私はかなり、末国九段の影響を受けています。彼のおかげで強くなれた部分が多いのです。
彼は1993年に名人になりました。15才の時でしょうか。名人になった頃の彼は、既に今のような勝負強さや度胸の良さは持っていましたが、棋力的には今ほどは強くありませんでした。しかし名人になって、恥ずかしい対局は出来ないと思った彼は猛特訓したそうです。つまり強かったから名人をとれたというよりも、名人というタイトルをとれて猛烈に強くなったわけです。
それ以降、彼は常に私より先を行っています。タイトルも、段位も、そしてもちろん棋力も。以前は家が近かったこともあり末国九段と相当仲良くしてて、私の家で良く打ちまくっていたものでした。その対局中や、対局後の検討で、彼が何気なく口にする言葉に、重要なものがたくさん含まれていました。その中で最も印象に残っているのが「対角線のケア」です。当時私が四段から五段になれたのは、「対角線のケア」を早い段階から行うようになれたからです。この「対角線のケア」、四段時代にはさほど意識してなかったものでした。しかし末国九段の口からかなりの頻度でこの言葉が聞かれ、意識しなくちゃいけないんだなと思うようになり、そして、意識できるようになりました。
他にも彼の言葉によっていろーんなことに気づかされました。今振り返ると、彼は常に私の知らないことをたくさん知っています。私が何かを吸収してもなお、彼は更に上の私の知らない何かを知っています。ま、だから彼は強いわけなんだけども。
そうそう、最近流行り(?)の言葉が「Cライン」だそうです。例えばa7とg1を結ぶCからCのラインですね。確かに、このラインの通しが勝負に影響を与えることが少なくない。嫌々ながら思い出せば、1999年世界選手権決勝第3局、David Shaman 相手に逆転負けを喫したのもこの C ラインの通しを私が見落としていたためでした。
あぁ、あと、末国用語で「念力」ってのがありますね。まぁ、「念力」って言うと誤解を与えそうなんですけども、これ、決して無茶なことを可能にする魔法のことじゃぁないですからね。彼の言う「念力をかける」ってのは、「苦しい局面で簡単に土俵を割らず少しでも逆転の可能性のある局面に持っていく」ということです。もちろんその後「こっちに打ってくれ」と祈りますから、念力と言えば念力なんですけども、決して祈ったおかげでそっちに打ってくれるわけじゃないですからね。念力もやっぱり一つの技術です。
最後にこれだな、「黒白黒白よりも黒黒白白の方が黒にとって良い」。まぁ、言われてみればその通りなんだけども、今までそんなこと意識したことがなかった。要はですね、2個空きが2つある時に、それぞれの2個空きで黒→白となるよりも、黒にとって好ましいのは片方の2個空きを黒→黒と打ち、もう片方の2個空きを白→白と打たれるようにすること、ということです。これがちゃんと「意識」出来ているかどうかで、終盤の読みの正確さと速さにやっぱり違いが出てくると思います。
そんなわけで、以上、末国九段はすごいんだというお話でした。
彼は1993年に名人になりました。15才の時でしょうか。名人になった頃の彼は、既に今のような勝負強さや度胸の良さは持っていましたが、棋力的には今ほどは強くありませんでした。しかし名人になって、恥ずかしい対局は出来ないと思った彼は猛特訓したそうです。つまり強かったから名人をとれたというよりも、名人というタイトルをとれて猛烈に強くなったわけです。
それ以降、彼は常に私より先を行っています。タイトルも、段位も、そしてもちろん棋力も。以前は家が近かったこともあり末国九段と相当仲良くしてて、私の家で良く打ちまくっていたものでした。その対局中や、対局後の検討で、彼が何気なく口にする言葉に、重要なものがたくさん含まれていました。その中で最も印象に残っているのが「対角線のケア」です。当時私が四段から五段になれたのは、「対角線のケア」を早い段階から行うようになれたからです。この「対角線のケア」、四段時代にはさほど意識してなかったものでした。しかし末国九段の口からかなりの頻度でこの言葉が聞かれ、意識しなくちゃいけないんだなと思うようになり、そして、意識できるようになりました。
他にも彼の言葉によっていろーんなことに気づかされました。今振り返ると、彼は常に私の知らないことをたくさん知っています。私が何かを吸収してもなお、彼は更に上の私の知らない何かを知っています。ま、だから彼は強いわけなんだけども。
そうそう、最近流行り(?)の言葉が「Cライン」だそうです。例えばa7とg1を結ぶCからCのラインですね。確かに、このラインの通しが勝負に影響を与えることが少なくない。嫌々ながら思い出せば、1999年世界選手権決勝第3局、David Shaman 相手に逆転負けを喫したのもこの C ラインの通しを私が見落としていたためでした。
あぁ、あと、末国用語で「念力」ってのがありますね。まぁ、「念力」って言うと誤解を与えそうなんですけども、これ、決して無茶なことを可能にする魔法のことじゃぁないですからね。彼の言う「念力をかける」ってのは、「苦しい局面で簡単に土俵を割らず少しでも逆転の可能性のある局面に持っていく」ということです。もちろんその後「こっちに打ってくれ」と祈りますから、念力と言えば念力なんですけども、決して祈ったおかげでそっちに打ってくれるわけじゃないですからね。念力もやっぱり一つの技術です。
最後にこれだな、「黒白黒白よりも黒黒白白の方が黒にとって良い」。まぁ、言われてみればその通りなんだけども、今までそんなこと意識したことがなかった。要はですね、2個空きが2つある時に、それぞれの2個空きで黒→白となるよりも、黒にとって好ましいのは片方の2個空きを黒→黒と打ち、もう片方の2個空きを白→白と打たれるようにすること、ということです。これがちゃんと「意識」出来ているかどうかで、終盤の読みの正確さと速さにやっぱり違いが出てくると思います。
そんなわけで、以上、末国九段はすごいんだというお話でした。
nakajiさんのブログ、いくつか上達するために重要なことが書かれていて参考になります。
nakajiさんが末国九段の影響を受けているように、僕もnakajiさんの影響を受けて練習方法などが変わってきました。
今回書かれている「黒白黒白よりも黒黒白白の方が黒にとって良い」という理論は初めて耳にして非常に興味深いです。
実戦ではどのように活用されているのでしょうか?
実戦で2個空きが2つあった場合だとやっぱり黒白黒白となってしまうと思います…
有段者仲間達と考えてみたのですが、実戦でこの理論がどう生きてくるのかわからなかったです。
もっと早い段階(空きマスが多い時)からこの理論を意識すると違ってくるのでしょうか?
うーんと、例えば2個空きに黒が打った際に白がそこに打つと損するために他に打たざるを得ない、そんな局面に持っていくような努力をする、みたいな。
言われてみると稀にそういう局面にであったこともあったかもしれません。
そのことも意識していきます。
ありがとうございました。