NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」に今、夢中です。
水木しげるさんの奥様のお話です。
水木先生を奥様の視点から見たら、どうなるのか?
という感じです。
でも今は、ものすごーく貧乏です。
奥様も、ずーっとお金のことで悩まされています。
(ここで「わかる、わかる・・・」と思ったあなた、
おっと、ご同輩ですね)
このドラマがある意味、新しいと思うのは、
こういう普通の専業主婦のドラマが、
今までクローズアップされてこなかったこと。
今まではやたら、元気か(意味もなく)、
特別な職業を持つ、職業婦人(この言い方自体が古い・・・)
でなければ、ドラマにはなりませんでした。
専業主婦の10円、20円を数えるみみっちい生活なんて・・・
一体誰が興味をもつのでしょう?
誰がため息つきながら、今月の電気代払えるかしら・・・
なんていうドラマに興味を持つのでしょうか?
(おそらく同じような体験をした人しか興味を持たないでしょう)
そういう意味で、そんな専業主婦が、主人公になるというのが、
ある意味、この時代を反映しているなあ~と思いました。
それは、不況だからというのではなく、
専業主婦からの逆襲とでもいうべきでしょうか?
家庭の中で上手く家族が暮らしていけるように、
黒子の役割を担ってくれる、
リンパのような存在。
(血液だけではなく、リンパもないと人は生きてはいけません)
外に働きにいくこともできるけど、
あえて黒子に徹して、
みんなを支える役割になる―
そんな専業主婦を、(価値がないなどと)無視していた
世間に対しての、彼女たちからの逆襲のような
気がしています。
こういう生活の中にも、さまざまな歓びや悲しみ、
豊かさがあるのだと。
そんな彼女たちの心意気を私は感じております。
もう一ついうならば、
“優しさ”かな・・・?
とも思うのです。
主人公の文枝さんは、けっして、自分が表に出ようという
人ではないのです。
万事が控えめ、亭主を立てます。
そして、亭主が、どんなに稼いでこなくても、
その姿に感動し、その後姿を支え続けるのです。
正直、このご亭主が、一生うかばれなかったとしても、
おそらく彼女は、支え続けたでしょう。
それくらい、“ホレ”てるんですね~。
このご亭主に。
(ナイスガイなんですよ、とにかくご亭主が・・・)
時代が、そんな“やさしさ”を求めているんだろうな~と、
ほっとできる人間関係、もっと言えば、家族関係を
望んでいるんだろうな~・・・と思います。
(それともう、がむしゃらに働くことに、
正直、疲れているんだと思うんですよね・・・)
今朝も、里帰りをしてきた文枝さんが、
久しぶりの我が家に、
「ここが私の家ですから」
というシーンがあるのですが、
これ・・・主婦の皆さまなら、
きっと分かると思います。
―ここで生きていく―
というある意味、覚悟というか、
自分の巣をつくった喜びというか・・・
こういう細かな気持ちを描くドラマが
本当に今までなかったなあ~・・・と思います。
だからこそ、ある意味、“新しい”のだろうな~と
思いました。
今、毎朝のひそかな楽しみです。
☆それでは今日もよい一日を。
小さなホン屋パモン堂