ピアノのレッスンでは、曲を弾く以外の宿題が出ることがあります。
レッスンだけでは覚えきれないことや、
家で復習をして記憶を定着させてほしいワークの類です。
私は基本的にワークブックは使っていません。
しかし、教本の曲を弾くだけではどうしても
覚えきれないものがあります。
例えば、新しいリズムの長さと名前。
レッスンではそれを実際に叩いたり弾いたりして
拍を感じること、拍子を感じることに時間を使います。
そのために、基本として最低でもそのリズムの
長さは覚えなくてはなりません。
それで、教本にあるそれらを書くページや、
更にプリントを出して宿題にします。
どのようにやるのかは、レッスンで
少し一緒にやるようにしています。
しかし、全てをレッスンで一緒にするとなると、
書くのに時間がかかり、それだけで30分のレッスンが
終わってしまいます。
なので、家で書いてくることを宿題にします。
次のレッスンまでに7日あります。
その内の1日をその宿題に費やせばよいのです。
覚えるためにするので、これで覚えようと思ってすることです。
この宿題をしてこないと、
結局レッスンでほぼ30分かけて書くことになります。
すると、せっかく練習してきた曲のレッスンが十分に出来ず、
翌週また同じ曲を練習することになったり、
新しい曲が本当は貰えるはずだったのに
以前弾いた曲を復習してきて、という具合になります。
影響はその宿題をしてこなかったことだけでは
済まないのです。
レッスン全てに影響が出ます。
小さなお子様の宿題は、たとえピアノ経験のない親御さんでも
お子様と一緒にする必要があります。
特に、小学1年生まではその必要があります。
ピアノ経験がなくとも、習い始めに覚えることは
大人にとってはすぐに分かることばかりです。
一緒に覚えるつもりで宿題に付き合ってあげて下さい。
小さい頃に手を掛けた分だけ、
子どもは自立が早くなります。
放置しておくと、いつまで経っても自立できません。
お母さんも分からないから、お父さんも分からないから、
自分が分からないのは当たり前という発想になってしまいます。
わからなければ一緒に考えて、
それでもわからない時はレッスン時に講師に質問してください。
そうすると、その内子どもは自分が分かって帰らないと
家では誰も助けてくれないという考えになります。
そうして自立していくのです。
ちょっとした事の積み重ねで、
レッスンの進むペースもかなり差が出てしまうのが
ピアノレッスンです。
個人差はお家の方のご協力によるところが
多分にあります。
お子様の人生のほんの数年、
付き合ってあげるだけで良いのです。
小学2年生以降に習い始めたお子様は、
やはり子ども任せにせず、喧嘩してしまうかもしれませんが、
宿題を気に掛けてあげて下さい。
宿題やった?練習しなさい、ではなく、
どんな宿題?どの曲弾いてるの?聞かせてもらっていい?
そして、できれば月に1度、もしくは2カ月に1度は
お子様が嫌がらなければ、一緒にレッスン室に入って
お子様がレッスンを受ける姿をご覧になってください。