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ポリカーボネート(透明基板)の汚れ対策。。。

2010-06-24 18:47:14 | 外装防汚・防藻
国道路肩に設置されている、透明のパネル(ポリカーボネート製)の洗浄と汚れ防止についてご紹介します。

ポリカーボネート樹脂は、割れ難く燃えにくいという利点がありますが、キズ付き易く、変色すると磨いたり元に戻すことが出来ないという欠点を持っています。

今回のような道路環境下では、排気ガスによる油汚れ、砂ホコリによるキズ、紫外線と排気ガスによる透明度の低下と変色・劣化、ほぼ清掃メンテナンスが出来ない・・・、など苛酷な環境であることは間違いありません。



みなさんのご自宅のカーポートの屋根など、直接触れることはないと思いますが、ツルツルしているようですが、触ってみると引っ掛かりの多い滑らない表面状態であることが判ります。

樹脂表面には微細な凹凸があり、思いのほか摩擦係数が大きい(滑らない状態)です。

これが汚れやすい、傷つきやすいの原因となっているようです。



今回は、
洗浄工程 のち フッ素ポリマー加工、仕上げは光触媒にてセルフクリーニング効果を持たせる
 ような手法にて施工しました。 その様子を順を追ってご紹介します。

特に、ポリカ樹脂表面の微細な凹凸に溜まった汚れを取り除くことに注意を払いました。



●排気ガス、油膜の除去(1次洗浄)


自動車鉱物油(排気ガス)の汚れを落とします。
鉱物油系汚れ落とし洗剤(50倍希釈)を散布して油膜を浮かせます。



化学スポンジ等を使用して、微細な凹凸に入った汚れを取り除きます。



散水して汚れを落とします。



スクイジーにて汚水を取り除きます。

↑左は 洗浄前、   右側は洗浄後

見た目以上に汚れが堆積していました。


●溶剤系汚れの洗浄(2次洗浄)


ガソリンやオイルに含まれる揮発剤や溶剤の付着が予想されるので、
ポリカ樹脂に染み込んでいる溶剤系汚れをブチル系洗浄液にて溶出させます。
ポリカ樹脂を傷めない、いわば、水性シンナーとも言える洗浄液です。


化学スポンジを併用して、汚れを拭き取ります。



再度、散水して汚れを洗い流します。



スクイジーにて汚水を取り除きます。


●フッ素ポリマー処理(表面をツルツルにします)


ポリカ樹脂表面の凹凸を充填して、ツルツルした状態に加工します。
専用フッ素樹脂をウエスに取り、刷り込むように拭き込みます。



しばらく放置して、乾燥後、ウエスにて拭き取ります。
拭き上げていく段階で、ツルツルした感触に変わっています。
摩擦を低減して、静電気も帯び難くなります。


●無機系光触媒の噴霧(セルフクリーニング効果の付与)


完全な無機系光触媒を噴霧しています。
下吹き(3回)、上吹き(4回)にて成膜しています。
バインダーを含まないので、アスファルト粉塵や排気ガスが吸着することはありません。
長期安定の光触媒コーティングと考えます。


●完  成


クリアーな視界を再現しています。
表面に付着した、NOx、 SOx、 汚れの有機物は化学反応により低減されます。
摩擦による損傷も低減されます。




透明度を計測しています。
抵抗値はクリアーでした。 邪魔する不純物はゼロに等しいです。


2007年11月に施工したものです。

2010年6月現在も透明度を保っているようです。

環境にも、経済的にも、配慮された手法として、透明基板の汚染・劣化対策として各方面で採用されています。




ポリカ表面に付着した雨水を採取して、排気ガスの分解性能も計測しています。




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