気づくと若い男性二人組が閉ざされた頂上富士館の前に座り込み、
ソロ男性が鳥居の左手で座ってもぐもぐタイム、
登頂口の向かって右手では別のソロ男性が曇天、雲海越しの景色を写真撮影。
このスポットは気づかなかったので、移動されたあと倣う。
リーダーにJKはまだかなぁ…。
剣が峰まで歩いてみたらよかったなと思い始めたところで、お二人が登場。
改めて登頂の喜びを分かち合う。
剣が峰方面に移動し、風の中お鉢の縁付近に恐る恐る立つ。
でも風で煽られでもしたらと怖くて、
とてもとてものぞき込めるほどの距離まで行けない。
記念撮影をし、下りは最初はブル道を行こうと。
このブル道に出るまでの強風が半端なくて、
あ~っ、グレゴリーのザックカバーが飛んでいってしまったのでは?!と大騒ぎ。
リーダーにザックカバーを付け直してもらうのも
寒さに震え風も邪魔をして容易でならず、
申し訳なく急にしゃがんだら感覚のない左足の土踏まずが攣ってしまった。
ただでさえ迷惑をかけているのにそれどころじゃないと足に言い聞かせ、
カバーを付け直していただいてから、
頼むよ~と風を受けぬよう低姿勢でそろりそろりとブル道に出る。
あそこが剣が峰ですよ。と指さされたのはテレビ塔のようなところ。
あの向こうだと思っていた剣が峰、あそこなら行けたかも…時既に遅し(T_T)
記録によると三島岳に14:25。
ここから九合五勺の胸突山荘までのブル道は今思い出しても命懸け。
強風にあおられ、何度も飛ばされそうになる。
リーダーを先頭にJK、ととにかく3人くっついて歩くことと指示が出る。
とはいってもくっつきすぎても万一転んだらお互いが巻き添えを食うしと
少し距離を取るとリーダーに叱られる。
こういう時はひとつの盾になって歩いた方が安全だと。
そこでリーダーのポールとのポールを1本の棒のようにしてそれぞれが右手に持ち、
ムカデ競争のように降りていった。
JKの足を踏んでしまわないかドキドキしつつも、
時々こっそりと離脱してケロッとしているJKに助けられ、
足並みを揃え転ばないようにと全神経を集中して、何とか強風ポイントを通過。
九合五勺胸突山荘に14:44着。
ここから正規ルートに入れるところけれどどうしようかと相談。
ブル道でと希望し九合目万年雪山荘を目指す。14:49発。
道々あの曲がり角までとランニングの指示を受けて走っては休憩するJK。
一定のペースで黙々と下る私。
そんなことを繰り返しながら九合目に到着したのは15:18。
できるならばこのままブル道でと申し出てみる。
あの登りを下っていくとなると、足も疲れてもたつくし、
下りの苦手は私にはとっても時間がかかってしまうからと。
リーダーもここから先はのブル道はお初とのことだったけれど
の気持ちを汲んでくれた。
歩いてみると、八合目を経由することなくかなりかなりの大回り。
右手に正規ルートが見え、左手前方には宝永山の美しい姿。
リーダーは今度は宝永山経由で登頂してみたいと夢、いやいや予定が膨らむ。
そのお仲間に入れてもらいたいような、でも歩ききれるか不安だったり、
声もかかっていないのに、もまた妄想の世界。
元祖七合目山口山荘を15:51通過。ここから正規ルートは左手に。
新七合目御来光山荘を16:08通過。
少しずつ夕暮れが始まろうかという頃合い、戻れれば正規ルートにの雰囲気も漂い始めたが
正規ルートを捉えることもできない。
駐車場にはほとんど車がないのが見える。
けれどこのブル道があとどのくらいかは見当もつかない。
途中、1枚脱ぎ、みんなでアーモンドチョコタイム。
頭が痛かったらしいJKも高山病だからと下りていけば治るよと励まされている。
逆に私は、頭が痛くなってきたような…。
手に届きにくいペットボトルはここで諦め、パウチのソルティライチを腰ベルトの大きなポケットに入れる。
これで歩きながらの水分補給も大丈夫。
ブル道からルートに入り込み、左手を見るとあれっ?!六合目の雲海荘あり。
新六合目を16:50通過。
足を前に出しさえすれば勝手に進んだような長い長いブル道から
急に軽いジャブのようでも登山道に戻り、面白いぐらい減速になってしまう。
富士の宮口5合目着、17:00。
トイレに立ち寄り、行きに支払えなかった分もまとめて400円を投入。
朝先に一人歩き出した富士山表口五合目標高2400Mの看板の前から
富士山を改めて仰ぎ見る、17:09。
登って下りて、私はとうとうやりきった!
本当にあのてっぺんに登ってきたんだ!
こんな達成感、久しく味わったことがない。
ありがとう! ありがとう!
今日のすべてに感謝、深く深く感謝!
車に乗り込み、リーダーがゆでてきてくれたとうもろこしを食べる。
美味しい。
二人が靴を洗ったり何だりをしている間に、
残りの最後のおにぎりを食べちゃおうと一口入れた途端、何とも言えない違和感。
何か気持ち悪いかも…頭も痛いかも…。
下りてきたのに、この感じ。熱中症のような感じ。
車の中では申し訳ないが目をつむり、いつの間にか眠りこける。
温泉のあるサービスエリアでひとっ風呂浴びようとリーダーは楽しみにされていたのに
そのサービスエリアで結局嘔吐。
まっすぐ帰りましょうとなる(T_T)
とにかく、水分補給は大事大事。これからの教訓だ。
今も時折、3人のグループラインにリーダーからは富士山だよりが届く。
また登りたくなるように、あの感動を忘れないように。
有難いことだ。
そういえば、JKがブル道で言っていた。
下山はじめのところから剣が峰までほんのわずかだったのに、
さん、行けたと思うんですけど…。
それに対してリーダーは、剣が峰を残しておいた方がまた登らなくちゃならなくなるからって。
そして後日送られてきたのは、剣が峰からのお鉢の中がばっちり見える写真。
剣が峰からだったらあのお鉢の中が見られたのか!!
また登るか。どうするか。悩みどころだ。
それにしても、この富士登山で1ミリも筋肉痛が出なかったのが不思議でならない。
富士山登頂記 これにて終了。
長々とお付き合いいただきありがとうございました