パリオリンピックのフェンシング
男子フルーレ団体が金メダルを獲得しました。
フランス人コーチのルペシュー氏が
最初に覚えた日本語が
「気にしない」
だそうです。
そして皆に、フェンシングをしなさいと
常に言っていたそうです。
世界ランキングとか勝ち負けを考えるのではなく、
フェンシングをすることだけを考えなさいと。
ピアノレッスンでも似たようなことがあります。
私は絶対にそれを言わないのですが、
「間違わずに弾く」ことを第一に考える生徒さんがいます。
たとえ音を間違わずに弾いたとしても、
気持ちが全く伝わらない演奏、
体の使い方を全く意識せずただ鍵盤を押さえた演奏は、
それ自体が全て間違いです。
そこをよくレッスンで言うのですが、
日本人のマインドは簡単には変わりません。
特に大人の方がそうです。
音が弾けるようになってからでは手遅れです。
譜読みの段階で間違った奏法をしていると
それが染みつきます。直すことは出来ません。
初めからその音楽がどんな質の音を求めているかを
見つけながら練習する必要があります。
だからゆっくりなテンポで練習を始めなければなりません。
形だけ体裁を整えては、音楽では通用しません。
見透かされていることに時間を割くより、
こう弾きたい、これを伝えたい、
という気持ちが伝わる方がずっと意味があります。