自然文化研究科

NPO法人大阪府高齢者大学校 「自然文化研究科」の活動をアップします。

「生き活き人生の食事とは」

2014年01月30日 | 食物
1月28日

午後の授業
「生き活き人生の食事とは」

講師は㈱アプリティセサモ(大阪ガス)の栄養士・クッキングインストラクタ他をしていらっしゃる 谷田美穂様に講演頂きました。


普段から食事はバランスよく食べる事で介護・要介護は少なくできる。



成人病は糖尿病の起因によって引き起こされる場合が多いので要注意です。


 少し大きくなります

 「一日にとりたい食品」 




上の写真のような食物を毎日採る様に意識しましょう。

「何をどれくらい食べれば良いか」 

男女とも60歳前後から大腿骨付近の骨折が増えるので注意

「どの様に食べるか」



  「良く噛む」  



その他のコツ

美肌のための栄養素


頭髪のために

「和食を世界遺産へ」 「我が国の食生活の現状と食育の推進」

2014年01月29日 | 食物
1月28日

本日は午前と午後に授業を受けました。
午前 「和食のユネスコ無形文化遺産」「我が国の食生活の現状」「食育の推進」 
午後 「生き活き人生の食事とは」

午前の授業
「和食のユネスコ無形文化遺産」「我が国の食生活の現状」「食育の推進」 
について。

講師は 農林水産省近畿農政局 企画調整室 中山 直子室長に講義して頂きました。

本日の授業内容

和食の無形文化遺産に就いて

芸能や伝統工芸技術などの形のない文化であって、土地の歴史や生活風習などと密接に関わっているもの。
我が国では、和食を始め22件の登録が有る

「食」関連では、2010年「フランス美食術」をはじめ8件の登録が有る。

「和食提案の概要」

・「キーワード」は自然尊重とい日本人の精神を体現した食に関する「社会的習慣」
・国民の認知と未来に継承していくための保護が必要。

我が国の食生活の現状

農林水産業就業者数はS35年〜H22までで6割減少

農業者の高齢化平均年齢はは66.1歳(H22年)

耕地面積の減少と耕作放棄地の増加。
耕地面積は50年で25%減少、耕作放棄地は30年で3倍となった。

食料自給率は先進国の中で最低水準の39%(H24年度・カロリーベース)

今日の授業で小生が<ハット>させられた事。
考えてみたら当たり前の事ですが、我々国産の肉を食べているから、自給生産の物を食べていると勘違いしてましたが、飼料が輸入品とは知って居ながら、此れほどとは認識して居ませんでした。

日本人の食生活の変化と食をめぐる問題

食政策は50年で大きく変化、米の消費量は半減、畜産物・油脂類は増加

栄養バランスに優れた「日本食」の崩壊
男性は30〜60代の3人に1人が肥満、女性は20代の5人に1人が痩せすぎ。

食卓の風景の変化
家族団らんや地域性・季節感のある食事が減少。又朝食を食べない20〜30代の3割が食べていない

膨大な食糧の廃棄、本来は食べられる食品ロスは年間500〜800トン

食育の推進

食育をめぐる問題

もはや個人での努力では健全な食生活は実現できないとの事で「食品基本法」の制定(H17年6月)

