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私のだらしな日記

「更科日記」ならぬ、私の〝だらしな〟日記。(^^;)
日々のどーでもいい事を、だらだらと綴っていきます。

牛の鈴音

2010年02月06日 | こんな映画を見た
「牛の鈴音」という韓国のドキュメンタリーを観て来た。

本国では、300万人もの動員数があったという映画だ。

30年も一緒に野良仕事をしてきたばあさん牛とおじいさんの話だ。

全編に牛の首につけられた鈴音が聞こえて来て、
それが心地良い。

一言で言うと、

人が働くとは、こういう事をいうんだなあ…
と思った。

一生涯、身体の動くうちは、自分の仕事を全うする
そのおじいさんとおいぼれ牛(と映画の中では呼んでいた)の姿は
もう涙、涙・・・でしかなかった。

しかもこのおじいさんと言う人は、8歳のとき、鍼治療の
失敗で、左足が悪く杖を付いている。

その枯れ木のような細い足で、はいつくばって畑仕事をするのだ。

その姿がなんともいえない。

そこにおばあさんが出てくるのだが、
このおばあさんの愚痴や嘆きが、
この映画のナレーションになっているとも言える。

おじいさんをはさんで牛と三角関係?
のようにレビューには書かれるが、
そうではないだろう。

おばあさんは、愚痴をいいながらも、
牛のことを思っている。

そのことがとても伝わってくるのだ。

おじいさんに文句をいいながらも、
「あんたが死んだら生きてはいけない」
とも言う。

そんなアンビバレンツな所がとてもよくでていたなあ~と思った。

こんなおばあさんは、ある意味、女性のプロトタイプか?と
私は映画を見ながら思っていたのだ。

というのも、私の祖母や母なども、まさしくこの
くりくりパーマで、常に夫の悪口をいいつつ、それでも
なんとなく仲がいい、という感じだったからだ。

なんだかこの老夫婦を見ていると、
そんなことがおもいだされてしまった・・・。

しかし・・・この映画は本当にドキュメンタリーか?

と思う箇所が何度か出てきた。

ナレーションもないし、説明する箇所もないのに、
すんなり見れる。
それはおばあさんの愚痴が全てを物語ってくれるからだが・・・。

牛の涙や、若い牛との世代交代・・・なんだか
あまりにも絵がぴったりとしすぎて、
本当にドキュメンタリーなのか?
(作ったんじゃないのか?)と思ってしまいました。

「こんなにもぴったりな絵が取れる筈はない」なんて思ったりして・・・。

しかしまあ、そんな真偽はともかくとして・・・

心に染みるいい作品でした。

牛の鈴音


そのあと、「アバター」の3D作品を観に行こうとしたのだが、
あまりの人の多さにチケットが買えず、
泣く泣く諦めました・・・。
(チケット屋でも、前売り券は売り切れでした)

なんだか、もう無理なので、通常版でみようかな・・・?



☆それでは今日もよい一日でありますように。






小さなホン屋パモン堂

『アンヴィル!』~夢を諦めきれない男たち~

2009年12月24日 | こんな映画を見た
「キャピタリズム」と同日に観たのが、
「アンヴィル!」という映画。

これは、1980年代に一世を風靡したカナダの
ヘビメタバンド、アンヴィルのドキュメンタリー映画です。

同時期に出た他のバンドは、売れたのに、
何故か、アンヴィルだけは売れずに、消えてしまったのです。

けれど、本人たちは、現在50代になって、給食の配送係や、
建設作業員をしながら、もう一度舞台に立つ日を夢見ているのです。

夢はズバリ「ロックスターになること」。


・・・実は、私はこの映画の存在を知った時、
よっしゃ!パワーを貰いに行くぞ、と思ったのですが、
観ているうちに、なんだか息苦しくなってしまいました~・・・。

それは何故かというと、自分と照らし合わせて
余りにも状況が似ていたからです。

私も作家を目指して、なんのご褒美もないのに、
日々生き続けています。

なんのためにこんなことをしているのか・・・と
悩む毎日なのに、それでもいつかは・・・と
夢見ている状況なのです。

なので、あまりにもリアルに現実が迫って来て、
正直苦しかったです。


しかし、「キャピタリズム」で、資本主義は邪悪だと
言われ、そうして、この映画を観ると、
生活費もカツカツなのに、さらに夢のために
(CDを出す為に)、お金を工面しなければならなくて・・・
ほんと、世の中は不公平に出来ているなあ~と思ってしまいました。

結論、芸術家は貧乏なのだ!
もう、しょうがないのだ!

と思いました。

(でも、そんなのは私の勝手な思い込みで、
主人公たちは、至って前向きに頑張っていましたが・・・)


最後に主人公の一人が、

少なくとも、死ぬ時に、
ああ、あれもやっていない、これもやっていない、
という後悔だけはしないから、これでよかったんだ、

と言っていた言葉が印象的でした。


そうですよね。
結局成功なんかしなくても、
死ぬ時に、「これで良かったんだ」と思えれば、
もうそれで、成功なのかもしれません。

そんなことを考えました。

それにしても、対称的な二本のドキュメンタリー。

でも根底に流れているテーマは、似通っていて・・・。
(マネー、マネー、マネー)

なんだか、身につまされた一日でした。


☆それでは、今日もよい一日でありますように。

この映画、とてもいい映画なので、機会があったら、
観る事をお勧めします。(^~^)/



「アンヴィル!」こんな映画です。

壮大な思想映画「キャピタリズム マネーは踊る」 

2009年12月24日 | こんな映画を見た
マイケル・ムーア監督の最新作ということで、
観て来た。

実は・・・お恥ずかしい事ですが、
私はこの映画を観るまで、

民主主義 と 資本主義は、= と思っていました~・・・。

映画の中で、民主主義は資本主義に負けた・・・とか、
資本主義は邪悪だ・・・とかの言葉がでてくるのですが、

それを聞いて、初めて、「ええっ!違うんだ」と
思ってしまいました~。
(いや~お恥ずかしい・・・)

けれど、みていると、なんだか資本主義って
今まで考えたり、疑問に思ったりしたこともなかったけれど、
そんなにいいものではないんだなあ・・・なーんて、
そんな気持ちになってくる映画でした~。

(ウチの夫などは、ムーアの映画は、
プロパガンダ映画などといっておりますが・・・)


実は最近まで、カブの話を書いていて、
私も色々な本を読んだのですが、
さっぱり分からない・・・。
なかなか理解できなくて、結局は、
書き続けることができなくなってしまいました。

(まあ、映画の中でも、カブの仕組みは、
複雑怪奇だということは言っていましたが・・・)


そして、これを観ていて、あることを思い出しました。

それは、「引き寄せの法則」というものです。

有名な言葉なので、ご存知の方が多いと思いますが、
人は思いで出来ているので、
自分の願いを、ただ“引き寄せ”ればいいというもの。

私は、この考えの根底に流れる、“引き寄せ”るものが、
すべて「成功」とか、「お金」とか「名声」というもので
あることに、ちょっと疑問を感じていたんですよね。

でも、私だって“成功”がしたいのです。
なので、必死こいて、“引き寄せ”ようと努力しました。

けれど、結果は惨敗でした~・・・。

私の望むものは、つまり、お金とか、名声とか、仕事とか・・・は、
手に入りませんでした~・・・。

それは、やり方が悪いのだ、または、
努力が足りないのだ、とも言えますが、
私がどんなに願っても“引き寄せ”られなかったのは、
事実のことで・・・、
そう思うと、この考え方も眉唾ものだなあ~と普段から
考えていたのです。

それに、“引き寄せ”るものが、結局お金である?という考え方にも、
うらやましいけど、なんだか釈然としないものを感じていました。
(まあ、世界の大富豪たちのノウハウだから?)

本当にお金だけなの?
本当にお金がないと、人は幸せにはなれないの?

今なら、「金持ち父さん、貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ著)の
貧乏父さんのやっていた教師という仕事は、確かにお金は稼げないけど、
尊い仕事だったのだと言えます。

しかし、何年か前に、あの本を読んだときに、受けたショック、
今まで自分が受けて来た教育や、価値観を一から覆す、考え方
(今思えば、ラクして稼ぐというあの考え方)が、
いかに歪んだものだったのかを思い知らされますが・・・
当時は、なんて斬新な考え方だろう、明るい未来がやってきた、
くらいに思っていました。

しかし、現在では、ウォール街が世界を牛耳っており、
そこでは毎日、他人のお金を使って、公然と盛大なパクチが
繰り広げられていて(と映画の中で語っている)、
こんな世界がやっぱりいい訳ないよなあ~・・・
貧乏でも誠実な人たちがむくわれなければいけないよな~・・・と
思ってしまいました。

いやはや・・・しかし、
壮大ですね、ムーアの映画は。

彼は大いなる思想家だと思います。

ただし、今回ばかりは、さすがのムーアも疲れたのか、
(敵が大きすぎて)ボクだけの力ではダメだ、
みんな立ち上がってくれ!と泣き言を言っていましたが・・・。

私の小説の主人公も、このあと、盛大な博打に参加して、
見事ポシャり、会社を追われてしまう、という展開になる筈だった
のですが、コレも見事にボシャリました・・・。
(まあ、いつか書ければ嬉しいですが・・・)

しかし、それじゃあ、資本主義に変わる経済政策って何?って
言われると、う~ん・・・と頭を抱えてしまうのですが、
一つのヒントは、映画の中でもでてきた、
労働者が皆オーナーという制度、
あれなども、一つのアイディアかもしれません。

労働者も単なる労働者でなく、
自身も経営に口をだせて、
会社自体を自ら運営して行く?
そうなれば、がぜんやる気だって、違いますよね。

今日、テレビを見ていたら、
超常現象の番組だったのですが、
偶然「2012」という映画にふれて、
(2012に宇宙人に滅ぼされるというアレですよね)

山口敏太郎さんという研究家?の方が、
実際は、文明が破壊されるということではなくて、
資本主義が滅ぶということではないか?
と語っていたのが、印象的でした。

資本主義が終る?
2012年に・・・。
そして、新しい経済システムができるそうです。

う~ん・・・、
ちょうど、この映画をみた後だったので、
すごく印象的な言葉でした。

2012年・・・何かが起こる。
果たしてこの“邪悪な”資本主義は滅びるのか・・・?

