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それでも生きるために

「生きづらい」人びとのためにいくらかでも役に立つ情報を提供したり、共に生きるための提案や呼びかけをしたいと考えています。

この澄めるこころ在るとは識らず来て刑死の明日に迫る夜温し(島秋人:しまあきと)

2009-01-02 | いろいろ
 強盗殺人の罪で囚われた作者には中学時代にたった一度だけ先生からほめられた思い出がありました。美術の担当で彼の絵をほめてくれたその先生に獄中から手紙を出したことがきっかけとなって、彼は自らの命と罪を深く見つめる短歌をつくり新聞にも投稿するようになりました。彼の歌に感銘した若い人との交流や歌人窪田空穂との文通も彼の限られた人生を意味あるものにしたように感じられます。1967年、33歳で刑死。

 温(ぬく)もりの残れるセーターたたむ夜ひと日のいのち双掌(もろて)に愛(いと)しむ

『遺愛集』 島秋人 東京美術
『書簡集 空と祈り―『遺愛集』島秋人との出会い』 前坂和子   東京美術


「恥の多い人生を送ってきました」(太宰治)

2009-01-01 | いろいろ
 今年は太宰治(1909~1948)の生誕100年です。彼も「生きづらい」人としての「二十世紀旗手」だったのかなと思います。彼の作品も人生も、あらためて読み返してみたいと感じる方も多いのではないでしょうか。気がつくと、彼よりも10年も長く生きている私です。