先日、実家に行き産科でもらうDVDを母に見せた。
動いた、とか、これが手ね!なんて言いながら楽しんだ。
見終わった後、いつもお決まりだが「それで、、、(中略)大丈夫なの?」と聞いてくる母。
私の親戚に生まれた時から病を持っている子がいる。
ここでの都合上、仮名で弓子とします。
このご時世、大袈裟に同情を買うようなそれではないし、
差別もあるかもしれないが、理解者も多くいると私は思っている。
(それなりに本人や両親は苦労もしているだろうけど)
現実として弓子は元気に明るくスクスク育っているし、私のかけがえのない可愛い親戚。
それでその病は、見た目でも判断ができるもの。
それが医学上遺伝ではなく突発的なものであるとも分かっているが、
田舎育ちの古い考えで固まっている母には「両親どちらかの血」という思いが消えない。
むしろ相手の方の血だとでも言いたげだ。
または自分の夫(私の父)の家系だと思いたいところだろう。
ということで、エコーで見える私のお腹の中にいる赤ちゃんは「大丈夫なのか?」と聞いてくる。
遺伝ではないと何度も言っても、「心配で」という素晴らしく素敵な表現を使って聞いてくる。
(最近読んでいる母娘関係の本で「心配で」という母の言葉は字面通りではない、
という考えを学び、確かにそうかもと思っているところ。)
仮に、私の赤ん坊が弓子と同じ病を持って生まれてきたら
こちらの血が悪いということが決定的になるからだろう。
「そんなだったら赤ちゃんが、もちろんあなたたちも可哀そうで」
本当に昔の人は差別的だ。
大丈夫?攻撃が嫌になってきたので
現実にいるご本人やそのご家族には申し訳ないが
「弓子の病はなくても、ダウン症の子が生まれるかもよ。
それはエコーでは分からないから」
と言ってみる。
「あー、あんた高齢だから?(高齢で確率が上がるというのは知っていたらしい)
でも、そんなの先生がちゃーーんと検査してくれてるんでしょ?
大丈夫だから何も言われてないのよ。」
・・・すごい。
何の根拠があって、(いや、もともと根拠のある話をする世代でもないが)
そんな断言ができるのだろうか?
本当にびっくらたまげた、ってこういうこと。
すっかり会話をする気もなくなり、そのまま黙っていると
「女の子かぁ~。楽しみねえ。
色々着せたり楽しいわ~~」とウキウキ話している。
もうすっかり自分の所有物になっているようだ。
それでもやっぱり親子って似ているところもあって
時々それに気づいてがっかりするんだけれど
こういう親にはならないようにしようと心に固く決心したある日のできごとでした。