そもそも食育とは、上記の事を目的とする。





大阪府の伝統野菜

2014年01月15日 | 食物
1月14日

本日の授業は「大阪府の伝統野菜」について学びました。

講師は 大阪府立環境農林水産総合研究所 山崎 基嘉 主任研究員に講義して頂きました。


田辺大根を手に講義頂いた 山崎 基嘉 主任研究員



大阪伝統野菜17 品目
毛馬胡瓜(けまきゅうり) 大阪市都島区毛馬町が起源とされる黒いぼきゅうり。果実は長さが約30センチメートル 、太さ約3センチメートル で、果実の先端部よりの3 分の2 は淡緑白色からやや黄色気味となり、末端部には独特の苦みがある。果肉は歯切れよく、奈良漬けに重宝されていた。現在、「毛馬きゅうり粕漬」は「毛馬きゅうり浅漬」とともに大阪府Eマーク食品として認定されている。
玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり) 大阪城の玉造門(黒門)付近が発祥地。果実は長さ約30センチメートル 、太さ約10センチメートルの長円筒型。色は濃緑色で、8から9条の白色の鮮明な縦縞がある。
勝間南瓜(こつまなんきん)  大阪市西成区玉出町(旧勝間村)が発祥地。1キログラム程度の小型で縦溝とコブのある粘質の日本かぼちゃ。果皮は濃緑色だが、熟すと赤茶色になり甘みが増す。
金時人参(きんときにんじん)  江戸時代から昭和初期にかけて大阪市浪速区付近の特産であり、「大阪人参」と呼ばれていた。根の長さは約30センチメートルで深紅色、肉質は柔らかく甘味と香気が強い。
大阪しろな(おおさかしろな)  江戸時代から栽培が始まり、大阪市の天満橋付近で栽培が盛んだったため、「 天満菜(てんまな)」とも呼ばれる。
早生種、中生種、晩生種があるが、いずれも葉柄(ようへい)が鮮明な白色で平軸である。
天王寺蕪(てんのうじかぶら) 大阪市天王寺付近が発祥で、葉の切れ込みが深い切葉と葉の切れ込みが浅く葉の形が丸い丸葉の2系統がある。いずれも根は純白扁平で甘味が強く、肉質が緻密である。蕪が地面から浮き上がったように成長することから「浮き蕪」とも呼ばれていた。野沢菜の祖先という言い伝えがある他、与謝蕪村や正岡子規にも詠まれている。天王寺蕪の漬物は絶品で、「天王寺蕪浅漬」及び「天王寺蕪粕漬」は大阪府Eマーク食品として認定されている。
田辺大根(たなべだいこん) 大阪市東住吉区の田辺地区の特産であった白首(しろくび ) 大根。根の形は白色の円筒形で、末端が少し膨大して丸みを帯び、葉には毛(もう)じと呼ばれるトゲがない。肉質は緻密、柔軟で甘味に富む。
芽紫蘇(めじそ) 明治時代初期、大阪市北区源八付近で栽培がさかんであったため、芽紫蘇等の芽物が「源八(げんぱち)もの」と呼ばれるようになった。青芽と赤芽があり、独特の香気と色合いをもつ
服部越瓜(はっとりしろうり) 高槻市の塚脇地区で江戸時代から栽培されている。果実は淡緑白色で淡く白い縞があり、30センチメートル程度まで大きくなる。糟漬けにすると食感がよく、現在でも「富田漬」等の名称で販売されている。
鳥飼茄子(とりかいなす) 摂津市の鳥飼地区で江戸時代から栽培されている丸なす。京都の賀茂(かも)なすに似るが、やや下ぶくれで、皮が柔らかく、果肉が緻密で独特の甘味がある。
三島独活(みしまうど) 茨木市を中心に三島地域で江戸時代から栽培されている。独特な促成軟化技術で純白で太く大きく、香り高く柔らかな食感なものが生産されている。
吹田慈姑(すいたくわい)  吹田市で江戸時代以前から自生していたクワイ。現在流通している大型の中国クワイとは異なる小型のクワイで、えぐ味が少なく、栗のようなほくほくした甘さがある。
泉州黄玉葱(せんしゅうきたまねぎ)  泉南地域で明治時代に選抜された黄色玉ねぎ。代表的な品種は、 今井早生(いまいわせ)や貝塚極早生(かいづかごくわせ)がある。食感はみずみずしく柔らかく、甘味が強い。早生のものほど、形が扁平となる。
高山真菜(たかやままな) 豊能町高山地区で江戸時代から栽培されているアブラナ科のつけな類。全長が20から30センチメートル で、茎の部分が柔らかく甘みがあり、なばなとしても利用できる。
高山牛蒡(たかやまごぼう) 豊能町高山地区で江戸時代から栽培されている牛蒡。太いものは中が空洞になり、つめもの料理に向く。香りが良く、柔らかいのが特徴。
碓井豌豆(うすいえんどう)明治時代に羽曳野市碓井地区にアメリカ合衆国から導入され、改良されたむき実用えんどう。小型でさやと豆の色合いが淡いが、甘みが強い。

守口大根(もりぐちだいこん) 明治時代に羽曳野市碓井地区にアメリカ合衆国から導入され、改良されたむき実用えんどう。小型でさやと豆の色合いが淡いが、甘みが強い。(現在は殆どが砂地の多い愛知県で栽培されている。

以上が現在「大阪府の伝統野菜」にされて居る17品目です

「なにわの伝統野菜」 現在の利用形態
○個性的な味や形状を利用する
○地域の歴史に触れる
○食育の材料として用いられる



長野県野沢村健命寺の野沢菜の碑
長野県野沢村健命寺には野沢菜の碑が残っている。
一説では健命寺の住職が、天王寺蕪の種を持ち帰り、栽培するが蕪は育たなく、葉のみしか育たなかったので漬物にしたのが「野沢漬け」に成ったと言われている。

