One Little Museum

日々の制作や思いついたことなど…

ベルギー王立美術館展を見に行きました

2007年03月02日 | Monolog
昨日、以前から行こうと思っていたベルギー王立美術館展を見に行きました。

出展されている画家は、超有名どころのルーベンスやヴァン・ダイク、ヨルダーンスにブリューゲル(父)など。(ルーベンスを模写したドラクロワもありました)
まさにフランドル絵画の栄光を物語るような、かなりの豪華版だったのですが、実際に見て感銘を受けたのは、彼ら古典の巨匠たちの作品よりも、むしろ近代の画家たちの作品でした。
具体的にいうとポール・デルヴォー、ルネ・マグリッド、そしてジェームズ・アンソールなど。
正直にいうと彼らのことは実際にその作品を見るまでよく知らなかったのですが、一目で気に入ってしまいました。(後で知りましたが、彼らもその世界では有名な画家たちだったのですね…)

怪しく作品世界に引き込んでしまう魔力を持つシュールレアリズム。キリコ以外にもこんな感覚を持つ作品を描く画家たちがいたのだということに感激しました。
思いつきを殴り描きで描いたたようないい加減な絵ではなく、記憶の彼方に誘い込まれるような深い世界。限りなくノスタルジックなデルヴォーの「夜汽車」、精緻でクールなマグリッドの「光の帝国」。
感激のあまりグッズを買おうかと思いましたが、ショップで売られているポストカードやポスター、複製画には本物の色やタッチが(当然ながら)再現されておらず、あの怪しげな吸引力に欠けていたので買うのはやめました。

それとアンソールはシュールレアリズムではありませんが、落描きの感覚にも近い自由でグロテスクな絵が印象的でした。でも自画像が一番良かったですけどね…。

不遜ながら、彼らの絵を見ていると、ルーベンスなどの巨匠たちの絵は、あまりにも古典的で固定観念にしばられた絵のような気がしました。狭い範囲のテーマやモチーフで勝負しているような窮屈さを感じたのです。

その他、古典的な明暗の写実的な絵ではありますが、ヤーコプ・スミッツも気に入りました。

さらにはラファエル前派とのつながりで少しは知っていたクノップフの作品もありましたが、こちらも良かったです。ただもっと女性を描いた絵が見たかったですね。

それとルイ・ガレの「芸術と自由」。
強烈ではありませんが、何気なく飾っておきたいような気持ちのいい絵でした。

まだ今月中は開催しているベルギー王立美術館展。
思ったよりもいい絵が多かったので、また見に行こうと思います。