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診断書に虚偽の病名を記載 群馬大学病院第二外科

2015年03月03日 | 日記
 肝臓手術で患者が相次ぎ死亡した群馬大学病院第二外科(前橋市)。病院側は3日、腹腔鏡ふくくうきょう手術で死亡した8人について最終の調査報告書を公表し、全例で過失を認め謝罪した。開腹手術の患者では、調査の過程で死亡した患者の診断書虚偽記載が判明。一連の問題の深刻さを浮き彫りにした。遺族は、切実な思いで事態の行方を見守っている。

 「亡くなった人はもう帰ってこない。でも、とにかく真実が知りたい」

 腹腔鏡手術を受け死亡した患者の遺族の女性は、心境をそう語った。

 病院による調査報告の説明は受けたが、今も「どうしてこんなことに?」という疑問が消えない。大切な家族はもう帰って来ないが、過ぎたことと割り切れない思いが残る。女性は「本当は何が起こっていたのか知りたい。病院の一方的な話だけでは納得できない」と漏らし、悲しみの深さをうかがわせた。

 記者会見では、野島美久よしひさ病院長が沈痛な面持ちで、「なぜもっと早く問題を把握して、対応できなかったのか。それが最大の問題だった」と振り返った。

 閉鎖的な診療体制で、死亡例が相次いだことについて、「統括すべき診療科長の管理責任は重大だ」と言及。「他の診療科からの意見や批判にさらされることなく、チーム内でも症例の吟味や振り返りがなかった」とした。病院の管理体制についても「不備があった」と述べた。

 会見には、野島病院長や永井弥生・医療の質・安全管理部長に加え、調査委員会委員長の峯岸敬副院長も出席。野島病院長が、最終報告書に基づいて個別の症例の問題点を説明した。

 「手術以外の治療の選択肢を示さなかった」「術中の操作に問題があった」「再手術を検討すべきだった」――。8例の検証結果では、複数の患者で似通った問題点が繰り返し指摘され、主治医や診療科長が重大性に全く気づかずに手術が重ねられたことが明らかになった。

 現在、並行して、開腹手術で亡くなった10人についても調査委員会で検討しており、「腹腔鏡手術と共通の問題点が指摘されている」という。このうち1人は、死亡後にがんではなかったことが判明。執刀医が事実を遺族に告げず、事実が判明した後に、診断書に虚偽の病名を記載していたという重大な問題も明らかにされた。

 肝臓の腹腔鏡手術を受けた患者数はこれまで、2010年12月~14年6月で計92人とされてきたが、93人に修正された。