les 60 ans

les 60 ans
  (60歳を前にして 日々思うこと つれづれに:改題)
 小型AT二輪免許とその周辺の話

小型AT限定二輪免許の話 (010) 「教習第一段階 2時間目シミュレータ(2)

2022-07-15 21:41:11 | バイク

 

 プレイステーション,という家庭用ゲーム機が発売されたのはもう25年前.ネット経由のゲームしか知らない方には「データCD」(これももうお古いか?)を読み込ませて,当時としては膨大なデータをゲーム機の中にいれることができるシステムは理解できないでしょう.リアルタイムでウエブ上から瞬時に新規データが手の中の「かまぼこ板」と同じ大きさの機械に入ってくる時代ですので.

 そのプレイステーションのは「グランツーリスモ」という自動車を操縦するゲームがありました.まあリアリティのあること.本当に最先端のレース用自動車を操作しているような感覚です.

 いま車校で乗っているシミュレータは,画像,反応等はこのPSやグランツーリスモとは違うものです.しかし真剣に「本当のこと」として乗っている自分がいます.

 指導員「では40kmで走ってもらいます」 最初の教習生がのります.指導員「3速で走ってください」. その若い方は簡単に左足で3速まで上げていきます.

 二輪の変速は,最初:一速に入れるとき:だけ下げて,あとは上げていくだけ(2→3→4→)だけなのだということを初めて知りました.中型8tMT免許を持っている皆さん.小型二輪免許を取るならば,はじめからMTにしましょう.車校四輪教習の坂道発進で半クラッチスタートができたのですよね.ブレーキを握る/はずすの操作が左手か右足かの違いだけですよ. 

 山間部や海辺の道をクルーズしていきます.急なカーブもたくさんあります. 指導員「トンネルを出たところでとまってください」 その方は軽快に飛ばしてトンネルを進んでいきます.トンネルの出口に風の強さと方向を示す吹き流しが見えます.左から右へ強く吹いています.遠くに,向かいから大型トラックが来るのが見えます.トンネルを出たところで強い風.まさに対面の大型トラックがトンネルに入ってくるところです.

 1番目の教習生の方は,すこしあおられても問題なく左側に二輪車を寄せてとまります 指導員「はい,では代わってください」

 2番目のかたも同様に進んでいきます. 

 いよいよ自分です.練習ですので乗車時の後方確認,ミラーを触る(ふり.実際にはありません),キーをひねってボタンをおします.前の方と違ってATです. 体を曲げて回ることはできません.しかしなんとか走っています.左へ向く急なカーブでは外にふれます.対向車が来ていたら事故です.トンネルの出口.左から右への風は驚くほど強く,きっと対面の大型トラックの運転手さんはビックリしただろうなというほどセンターラインにに寄ってしまいました.左にウインカーを出して停車.指導員の指示に従って終了です.練習ですので降りるときも,後方確認,キーを戻す.ハンドルを左に曲げるふりとスタンドをかけるしぐさをして降車します.

 指導員「次は50キロです」 やはり3速指定です.最初の方が走り始めます.右/左のカーブが続きます.かなり苦労しているようですが,順調にすすんでいる,と思いきや急な右カーブを曲がり切れず,左側からガードレールに突っ込んでいきました. 指導員「もうすこし前からもう一度やってみますか?」 そのようにして再度走っていきます.やはり同じ場所で,同じ事故になります.

 指導員「では代わってください」 2番目の方が走り始めます..指導員のかたのわきのPC画面には,どのようなコースで,いまどこを走っているのかが見えます.コースの後半はとんでもない急カーブの連続が続いています.私は二輪競技者になるために来たのではないのですが,やはりこのような訓練は必要なのです.

 「自分には曲がれないカーブがあるのだ」ということを知るのです.

 事故を起こさないために,自分の能力を知る必要があるのです.

 3番目の自分が乗ります.前回と同じように後方確認等を行います.時速50キロ.車校コースで30キロを「速い」と感じている自分には,この「50キロ」というものは初めから制御できないものであると感じます.四輪車とは全く違う世界です.3回目か4回目の左急カーブを曲がり切れずに,正面に突っ込んでいきます.

 指導員「はい,では降りて下さい」  あれ?自分はやり直しなし? 一回だけ? まあATですから.

 指導員「次はマンホールの上を走ってもらいます」 同じように順番に乗っていきます.道の途中,カーブの手前にマンホールが3つあるところを通過していきます.3回あります.いずれも風景からは「なぜここにマンホールがあるのだろう」という場所です.そのマンホールの上を40キロで走り抜けます.

 マンホールがあんなにもすべるものであるとは知りませんでした.やはり四輪車とは全く違います.マンホールの上への乗りかたもあ違うのでしょうが.三回とも滑り方が違います.よく「転ばなかった」ものです.

 ここから指導員と教習生3人とのディスカッションです.指導員「どうでしたか?」 

 こういう時にまっさきに話し始めるのが「ジジイ」の特徴です.「マンホールの滑り方が3回とも違ったようにおもうのです」

 ここで指導員の解説があります.前輪/後輪,右カーブ/左カーブでタイヤの位置や地面との角度,それに伴うバイクの安定性(揺れ)が全く違うことになるということをホワイトボードで説明します.「物理学」です.「力学」です.「慣性モーメント」です.「動摩擦」も関わってきます.

 ここで50分が終了です.ハンコをもらって次回の教習を待ちます.

 消毒用アルコールや掃除道具のお世話にはなりませんでした.やはり前回同様にアドレナリンが体を駆け巡っています.



最新の画像もっと見る