Haru S.の部屋

都内のピアノ教室です。ピアノレッスンのことを綴った真面目なことしか書いていない、でも少し役立つかもしれないブログ。

ミハイル・プレトニョフ

2024年09月01日 | ピアニスト

 

 

 

今回ご紹介するのは、ロシアのミハイル・プレトニョフ

ピアニストのみならず指揮者、作曲家としても活躍

各分野で並はずれた才能を発揮し

カリスマ的な存在として人気

 

Mikhail Vasilievich Pletnev

1957-  ソ連

 

13歳でモスクワ音楽院入学

1978年にチャイコフスキーコンクールで優勝

国際的注目を集める

 

ロシアで最初の私設オーケストラ

「ロシア・ナショナル管弦楽団」設立し、総監督として

指揮活動にも情熱を注ぐ

 

設立したオーケストラからは、

プレトニョフがロシアのウクライナ侵攻を

非難したことにより、監督の座を追放されています。

 

住居のあるスイスに完全に拠点を移し、

西側での演奏活動を続けています。

 

2006年に突然ピアニストを引退すると宣言。

しかし、Shigeru kawaiのピアノとの出逢いが

再びピアノへと向かわせ、

2013年に7年のブランクから復活。

このピアノとの出逢いがなければピアノの再開はなかったと。

 

Mikhail Pletnev plays Schumann - Piano Concerto (Budapest, 2016)

 

プレトニョフの師フリエールは

硬質ではない豊満な音が大音響となって

ホールに響き渡ったと言います。

 

プレトニョフの演奏を生で聴いた時も

まさしくそのような音で、何の力みもなく

音が勝手にホールに広がり充満して行きました。

 

会場の聴衆もざわめいたほどです。

魔術のようでした。

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリスティアン・ツィメルマン

2024年08月31日 | ピアニスト

 

 

今回は、ポーランドのクリスティアン・ツィメルマン

豪華で華麗な音と緻密に組み立てられた音楽で

完璧な演奏を聴かせる現代の巨匠のひとり

 

Krystian Zimerman

1956-  ポーランド

 

弱冠18歳でショパンコンクール優勝

カラヤン、バーンスタイン、小澤征爾、ラトル、といった

巨匠との共演も多い

 

 

指揮者バーンスタインの最後の主要録音のひとつが

ツィメルマンとのベートーヴェンのピアノコンチェルト

全曲録音でした。

しかし、3曲録音した所でバーンスタインが亡くなり、

残りの2曲はツィメルマン自身が指揮をして録音。

 

演奏には妥協を許さず、必ず作曲家の自筆譜などを

入念に読み込んで研究するそうです。

 

また、録音は数多くすることはせず、

コンサートのプログラムも

リストのソナタをステージに上げるのに

10年費やしたり、ドビュッシーの前奏曲集Ⅰ,Ⅱ巻は

弾けるとは思わなかったと言い、こちらも

長い準備期間の末ステージに上げました。

 

ドビュッシーの練習曲集は全曲演奏するつもりで

準備を進めていましたが、納得いかなかったのか

曲目が変更になり、現在も公に演奏はされておりません。

 

ドビュッシーの作品は全曲弾いたそうです。

しかし、ステージで聴くことのできる曲は

ほんの一部です。

 

ツィメルマンの技巧は高度で、

音作りも何の困難もないように思えますが、

それでもご本人は納得できるものしか

ステージには上げないようです。

 

Liszt: Totentanz, S. 525

 

こちらの曲は小澤征爾さんが総監督をしていた

ボストン交響楽団との初めての録音です。

 

この「死の舞踏」は元々コンサートでもレコーディングでも

弾く予定がなく、ツィメルマンが小沢さんに

「こういう曲もある」と紹介した所、

小沢さんがすぐに楽譜を取り寄せ

急遽、プログラムに入れた曲なのだそうです。

 