なーんて、
ちょっと、楽しみですね~。


☆それでは、おやすみなさい。









「キャピタリズム」こんな映画です。

ポエティックな映画 『空気人形』

2009年12月17日 | こんな映画を見た
是枝監督の『空気人形』を見てきた。

とってもポエティックだと思った。

「誰も知らない」を見たとき、
シーンとシーンの間に切れ目がなく、
(と感じられた)
なんだかダラダラっとラストまでいったなあ~と
いう気がした。

日常をそのまま描くという感じがした。

けれど、全く飽きさせない。
その手法は元々監督が、ドキュメンタリー作家だからだろう。

日常を切り取るのが上手いのだ。


今回の『空気人形』は、その是枝監督の真骨頂とも言える
この手法で描かれていた。

作り物なのに、作り物っぽくないのだ。

面白いなあ~と思った。

非常に詩のようだ。
(実際に劇中にも詩が挿入されている)


けれど、なんだか見終わったあと、
狐につままれたような気分になったのは、
何故だろう―?


それは、おそらく、

夢か現か幻か―

を行き来する空気人形の主人公の心的描写が多いせいだろう。

セリフに頼らず、状況説明をしていく、
その内的世界の表現だけで、見るものが判断するから
分かりにくく感じるのだろう。


さて、一晩たっての私の感想は、

アンデルセンの「幸福の王子」に似ているなあ・・・と
いうものだった。

美しい銅像の王子が、町の人々に対して、
慈しみを抱いているが、
最後には、愛を尽くして、ぼろぼろになって
死んでいく―

というあのおはなしだ。

きっと、あの空気人形は、
人間たちに愛を与えにきたんだね

ともいえるのだが、なんか釈然としないのは、
私がこの童話を嫌いだからなのだろう。


愛は一方向性からではなく、
双方向性のものだと思っているからだろう。

そんな意味では、
「結論をくれよ、結論を」と
言いたくなってしまうのだが、

圧倒的な詩的な映像に飲み込まれて、
そんな意見も霞んでしまうのかもしれない。

(まあ、それでいいってことだ。)


それにしても、最近草食系とでもいうのか、
日本映画は、こんな風に、一見やさしいんだけれど、
その実ドライという映画が多いですね。
時代でしょうか?

(「蛇とピアス」をDVDで最近見て、あ、ここにも
ARATAさんでてましたね。なんだか主人公たちは、
ぽそぽそ喋るし、けっして激しくはないんだけれど、
なんか愛情を感じられないというか、実がないというか、
そんな気がしています。

それはひとえに感情的ではないからなのでしょうか?

う~ん、よくわかりませんが・・・)


まあ、やさしい人々のやさしい映画という感じでしょうかね。



そう思いました。





☆それでは今日もよい一日でありますように。


「空気人形」こんな映画です。

小さなホン屋パモン堂



「母なる証明」

2009年11月13日 | こんな映画を見た

ポン・ジュノ監督の最新作ということで、
週末を待ちきれずに観に出掛けた。

実は私は「殺人の追憶」は、全然訳が分からず、
友人らが言うほど、「スゴイ映画だ~!」とは
思えなかったのですが、

その次の(友人らには評判の悪い)「グエムル―漢江の怪物」は、
怪物のあの気持ち悪さ、ヌメヌメさ・・・が好きで、
映画自体の意味は分からなくとも
(この映画で何が言いたかったか・・・?
私には、さっぱり分かりませんが・・・
おそらく、ただあの怪物のヌメヌメ感が出したかった
だけなのではないか?と思うのですが・・・)(^^;)

面白い映画だなあ~と思っていました。

そんな監督の最新作。
もう楽しみで、楽しみで・・・行ってまいりました~。

最初のワンシーン、ワンカットから、
もうぶっ飛ばしてくれます。

驚きの連続です。

(全然飽きさせません)

よくまあ、こんななんでもないシーンを
怖くとれるもんだなあ~と思います。


とにかく、全編が怖い。

でてくる全ての人が怖いのです。


怖い、怖い、怖い・・・。


で、息つくヒマもないものだから、


カット代わりで、

フー・・・やら、

ハー・・・やらの

ため息があっちこっちから聞こえきます。


それくらい、もう、めくるめく怖さです。


欲を言えば、もうすこし、起伏があれば息がつけるかな~と
思いますが、でも面白いから許しちゃう!・・・と思いました。



実は私、途中で、ラストまでのおはなしの内容が分かっちゃったんですよね。
次に何のセリフを言うか・・・まで分かったんですけれども、

それでも飽きさせなかったですね~。

いや~スゴイ映画です。

お時間があれば、ぜひ見てくださいね





☆それでは今日もよい一日でありますように。





母なる証明


パモンでューのよんでみてチョ!