特に意識はしていないつもりでも
何か追われているような、落ち着かないような。
でも背筋はずっと伸びていて。
昨夜もきっとそれが原因。
しかものんびり構えてもいられなくて、集中し、行動する。
入籍前に報告しておきたい人にメールを送る。
ここ何週間かのやりとりから、残るのは政田兄さま。
パパスとマーキスには話しておきたい気もするけど、
それよりもウキウキ感が目立つのではないかという気負いの方が強くて結局やめる。
その割に両親や姉兄にも報告したいと思いつつ、
明日だということは話してあるので、今更と思いやはり踏みとどまる。
これからこの人とずっと一緒にいるということは極々自然なことで、
食事をしたり人と話をしたり、
そういったことと何も変わらないと。
報告や祝福すら違和感を感じていたのに。
“幸福な女の子”として存在している自分のギャップに改めて気付く。
ただ、ごはんを準備するのが面倒で、
でも何か特別な食事とお酒をしたいと思ってしまい
前夜祭 という言い訳を作る。
その後ふと 独身最後の夜 という思いが湧き上がる。
何か残るものを、と思う。
色んな決心が必要と言うけれど、
独身を充分満喫できたと実感する。
マリッジブルーなんかにならない。
はるの帰りが遅いので、
これからナルで祝杯を。