロシア帝国 (現:ウクライナ キエフ出身)-アメリカ没

 

史上最も偉大なピアニストのひとり

他に類を見ない格別な技巧と音色を持ち、

聴衆を熱狂させたピアニスト

 

指を伸ばして演奏をする独自のスタイルで

多彩な音色を生み出す。

不必要にペダルを多用せず、最弱音から最強音まで

無限に近い幅広いディナーミクを持ち、

粒立ちの良い透明感のある速いパッセージから、

轟きわたる圧倒的轟音で聴衆を魅了。

 

ピアノを歌わせようと、歌のように演奏したいと

何度も声楽のレコードを聴き、

直後にピアノで同じように弾くことを

試していたといいます。

 

新しい曲に取り組む際には、

その作曲家の交響曲からオペラに至るまで

全ての楽譜に目を通していたそうです。

また、コンサートで演奏したり、録音をしていない曲でも

多くの曲は暗譜していたといいます。

 

来日は遅く、1983年6月。

79歳の時でした。

S席5万円にもかかわらず、即日完売。

 

コンサート前半終了時の休憩でインタビューを受けた

音楽評論家の吉田秀和氏は

「ひびの入った骨董品」と評しました。

 

私も放送で聴きましたが、

録音で耳にしていたホロヴィッツとは全く異なる演奏で、

高齢により手元がおぼつかなくなっていると思いました。

吉田氏の評を知ったホロヴィッツは、

「全くその通りだ」と。

 

日本のファンを失望させたことを気に病み、

ホロヴィッツの希望で、1986年再来日。

 

この時の演奏はホロヴィッツ本来の芸術性ある演奏でした。

実は初来日時は、当時処方されていた薬により

身体のコントロールがうまく利かなかったようです。

しかし、それを口にすることはありませんでした。

 

 

 

初めて聴いたホロヴィッツの演奏がこのトスカニーニ指揮の

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番

この音に圧倒され、高校生の時に

毎日のように聴いていました。

 

今聴くと、こんなに歌う音だったのかとか

信じられないほど美しい弱音とか

ディナーミクとアゴーギグの絶妙さが興奮を呼び起こす

とか思います。

 

第2楽章のクリアなタッチから生み出される音のキレ。

23'14"辺りの爆音に高校生の時は鳥肌が立ちました。

第1楽章のカデンツァからオケへの受け渡しもゾクゾク。

魔術的な音。

第3楽章のオケが十分に音楽を盛り上げたところでの

ピアノの高速オクターブ。

音量といいスピードといい想像を上回ります。

29'29"辺りから来るぞ来るぞが始まります。

 

第1楽章の終わりに拍手が起きているのは

現在では少なくなりましたが、この曲を知らなかったり、

演奏が素晴らしすぎだと起きるかもしれません。

この曲は第3楽章まであり、続けて演奏されます。

終楽章では曲が終わる前から拍手が沸き起こっています。

 

わかる!これはありです!

 

 

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