自然文化研究科

NPO法人大阪府高齢者大学校 「自然文化研究科」の活動をアップします。

生き物から見た大阪湾

2013年10月23日 | 環境
10月22日
本日の授業は「生き物から見た大阪湾」についての講義でした。

講師は「地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所 」の主任研究員の鍋島靖信先生に大阪湾の環境、漁業、生物などさまざまなことを学びました。


鍋島先生


本日の授業


鍋島先生が取り組んで来た研究課題

大阪湾の環境

昭和初期頃の大阪港


大阪港の1957年と1968の埋立地


2013年大阪湾
埋立地の殆どが垂直岸壁で魚などには住みにくい環境。
同時に潮の流れが変わり、堆積物も増え魚の生息地域も変化した。


泉南には人工的にマーブルビーチが作られているが、写真のように人・草・魚・生物には過酷な物に成っている


赤潮
石鹸や洗剤などに含まれるリンが原因となっております。それに加えミネラルが豊富過ぎる海水の塩分濃度がそれに拍車をかけているそうです。そこに人間が干拓事業で手を加え、栄養を消費するはずの生物たちを駆逐し、高濃度の栄養過多状態を生み出し、その栄養分で爆発的に微生物が増えた状態が赤潮です。一概に赤潮と言ってもいろんな色があり、微生物の種類により変わります。

青潮、
赤潮で大量発生した微生物が死に、それをバクテリアが分解することにより赤潮は終焉します。その分解の際にバクテリアが酸素を大量消費し海水が低酸素状態になります。この状態で発生する細菌類が硫化物を生成し、その硫化物は乳白色に見え、海水が白濁した状態を青潮といいます。


青潮と酸素不足で死んだ魚

漁業

大阪湾の漁獲量が、1-3位とは想像もしなかったです


大阪湾の潮の流れ


アナゴとハモにの漁獲量、ハモが増えてアナゴが激減


アナゴの産卵場所、海水の上昇でアナゴの産卵場所が変わり、稚魚が他の海流に乗り日本の近海に来ないとの説もある。


アナゴもミンダナオ海流に乗っていくのではないか?


「南方振動」エルニーニョとラニーニャとアナゴの漁獲量、相対的にラニーニャの時の方が多い。


アナゴの資源管理対策


アナゴかご網漁の申し合わせで漁獲確保を目指している。

その他


海水の温暖化 海水が1℃上がると魚の生息域は400km変わると言われている。


温暖化でマグロもシイラも捕獲されている


海草のアマモも小学生が学校で育て、ダイバーが植えつけている。




大阪湾に皆さんが興味を持つように、色々なイベントも開催されている。