臨床心理士の第一歩

2015年に臨床心理士(CP)試験に,2018年に公認心理師試験に合格しました。もうすぐ68歳。CP5年目の更新年です。

「戦後70年談話」評価する 40%?

2015-08-26 01:10:56 | 平和とは
8月25日の朝日新聞の記事によると,
朝日新聞社の全国調査において,安倍首相の「戦後70年談話」を

評価する 40%
評価せず 31%
その他・答えない 29%

だったという。

この調査は,朝日RDDという方式で行われている。
朝日RDD

上記説明を読む限り,固定電話の番号のようだ。
“回答者の構成比が総務省発表の実態構成比と同じになるよう”にされているらしい。
固定電話は減少してないかい?


というようなことは置いとくとして,

「その他・答えない」の29%は判断に迷ったのだろうと思われる。
それなら,
自分たちの将来のこと,
評価するかしないか判断がつかないなんて言わず,しっかり学ぼう。

自分で考え,自分の意思で行動しよう。
(というようなことを,舞踏家の田中泯さんがかっこ良く言っていた)

非常にシャープな,わかりやすい記事を見つけた。
知らぬは日本人ばかり?安倍首相「戦後70年談話」に込められた本音―謝りたくない、慰安婦否定etc
YAHOO ニュース 2015年8月22日(志葉玲氏 フリージャーナリスト)

以下青字は談話より,緑字は志葉玲氏より。

「日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」

出典:http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20150814danwa.html


それに対し,

謝罪を続けるのか否か、つまり許す、許さないは、加害者が決めることではなく、被害者が決めること。

という。
ほんとうにその通りだと思う。
戦前・戦中生まれの人々が少なくなったからといって,過去は変わらない。
仮に,戦争責任をきちんと果たしていたとしても,
私たちに“何ら関わりがない”とは思えない。
ましてや果たしていないのだから。
一番謝罪したくないのは言った本人なのではないか,私にはそんなふうに聞こえた。

ドイツのメルケル首相は、同国にとって第2次大戦の敗戦から70年となる今年5月8日に合わせ公表した
ビデオメッセージで「歴史に終止符はない」と発言。「歴史の知識は学校や社会で広めなければならない」と、歴史教育の重要性を強調している。
これは全くその通りで、一度他国を侵略・占領した、ということによる被害者の恨み、憤りは
数十年どころか、場合によっては数百年も受け継がれるものだ。


と,中東の人々が欧米諸国を「十字軍」と呼んでいることをあげている。
この指摘も的を得ていると思う。

また日本では,ありのままの正確な歴史の知識を,学校や社会で広めているだろうか。
否と言わざるを得ない。
現在学校で使われている教科書には,すでに「慰安婦」という言葉はほとんど消えているようだ。

学校の教科書は,通常4年に1度採択され,使用される。
今年は中学校の教科書採択の年である。
先日の新聞報道によると,
保守系教科書、推す自民 「国旗・国歌」「慰安婦」…比較パンフ作成

とあるように,
政治が教育に介入している様子がわかる。
比較パンフには,保守色の強い教科書を支持する明確な表現はされていないそうだが,
特集ページで詳しく記述していたり,
地方議員が議会で質問して,教育委員会に働きかけようとしているらしい。
これは教育現場に相当の圧力となるだろう。
こういうことって許される???

しっかり学ぼうとしても,
そもそも教育されていないという状況がさらに広がりそうだ。


「私たちは、二十世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい。二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります」

“傷つけられた過去を,この胸に刻み続けます。世界をリードしてまいります。”
って,誰によって傷つけられたと考えての文章だろうか。
ここまで来ると,無神経にもほどがあり,一切何も考えていないとしかとらえられない。
考えていないというより,受け止めることが怖いのか。
傷つけた国の首相が言うのは,あまりにも恥ずかしい。

国連人権委員会の「女性に対する暴力」の特別報告官だった
スリランカの法律家ラディカ・クマラスワミ氏に対し、同氏が1996年にまとめた
従軍慰安婦問題についての報告の記述の一部を修正するよう求めている。これに対し、
実際に元慰安婦らから聞き取り調査を行ったクマラスワミ氏は「吉田報告は証拠の一つに過ぎない」
と修正を拒否したが、安倍政権はその後もクマラスワミ報告への攻撃を続けている。

クマラスワミ報告全文


この報告文はぜひきちんと読んでおきたい。