Haru S.の部屋

都内のピアノ教室です。ピアノレッスンのことを綴った真面目なことしか書いていない、でも少し役立つかもしれないブログ。

ピアノは何を使う?

2024年06月29日 | レッスン

 

 

 

歌はを使い声を出します。

管楽器もを使い音を出します。

 

弦楽器は弓に腕の重みを載せて弦をこすり音を出します。

 

弦楽器は右手で弓を持って音を出し、

左手は弦を押さえ音程を作り出します。

 

速いパッセージで左手を懸命に動かしたとしても、音を出す弓を持つ右手に腕の重みを載せて弓のコントロールができていなければ音は出ず、聴く側には何をしているか分からない状態になります。

 

ピアノはと言うと、

腕を使い体の重みを鍵盤に載せて音を出します。

 

弦楽器とピアノは音の出し方で言うと仲間です。

 

 

弦楽器は両手の役割分担が見える楽器と言えますが、

ピアノはそれが見えにくい楽器です。

 

弦楽器が両手で別々に担っている役割を

ピアノは両手で同時に行っています。

 

音程はピアノ自体がしてくれるので

正しい音程を作るのは調律師さんのお仕事です。

 

ピアノを弾く人がすることは、

いかに良く楽器を鳴らすかです。

 

 

ここでピアノにとっての大問題。

 

鍵盤を動かすと中でハンマーが動き弦を叩いて音を出してくれるので、それがピアノの音と勘違いされることが非常に多いことです。そうやって聞こえた音は、その辺にぶつかって出た音と同じです。

 

では、ちゃんとハンマーが弦を叩いてくれるように

力を入れて鍵盤を動かせば良いのか?

 

これも大間違いです。

騒音となり聴くに耐えません。

 

かすったスカスカの音も、力任せの音も、

どちらも音楽にはなりません。

 

 

では、どうするか。

 

だから腕の重みと体の重さを鍵盤に載せて音を出すのです。

 

鍵盤上で指をこわばらせると、それがそのまま硬く響かない音に直結するのがピアノという楽器です。

 

こわばらせず、腕·体の重みを使うには力を抜くことです。

 

力を全て抜くのではなく、

自分の腕を支える力、体を支える力は必要です。

 

体を支えられる姿勢で座り

重さを使って音を出せるように腕をリラックスさせ

指をこわばらせず一音を鳴らす。

 

これがピアノという楽器の最初の一歩です。

 

ここを飛ばして曲を弾き始めても

この楽器が弾けるとは言えないのです。

 

 


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好きらしい

2024年06月26日 | レッスン

 

 

 

 

「不思議な音の国 下巻」の第22章を弾いている

小学2年生の生徒さんに「Current」という曲を弾いてもらっています。

 

不思議の教本は全部で23章あります。

もうすぐ終わる所まで来ています。

 

「Current」は5度音程しかない曲です。

それを重音で弾く部分とアルペジォにして弾く部分があります。

 

重音では腕の重さを鍵盤に載せ、

アルペジォは左手から右手に流れるように音を渡します。

 

不思議の教本ではレガートを徹底的に学びますが、

アルペジォのようにより流れが必要なものはありません。

 

より細かな腕や手首の使い方を覚えてほしいと思い、

Paula Dreyerさんの「Littele Gems for Piano」という曲集を

彼女に使うことにしました。

 

そうしましたら、「Current」は最後まで弾いてきたと言います。

わりと区切りながら少しずつ譜読みを進める生徒さんなのですが、

今回は1週間で全部弾いてきました。

 

レッスンが終わってお母様が仰るには、

「この曲が好きみたいで、こればっかり弾いてました。他の曲はちょっとしか弾かないのに、この曲はずっと弾いてました。綺麗な曲が好きみたいです」

 

Paulaさんのこの曲集は音の仕組みを意図をもって作られています。

そのことに気付くと譜読みがとても速くできます。

 

このことは楽譜を読むうえで非常に大事なことです。

さらにPaulaさんはこの曲のアドヴァイスに

「この曲はたくさんの強さと音色があります。どれだけ美しく弾けますか?聞いている人に優しく流れる波を想像させましょう。」

さらに

「強さやリタルダンドがコントロールできるようになったら、今度はそれらを自分で自由に考えてみましょう。好きな所でゆっくりさせたり強さをかえてみて下さい。川の流れは常に変化しています。美しく流れる音楽の中で、流れの変化を自分で作り出してみて下さい。」

 

とあります。

 

音楽を表現するとはこのようなことで、

音を正しく読み、間違わずに弾く、なんてことが目的ではないのです。

 