生産中止に成った物も・・

日持ちが悪い、扱いにくいなどの理由で生産中止になった物も有る。

先生が「伝統野菜」の実物を持ってきて頂いたので、触り、試食もさせて頂きました。

田辺大根

天王寺蕪

こつま南瓜

守口大根(直径≒3cm 長さ≒83cm)


生徒たちが「田辺大根」のスライスを満足げに試食、小生も試食しましたが、適度な辛さがピリっと有り美味でした。右手の女性が持っているのは、守口大根の首(?)部分(上の写真)

その他に  

おおさかもん

上記の物が「おおさかもん」として流通されて居る。尚。Eマーク食品とは、科学肥料、農薬を通常の半分しか使用しない、農作物をさす。

府内産農水産物の生産量

近隣県と大阪の農産物の出荷量、金額の比較

発酵食品を学ぶ つづき

2014年01月10日 | 食物
代表的な発酵食品 ②食酢

酢は酒から作ると言う事で「酢」の漢字が出来た。

酢酸発酵→ メチルアルコールに酢酸菌と水を加える事によって「酢酸に成る」
酢(醸造酢)は和式酢と洋式酢との合成酢である

アルコール発酵は上図の様に。こうじかび・酵母・酢酸菌によって発酵する。

酢の効用・・上記の効用が有るがクエン酸が一番多いのは「梅干」。
尚、酢が作られるようになってから、奈良時代には「寿司」が考案された。
代表的な発酵食品 ③漬物



漬物も、ただの「海水に漬け」から時代に依って、より「美味しい物」へと変異していった。

漬物の効用は上記の通り。

代表的な発酵食品 ④納豆


納豆には上記の2種類があるが、塩辛納豆のカビは「こうじカビ」です。

糸引き納豆の発酵プロセス。

納豆の効用は上記のとおりですが、「骨の強化」は特に重要と感じました。

納豆は京都で「納豆汁」として発展、全国に広がるが、関西では、美味しい物が普及し続けて、納豆に固執しなくなり、関西では、納豆は衰退した。

代表的な発酵食品 ⑤味噌


「醤」は「びしお」と読みます。
醤(びしお)は、何らかの食品を麹と食塩によって発酵させて製造した調味料または食品である醤との呼称は総称であり、原料に応じさらに細分される。その際、原料となる主な食品が肉であるものは肉醤魚のものは魚醤、果実や草、海草のものは草醤、そして穀物のものは穀醤である。なお、現代の日本での味噌は、原料が大豆のペースト状にされた穀醤にあたり、そこから発展した液状のものが現在の日本の醤油である。(ウィキペディアより)
又「未醤」(みしょう)が訛って味噌に成ったと言われています。

味噌の発酵プロセス

味噌は成熟年数によって、色が変わる(成熟度)

味噌の種類は地方によってまちまち。


味噌の効用は上記のように、素晴らしい効用が有るのに、日本ではパン食などに食生活が変わり
消費量は激減、しかしアメリカを中心に日本食が評価され、輸出量が増大している。


代表的な発酵食品 ⑥醤油

醤油は日本独特の調味料であるが、上図の様に今では世界各国で愛用されている。又醤油は味噌が発展した液状のものが現在の日本の醤油である。(ウィキペディアより)




日本の醤油は様々な発酵食品を改良して日本で独自に作られた。

代表的な発酵食品 ⑦塩麹






発酵食品を学ぶ

2014年01月08日 | 食物
1月7日

今年最初の授業は
    「発酵食品から学ぶ」
     
関西が造りあげた発酵食品
      〜その歴史と健康への効用〜
講義は 武庫川女子大学 生活環境部 食物栄養科 松井徳光教授にして頂きました。

パワーポイントによる講演の前に、講演により興味を持って貰うため、一昨年、『世界一受けたい授業』の食育のところで放映されました「今!日本人には善玉菌が足りない! ~良い菌を倍増させる!?最強の組み合わせ食~」のビデオを見せて頂きました。


