ピアノ王国のピアニスト、
今回はアナトリー・ヴェデルニコフ
海外の演奏活動が制限され、
国外に類稀な能力が知られなかったが、
ネイガウスが才能のある弟子として挙げた
４人の中のひとり
Anatoly Ivanovich Vedernikov
1920-1993 満州国 ハルピンーロシア没
鮮やかなテクニックで、
明るさと鋭利さを持つ音色を作り出し、
感情におもねることなく、明晰な演奏をした
悲劇のピアニスト
家族が粛清により、父親は銃殺刑、
母親は強制収容所送りとなりました。
自身も逮捕されそうになりましたが、
モスクワ音楽院の師である
ネイガウスの計らいにより逮捕を免れました。
現代音楽であろうと熱心に取り上げ、
体制に迎合しなかったこともあり、
活動が制限される要因にもなりましたが、
それを改めることはしませんでした。
東京に８カ月間滞在していたことがありました。
レオ・シロタのレッスンを受けるためです。
しかし、戦争により日本に住みにくくなり、
シロタに、アメリカに行くかモスクワのネイガウスの下に
行くことを勧められ、モスクワに行くことにしました。
モスクワではリヒテルと同門となりました。
どちらが演奏しているか本人たちも分からなくなるくらい
似たタイプの演奏だったそうです。
２人は100回ほどデュオ・コンサートを開いており、
バルトークの「2台のピアノと打楽器のための音楽」
の録音は名演として知られています。
ペレストロイカにより
ソ連以外での演奏活動が出来るようになり、
モスクワ音楽院で教えることも出来るようになりました。
西側諸国での演奏は好評を博しました。
1993年秋に来日が予定されていましたが、
病に倒れ来日は果たせませんでした。
圧倒的で恐ろしい悪魔的暗示
静かで心に沁みるフランク