作曲者が直接このように書いて下さると

レッスンでもイメージを持つこと、表現することについて話しやすいです。

 

 


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ここは必須

2024年06月23日 | 不思議な音の国

 

上の絵は音のマンションです。

 

どういうことかと申しますと、

真ん中の「ド」をマンションの入り口に、

ト音記号の方に「ドレミファソラシド」

ヘ音記号の方に「ドシラソファミレド」

と、各階に住んでいる不思議な音の国の住人が並んでいます。

 

これらのキャラクターは実際に「不思議な音の国」という

ピアノ導入教本で習う音たちです。

 

ト音記号は高い音を書くためにある記号、

ヘ音記号は低い音を書くためにある記号です。

 

ピアノはなにせ音域が広いので、両方の記号が必要です。

これを習い始めから読めるようにします。

 

更に、読めるだけでは役に立たず、

どの高さであるかが分かる必要があります。

 

音の高さが分からなくなるつまづきは、

実はこの最初に習う真ん中の「ド」で既に起きてしまいます。

 

上の絵にある王様とドラゴンがいる「真ん中のド」は、

ト音記号ヘ音記号両方の書き方があり

鍵盤の位置はどちらも全く同じ「真ん中のド」です

 

 

曲が進むと、ト音記号の「ソ」辺り、ヘ音記号の「ファ」辺りまでは

逆の音部記号で書き表すことがあります。

加線と言うものが必要になります。

複雑になるので、習い始めは上の絵の原則に従い音を読みます。

 

ここでよく覚えてほしいことは、

「真ん中のド」はト音記号は右手ヘ音記号は左手で弾くことです。

 

これも曲が進むとこうなるとは限りませんが、

まずはこれを基本として覚えます。

 

「真ん中のド」の書き表し方どちらの手で弾くか

この2つを確実に覚えることが音の読みと高さを一致させる

最初のステップです。

 

 


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曲のプレゼント

2024年06月20日 | 不思議な音の国

 

 

 

「不思議な音の国」の教本では作曲もします。

習った音とリズムでメロディを作ります。

 

私は生徒さんが作ってきてくれたものを

連弾曲に編曲してプレゼントしています。

 

その時に、他の楽器のアンサンブル版を作ることもよくあります。

 

ピアノを習い始めて間もない生徒さんたちなので、

自分が作った曲がどんな曲かよくわかっていないことも多いです。

 

なのに私が更に2人で演奏できるように編曲をして楽譜を渡すので、

生徒さんたちは意味がよくわかっていません・・

 

人はこれをありがた迷惑と言います  

 

そんなことはわかっているのですが、

将来、その楽譜が偶然に楽譜の間やファイルの中から出てきた時に

あの先生、こんなことしてくれてたんだ

と、思い出してもらえれば良いなと思っております。

 

世界に一つだけの曲です。

その生徒さんのために作った、たった一つの曲です。

 

上の動画は、一番最近作ったものです。

生徒さんに既にピアノの経験があるので、いつもとは異なり、

生徒さんのパートにも伴奏っぽいものを入れてみました。

 

下の動画は同じ曲ですが、

他の楽器のアンサンブル版で、バッハのある曲集風にしてみました。

 

バッハに完璧に怒られます・・

こんな間違いだらけの編曲に私の曲を使うな

と、絶対言われる・・

 


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リズムの練習

2024年06月17日 | レッスン

 

 

Super Mario Play Along with Poison Rhythm! | Levels 1, 2 & 3

 

 

音楽の3要素をご存知ですか?

 

リズム、メロディー、ハーモニー、です。

 

この内のひとつでも欠けると音楽にはなりません。

特にメロディーとリズムは常に同時に存在します。

 

リズムとは、音の長さのことです。

この長さの存在により拍という人間の心臓のようなものが生まれます。

 

拍は拍子をも形成します。

2拍子、3拍子、4拍子、6拍子、など

ほかにも拍子はありますが、代表的なものはこの4つです。

 

心臓の鼓動の様な刻みを保つには

リズムが正しくなければいけません。

 

何拍伸ばすかということですが、

これを一定のテンポの中で行う必要があります。

 

単に何拍伸ばすと理論的に覚えていても役には立たず、

実際にその長さをテンポに合わせて伸ばせなければいけないのです。

 

 

色々な練習法はありますが、理想は音楽の中でそれを行うことです。

上のような動画を使って練習をすることもできます。

 

拍も刻んでくれていますので、

テンポを感じ取って試してみて下さい。

 

ラスボスはテンポが速くなります。

メチャクチャに叩いてはいけません。

1回聞き流して、テンポを確かめてみましょう。

 

 


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