水に浮かび物思う

カリフォルニアの海でカヤックに出会う。キャンプやハイキングの話も。

夏本番! 中禅寺湖で漕ぐ

2008年07月27日 | カヤック

さあ!夏である。夏本番である。カーッ、夏っちゅうのは暑くていいなぁ、しかし!

ぼくはすでにおなじみになった横浜ボーイのTさんに誘われ、栃木県の中禅寺湖へやってきた。標高1300mの湖畔にあるキャンプ場は少し涼しくて、空気がおいしい。そして目の前には緑の中に湛えられた湖がさざ波を立てている。後ろを振り向けば男体山(なんたいさん)が頭を雲に隠して佇んでいた。ぼくは一発でこの場所が気に入ってしまった。こんなところでフネを漕いでキャンプできるなんて、ぼくはなんて幸せなんだ!

ぼくらはファルトボートを組み、湖に漕ぎ出した。前に漕いだのは何ヶ月も前だけど、特に漕ぎ方を忘れているわけでもなかったみたいだ。やっぱフネを漕ぐのって自転車を漕ぐのに似てるのかもしれない。



岸寄りをくねくねと漕ぎ進める。わざと木の枝が張ったところへ身を低くして入ってみる。木漏れ日がぼくのフネをサラサラとくすぐるように揺れている。ぼくは木の枝にぶら下がったり、岩にむした苔の手触りを楽しんだりした。



Tさんはゴーグルをつけてフネごとひっくり返り、防水カメラで水中撮影をしはじめた。しばらくすると華麗なロールでクルリと起き上がるのだ。うーむ、ぼくもやってみたい!けど自信ないし、ぼくのカメラ防水じゃないしなあ(買ったほうがいいです)



西の浜へ着いた。南東から吹く風で小さな波が寄せている。ぼくは濡らしたくないものを浜にポーンと放り、フネに乗ってひっくり返ってみることにした。そしてTさんに先生になってもらい、さびついてしまっていたぼくのロールを復活させたのだった。久しぶりに水の中でひっくり返ってみると、なんだか不思議な気分になった。



ぼくたちはキャンプ場へ引き返した。さすがに夏休み初日ということもあって人がたくさんいたけど、みなさん清く正しく遊んでいる感じで、なんかいい。



今日はひみつ兵器があるのだ。じゃーん。MartinのBackpackerというアコギだ。アコギというには少し阿漕だけど、でもほんとにアコギなのだ。普通のギターより少し短くて軽くてムクなのだ。そしてなんといっても、思ってたよりもたくさん人が来てしまったバースデーパーティーのケーキのように、スリムである。ヒモをかけて立って弾いてみるとちょうどこのヘリに肘を乗せることができてグッドなのである。

この日マーティンを持っていってよかったことが2つあった。

一つはシャイな外人さんのカップルがすぐそばに来てごはんを食べてくれたこと。二つ目はお隣の夫婦が「それ、いい音しますね~」とゆって夕食にタイカレーを鍋ごとくれたこと(感涙)。おかえしにギョーザを焼いたのだけれど、あげようと思って持っていったら、すでにテントの中に入ってしまっていた。なのでぼくとTさんで食べました。



翌朝。テントの外から聞こえてくる子供の声で目を覚ました。うーん、なんかあんまり寝てないよーな。けどすがすがしい。きっと空気が綺麗なんだろう、呼吸がすごく楽な気がする。テントのジッパーを空けて外に顔を出すと、同じような格好で頭だけテントから出しているTさんと目があった。今日もディープな日になりそうな予感。



朝食を食べて、出艇。だーれもいない浜に上がってブラブラしてすごした。蚊もいないし、やっぱり標高が高いところはいいなぁ。少し泳いでみる。ゴーグルをかけ、Tさんの漕ぐカサラノのバウに観念したタコのようにうつ伏せになってみた。ゆるやかな速度で湖底が動いていく様子は、まるでを飛んでいるようで気分がよかった。カヤックはこんなふうに水遊びの道具として使うとすっごい楽しい。

と、こんな感じでぼくたちはカヤッキングを終え、横浜に帰ったのであった。ずっと運転してくれたTさん、どうもありがとうございました。中禅寺湖、すっかり気に入ってしまった。尾瀬といい、中禅寺湖といい、なんだか最近日光方面に縁があるなあ。いいところだ。関東が少しずつ好きになってきた。