十分にリハーサルをする時間もなく、

ほとんどぶっつけ本番だったそうですが、

小沢さんは暗譜で臨み、信じられないほどうまくいったと。

 

この演奏の9割はコンサートのライブ録音なのだそうです。

そして、ツィメルマンはこの曲を演奏したのは

あとにも先にもこの一度きり。

アドレナリン全開で音楽に没入した記録だと。

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンドラーシュ・シフ

2024年08月30日 | ピアニスト

 

 

今回はアンドラーシュ・シフ

ハンガリーの三羽烏と言われた一人

受賞歴が多く、メダルや博士号を多数受賞

教育活動にも力を入れている

 

András Schiff

1953- ハンガリー

 

バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト

などのドイツのバロック、古典派を得意とする

 

 

研ぎ澄まされたタッチと豊富な知識から紡ぎ出す

深みのある音楽が聴衆を包み込みます。

マスタークラスも多く、ユーモアを交えながらも

乱暴な音、叩きつける音には厳しく、

嫌悪感をあらわにします。

 

ピアノ協奏曲第2番①

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゾルターン・コチシュ

2024年08月27日 | ピアニスト

 

 

東欧のピアニスト、今回はゾルターン・コチシュ

ハンガリーの三羽烏と呼ばれた一人

ピアニストでありながら、指揮者でもあり、作曲家でもある鬼才

 

Kocsis Zoltán

1952-2016 ハンガリー ー ハンガリー

 

ハンガリー国立フィルのの総監督となり

団員をオーディションし直しレベルを上げたり、

新たなオーケストラの創設、

シェーンベルクの未完のオペラを完成させ世界初演、

ピアノ曲のオーケストラ用の編曲、

ラフマニノフの歌曲のピアノ編曲など、幅広く活躍。

 

8歳の時にベートーヴェンの交響曲全曲を暗譜し

指揮を練習したと言います。

 

リヒテルとの共演経験があり、彼の影響は時間が経ってから

フレーズを歌わせたいと思った時に

ふと表れるようになったそうです。

 

時間が足りない生活の中でも、

暇さえあれば色々な人の録音を聴いたそう。

「人間、学ぼうと思えば何からでも学べます。好奇心をもって、

本当に好きなことをする。そこから力が湧いてくるんですよ。」と。

 

Liszt: Concerto No. 2 in A major

こちら、ちゃんと見られます。

 

Zoltan Kocsis plays Franz Liszt: Reminiscenses de Norma de Bellini

 

テクニックも素晴らしいですが、音が澄んでいて美しいです。

そして、スケール、アルペジォといった基礎中の基礎が

驚くほど美しいです。

どんなに忙しくとも毎日3時間の練習は

欠かさなかったそうです。

コンサートがあるとそこに演奏曲目が加わり、

もっと長い時間練習すると。

ピアノは練習時間が長くなる宿命にあると

おっしゃっています。

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グリゴリー・ソコロフ

2024年08月26日 | ピアニスト

 

 

ピアノ王国のピアニスト、今回はグリゴリー・ソコロフ

わずか16歳でチャイコフスキーコンクールで優勝し、

審査委員長だったギレリス以下、審査員全員一致で

金メダルが授与され、国際的な注目を浴びた

 

Grigory Lipmanovich Sokolov

1950- ソ連

 

色彩感豊かで多様な音で

12世紀の音楽から20世紀の音楽まで幅広く演奏。

 

ソ連国内での演奏活動が多く、

国外での演奏は滅多に許可されず、西側では

名前だけが知られていました。

ペレストロイカにより国際的な活動が活発化。

次第に名声を得ることになりました。

 

高名なオーケストラ、一流の指揮者と共演してきましたが、

現在では全ての演奏活動をソロのピアノリサイタル

のみに専念しています。

 

Rameau - Les sauvages - Grigory Sokolov

 

Rachmaninov - Preludes Op. 23 - Grigory Sokolov, Geneva 11.12.2021

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする