自然文化研究科

NPO法人大阪府高齢者大学校 「自然文化研究科」の活動をアップします。

自然と人間との接点 「環境法からのアプローチ」

2014年02月28日 | 環境
2月25日

本日の授業は 自然と人間との接点
     「環境法からのアプローチ」
 に就いて学びました。
ご講演頂いたのは、関西法科大学教授 竹下賢様で、ご専門は法哲学・環境法哲学・環境法思想・法の妥当根拠論です。
又、元日本法哲学学会理事長、現温泉学会会長でもいらっしゃいます。

尚、今回の授業は、本年1月21日の「おおさかの環境問題と取組」掲載部分と、環境行政の歴史・大気・水質・廃棄物・地球温暖化・環境アシスメントなど、重複する部分は割愛させて頂きます。

授業内容



補足 公害対策基本法
昭和42年8月3日法律第132号)は、日本の4大公害病である水俣病、第二水俣病(新潟水俣病)、四日市ぜんそく、イタイイタイ病の発生を受け制定された公害対策に関する日本の基本法である。 1967年8月3日公布、同日施行。1993年11月19日、環境基本法施行に伴い統合され廃止された。
公害といっても様々な種類のものがあるが、この法律では大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭の7つを公害と規定していた。(典型7公害)ウィキペディアより


石油ショックにより産業が失速、環境基準の緩和がなされ、環境アシスメントの廃案・大気汚染患者の認定廃止・水俣病認定基準の厳格化等 環境対策が弱体化した。
公害対策基本法で公害対策を、自然環境保全法で自然環境対策を行っていたが環境基本法の施行により、公害対策基本法は廃止され、自然環境保全法も環境基本法の趣旨に沿って改正された。
又、複雑化・地球規模化する環境問題に対応できないことからも制定された。

大気関連個別法
水質関連個別法  両方に関しましては1/21日の講義では、近畿圏でのお話でしたが、大差がないと判断し省略します。

その他  
     化学物質     毒物、劇物取締法   
     土壌汚染     農用地の土壌汚染防止に関する法律
     自然保護     自然環境保全法等
     環境影響評価法  環境アシスメント法
     被害救済     時代によって変化、薬害、アスベスト被害等

個別事例
①白神山地


「世界遺産にも成って居る「白神山地」自動車の乗入制限等で自然が守られている。
②長良川河口堰


水道・工業用水の開発や洪水被害を防ぐ目的で,1995年に本格運用が始まった。
この堰によっての水の汚濁、漁業に及ぼす影響がどの様になるのか注視したいですね。
③諫早湾干拓


1997年4月14日に潮受け堤防の水門が閉じられた。
この事業も賛否両論で議論百出していますが、長良川河口堰同様今後を注視しなければ成らない問題です、個人的な意見として、海は山が育てるとの見地から考えると、作るべきでは無かったと考えます。
④水俣病


日本を代表する公害病。
一応は被害者救済は済んで居るように見えるが、此れから後の世代への影響の有無が知れないだけに、今後に不安が残る。

[2] 循環型社会と自然
循環型社会とは、有限である資源を効率的に利用するとともに再生産を行って、持続可能な形で循環させながら利用していく社会のこと。



循環型社会推進基本法制定へ移行する流れ


循環型社会形成推進基本法、2000年に制定、日本における循環型社会の形成を推進する基本的な枠組みとなる法律である。基本法が整備されたことにより、廃棄物・リサイクル政策の基盤が確立された。
3R .リデュース(ごみの発生抑制)、 2.リユース(再使用)、 3.リサイクル(ごみの再生利用)の優先順位で廃棄物の削減に努めるのがよいという考え方を示している。


循環型社会形成推が進めば最終的にはこの様な社会に成る。




河川の上流で林業を営む人・河川の水を利用している農業・漁業を営む人、又海で漁業・水産業を営む人達・流域自治体ががネットワークを組み、森・川・海・を豊かにする環境循環が必要である。


森林、河川はは上記の法令で保護をされて居る


荒瀬ダム(あらせダム)は、熊本県八代市坂本町葉木荒瀬、一級河川・球磨川水系球磨川に建設されたダムである。2012年9月1日に日本で大型ダムとしては始めての撤去工事が開始された。
当ダムは発電目的としては県内で最も古いダムであった。下流約700mには熊本県営藤本発電所があり、発電量は年間約7,400万Kw時で、1億円の収益を上げてい為。2010年からのダム本体撤去が決定しており、撤去に向けた工法、環境対策などの検討が「荒瀬ダム対策検討委員会」にて進められてきた。
しかし2008年6月、県知事から一転して存続の方針が打ち出されたが、水利権の更新期限の関係で、2010年2月に再度撤去の方針が表明された。

荒瀬ダム撤去の資料を教授より頂きましたので掲載します


撤去前の荒瀬ダム

ダムの水抜き

機械類の撤去

爆破

爆破

ダムの放水部分は撤去

放水部分は撤去されたが、後の構造物は如何するのでしょうか

今の球磨川




















おおさかの環境問題と取組

2014年01月22日 | 環境
1月21日     1/22 UPの続き掲載.

本日の授業は 「おおさかの環境問題と取組」について学びました。

講師は (地独)大阪府立環境農林水産総合研究所 俣野 良造 主任研究員に講義して頂きました。

「環境問題」は下記の様に広範囲に及びます。
• オゾン層破壊
• 酸性雨
• 砂漠化
• 生物多様性の減少
• 有害廃棄物の越境移動
• 熱帯林の減少など・・・

本日の講義内容は
1 大気
2 水質
3 廃棄物
4 地球温暖化
5 環境アセスメント
に就いて講義願いましたが、一項目に対してもすべてを書き尽くせませんので、1部割愛させて頂きます。

環境行政の歴史
1877 鋼折・鍛冶・湯屋三業取締規則(大阪府)
1890~足尾銅山鉱毒事件
1950前後~ 自治体の公害防止条例
(東京都(1949)、大阪府(1950)など)
1955~ 4大公害病
(イタイイタイ病、水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく)
1967 公害対策基本法(典型7公害、環境基準等)
1970 公害国会(公害関連14法成立)
1993 環境基本法(地球環境問題等への対応)
1997 京都議定書(地球温暖問題への対応)

環境行政の歴史を見ますと、今年は2014年なので137年間、公害との戦いが続いている。

① 大気

写真(上)1995年と2006年に同じ場所から見た大阪城
   (下)1960年西淀川区淀川上空

戦前は富国強兵の時代で、鉄鋼を始め基幹産業が石炭燃料からの煤煙を多く排出した。
又、戦後は自動車の増加でNOxの様な新たな汚染も加わった。

上表の様な大気汚染対策が講じられ、それ以外にも下記の環境基準(行政目標)が作られた。
・MOx(二酸化窒素)
・光化学オキシダント (光化学スモッグ) オゾン層の破壊問題
・SMP(PM10) 粒子状物質 PM2.5とか
・SO2 (2酸化硫黄)
・CO (一酸化炭素)




最近メディアで話題に成っているPM2.5
クリックで大きくなします・
PM2.5とは粒子の断面がが2,5μm以下の物で今中国からの飛来が問題になっているが、埃、海岸で風で吹き上げられてる塩などが有り、今後吸引によって人体への影響は定かでない物質もある。


② 水質



BODは水中の有機物質が好気的(酸素のある状態)に微生物によって消費されるときに必要とされる酸素の量です。これは炭素化合物、窒素化合物を分けて測定することもできますが、一般には5日間で炭素化合物に関連する酸素消費量として求めています。1mg/L以下であれば自然環境として、また、水道水の1級として扱われます。

各河川とも平成5,6年以降、特に神崎川、大和川の水質が良くなって居るのが解ります

BODがの酸素が有る状態(水中の有機物質が好気的(酸素のある状態)に対しての酸素のある状態を表すのにCODが有ります。

基準達成率は、河は5日間と言う短期間だけに達成率は良いが、海に於いては大阪湾の形状により海水の入れ替わりが少ないのがうかがえる
(下図参照)


生活排水の問題

産業排水に就いてはグラフの様に規制などで、かなりの減少が見られるが、その現象に比べ、生活排水の改善は鈍い。

上図に見られるように生活排水の割合が8割を占めている、皆様も個人が努力しなければ、大阪港に流れ込む汚水は減らない。

③ 廃棄物



フレックス計画は我が国初めての試み    下部画像は大阪湾処分場拡大

最終処分量は減少しているが、総量はあまり変わって居ない。

産廃の不適切処理の一例

1995年からは各製品に対してのリサイクル法が施行された。

3R 昨年9月の伊勢遷宮の檜の再利用でも聞いたお話でしたね。

良く大阪は「ワースト1」の物が出てきますが<県民性>そうでは無い事を信じます。


④ 地球温暖化




2000年以降温室効果ガスは≒2%削されて居る。

しかし二酸化炭素排出量は余り変化が無い。
エネルギー転換部門は進んでいるが、産業・家庭部門では増加している。


大阪府地球温暖化対策実行計画の例


⑤ 環境アセスメント





評価される項目





生き物から見た大阪湾

2013年10月23日 | 環境
10月22日
本日の授業は「生き物から見た大阪湾」についての講義でした。

講師は「地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所 」の主任研究員の鍋島靖信先生に大阪湾の環境、漁業、生物などさまざまなことを学びました。


鍋島先生


本日の授業


鍋島先生が取り組んで来た研究課題

大阪湾の環境

昭和初期頃の大阪港


大阪港の1957年と1968の埋立地


2013年大阪湾
埋立地の殆どが垂直岸壁で魚などには住みにくい環境。
同時に潮の流れが変わり、堆積物も増え魚の生息地域も変化した。


泉南には人工的にマーブルビーチが作られているが、写真のように人・草・魚・生物には過酷な物に成っている


赤潮
石鹸や洗剤などに含まれるリンが原因となっております。それに加えミネラルが豊富過ぎる海水の塩分濃度がそれに拍車をかけているそうです。そこに人間が干拓事業で手を加え、栄養を消費するはずの生物たちを駆逐し、高濃度の栄養過多状態を生み出し、その栄養分で爆発的に微生物が増えた状態が赤潮です。一概に赤潮と言ってもいろんな色があり、微生物の種類により変わります。

青潮、
赤潮で大量発生した微生物が死に、それをバクテリアが分解することにより赤潮は終焉します。その分解の際にバクテリアが酸素を大量消費し海水が低酸素状態になります。この状態で発生する細菌類が硫化物を生成し、その硫化物は乳白色に見え、海水が白濁した状態を青潮といいます。


青潮と酸素不足で死んだ魚

漁業

大阪湾の漁獲量が、1-3位とは想像もしなかったです


大阪湾の潮の流れ


アナゴとハモにの漁獲量、ハモが増えてアナゴが激減


アナゴの産卵場所、海水の上昇でアナゴの産卵場所が変わり、稚魚が他の海流に乗り日本の近海に来ないとの説もある。


アナゴもミンダナオ海流に乗っていくのではないか?


「南方振動」エルニーニョとラニーニャとアナゴの漁獲量、相対的にラニーニャの時の方が多い。


アナゴの資源管理対策


アナゴかご網漁の申し合わせで漁獲確保を目指している。

その他


海水の温暖化 海水が1℃上がると魚の生息域は400km変わると言われている。


温暖化でマグロもシイラも捕獲されている


海草のアマモも小学生が学校で育て、ダイバーが植えつけている。




大阪湾に皆さんが興味を持つように、色々なイベントも開催されている。







緑への恩返し

2013年10月03日 | 環境
10月1日

本日の予定では、「淀川の成り立ちと人とのかかわり」の授業でしたか、9月の台風で枚方の淀川河川敷が水没、その調査などで淀川河川事務所の講師をして頂く予定であった、松田様が多忙のために変更となり成りました。

その様な事情で本日は、宝塚市雲雀丘山手緑化推進委員長の篠原悌三氏に、
「宝塚から世界へ“緑を愛する心”広がる」をテーマにビデオ・パワーポイントを使用して講演して頂きました。

篠原悌三氏のプロフィール
・宝塚市雲雀丘山手緑化推進委員長、兵庫県環境審議会委員
・京都大学卒、木材関係の仕事に従事、海外の植林事業、緑化運動に尽力されておられます。


篠原悌三講師


篠原氏は阪神・淡路大震災以降、宝塚市雲雀丘山手1丁目のご自宅辺りの古くからのお屋敷が取り壊されるとともに、邸内の木々も伐採され、緑が無くなって行くのに危機感を持たれ、宝塚市又地域の住民にその現状を訴え、「雲雀丘山手緑化推進委員会」を立ち上げられました。




子どもの緑の勉強会・緑の木陰の音楽会・木登りの樹わんぱく活動・さくら並木の復活など、緑を中心とした活動を進めて来ておられます。


アジアの植林と教育支援

篠原委員長はNPO法人「グリーン・ソリュウションズ」を設立され、アジア諸国への海外植林支援活動を続け、東南アジアの山村を中心に小学校を100校を寄贈すべく活動をしておられます。

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