銀杏の落ち葉を撮っていて、人の気配がしたので振り向くと、
老女が後ろで立ち止まっている。
前を通って良いかと待っていたのだ。
「すみません、通ってください」。
「あの落ち葉の中で写真を撮らせていただけませんか」とお願いする。
「エッこんな婆さんを撮るんですか」。
「きれいな落ち葉の中で撮りたいんです」。
老女は、持っていたバックを思い切り自分から遠ざけるように木の幹の傍に置いた。
そしてカメラに向かって直立不動になった。
「私この先のホームにいるんです。今日は散歩に来たんです」。
老女と言っても私からすれば、ちょいお姉さん位だ。
もっと自由に、楽にしてと言っても無理な注文だ。
撮り終えたら、「ありがとうございます」と何度も礼を言われた。
名前も、渡す約束をしたわけでもない。お礼はこちらがする方だ。
別れたあと、彼女のお礼の意味をしばし考えていた。
老女が後ろで立ち止まっている。
前を通って良いかと待っていたのだ。
「すみません、通ってください」。
「あの落ち葉の中で写真を撮らせていただけませんか」とお願いする。
「エッこんな婆さんを撮るんですか」。
「きれいな落ち葉の中で撮りたいんです」。
老女は、持っていたバックを思い切り自分から遠ざけるように木の幹の傍に置いた。
そしてカメラに向かって直立不動になった。
「私この先のホームにいるんです。今日は散歩に来たんです」。
老女と言っても私からすれば、ちょいお姉さん位だ。
もっと自由に、楽にしてと言っても無理な注文だ。
撮り終えたら、「ありがとうございます」と何度も礼を言われた。
名前も、渡す約束をしたわけでもない。お礼はこちらがする方だ。
別れたあと、彼女のお礼の意味をしばし考えていた。