『世界一受けたい授業』テレビ出演の松井教授

発酵食品
清酒、ビール、ワイン、味噌、醤油、納豆、チーズ、ヨーグルト、食酢、鰹節、甘酒、漬物などが有る
微生物の働き(発酵作用)で作られている。

○微生物とは 個体を肉眼で見ることができない生物たとえば、大腸菌などは1~3μm

○微生物の種類は 細菌 放射菌 酵母 カビ きのこ等が有る


微生物には
悪い微生物と良い微生物がいる。
○悪い微生物・・・悪玉菌   人に害を及ぼす   バイ菌・・・病気、食中毒、腐敗
○良い微生物・・・善玉菌   人に有益な働きをする 発酵食品、抗生物質・医薬品、
アミノ酸発酵・核酸発酵、環境浄化 など
ヨーグルト・・・乳酸菌(ビフィズス菌を含む)
糸引き納豆・・・納豆菌
漬物(ぬかみそ漬)・・・乳酸菌、酵母
味噌・・・こうじかび、乳酸菌、酵母
清酒・・・こうじかび、酵母
甘酒・・・こうじかび
食酢(米酢)・・・こうじかび、酵母、酢酸菌
醤油・・・こうじかび、乳酸菌、酵母
ビール・・・酵母
ワイン・・・酵母
チーズ(フレッシュタイプ)・・・乳酸菌
鰹節・・・こうじかび(青かびを含む)

代表的な発酵食品 ①清酒

清酒・・・日本の代表的な醸造酒  ”日本酒”

・精白米を蒸し、種こうじと水を加え清酒酵母で発酵
以前は 特級、一級、二級の等級分けが有ったが平成4年3月31日廃止
現在は
本醸造酒・・・精白歩合70%以下の白米と米麹、
        醸造用アルコール添加。(アルコール添加の目的は、酒質を安定させ、香りを良        くすること)
 吟醸酒・・・精白歩合60%以下。
        醸造用アルコール添加。
 大吟醸酒・・・精白歩合50%以下。
        醸造用アルコール添加。
 純米酒・・・白米と米麹のみでつくる

に分かれている。



清酒製造の変異
古代・・・ 魏志倭人伝に「歌舞飲酒」の記述があるが、米の酒なのか、また、液体か粥状のものか、他の穀類、果実から造られた酒なのかについては不明。
奈良時代(710-794年)米麹による醸造法
律令制度が確立し造酒司(さけのつか)[役所]が出来、醸造体制が整えられる。又酒は朝廷の為に製造された。
平安時代(794-1192年米、米麹、水で酒を仕込む方法、この頃お寺の僧が作る“僧坊酒”が登場
鎌倉・室町時代(1192-1573年)朝廷の酒造組織にかわって寺院、神社が酒を造る。
京都を中心に造り酒屋が隆盛し始める    

酒の製法としては、米麹と蒸米と水を 2回に分けて加える二段仕込みの方法が確立。
それによって、今日の清酒造りの完全な原型ができる。

江戸時代(1603-1867年)新酒(しんしゅ)、間酒(あいざけ)、寒前酒(かんまえざけ)寒酒(かんざけ)、春酒(はるざけ)1年間に計5回仕込まれていた。
冬季における寒酒をつくる「寒造り」が、最も優れていることが明らかとなった。
又 保存性を高めるための火入れ法(低温殺菌法)の技術を開発。
天保年間
灘の宮水の発見など酒造用水の水質の重要性が広く知られるようになり、鉄分が少なく、有効ミネラルに富んだ水が酒造りにいかに重要であるかを実証した。

江戸時代中期からは海運の発達や問屋組織の確立と共に、酒造りが「地の酒」を超越して、 巨大な産業へと発展。最も台頭してきたのが灘の酒。
灘の酒は樽廻船に積み込み江戸へ運ばれ、庶民の絶大な人気を誇るようになった。

明治・大正時代 明治時代に入ると酒税額が国税収入の35.5%を占めるまでになった、又、大正時代は「富国強兵」の時代で有ったが、酒税額が軍事費を上回るほどの生産量に増加した。

一方大蔵省醸造試験所が設立され、日本酒造りの工程を科学的に分析、酒を腐らないで造る
マニュアルをつくるまでに発展した。


清酒の効用
「酒は百薬の長」「生命の水」
酒は人に感動を与え、不安や心の束縛を解放し、自由の天地をのぞかせる「情緒的栄養素」である。

灘酒造業発展の要因
(1)酒造技術の進歩
(2)幕府酒造政策の転換
(3)在方資本の成長
(4)江戸輸送への有利な条件

灘酒造技術の進歩
(1)水車精米の導入
   精米工程の生産力の向上
(2)仕込み技術の改善
   寒造りへの集中化

最後に
清酒関西が造り、関西が造った清酒は、近代日本の繁栄を支え、今日の先進国日本を築き
 あげた。

その他
代表的な発酵食品 ②食酢

代表的な発酵食品 ③漬物

代表的な発酵食品 ④納豆

代表的な発酵食品 ⑤味噌

代表的な発酵食品 ⑥醤油
代表的な発酵食品 ⑦塩麹

については順次UPします