「自分がオセロを楽しめればそれで良い」というような言い方をする人もいますが、自分が大好きなオセロ、やっぱりもっと多くの人が好きになってくれたらいいなと私は思っています。オセロ人口が増えるといろんな意味でますます「楽しく」なると思うんですね。
実は一昔前と比べると今はそういう状況になっているとも言えるんですが、ほぼ毎週必ずどこかでオセロ大会が開かれています。私がオセロを始めた頃は、関東地区では、東京で月に一度の関東オープン、埼玉で月に一度の川越順位戦の2つだけでした。級位者を対象とした大会とか、三段までを対象とした大会とか、そういう細かい(?)大会などなくて、全てオープン大会だったんですね。
私の場合、幸いデビュー前の半年間の特訓でそこそこ強くなれていて、初めから結構勝つことができてました。そのおかげもあって「全然勝てないからもういいや」と思うこともなくオセロを続け、今に至っています。
長くオセロに接してきた中で、「オセロの大会に出てはみたものの、コテンパンにやっつけられ、二度と大会に顔を出さない」という人をたくさん見てきました。当時は「それなら次は勝てるように頑張るぞと思う人だけ残ればいいさ」くらいに考えていたのですが、オセロ界としてみたら、これ、とってももったいないことなんですよね。折角オセロに興味を持って大会に足を運ぶことまでしてもらってるのに、それ1回きりで終わってしまうわけですから。
最近はインターネットの普及もあって、わざわざ大会に足を運ばなくてもいろんな人と対戦できるようになりました。すると、大会に出なくてもある程度強くなることは出来、大会に出ようと思う頃にはそれなりの(「もう二度と出るか!」と思わないで済む程度の)実力がついています。そんなわけで、1回大会に出てみて、生オセロの楽しさにはまり、結構な頻度で大会に出るようになる、という人が増えてきたんだと思います。
ただ、それでも「やっぱり大会に出てみたはいいけどもーれつな実力の差を感じて恐くて二度と参加出来ない」って人は結構な数に上っていると思います。これを解消するにはやっぱり、オセロ人口を増やすしかないんですね。つまり、級位者対象の大会を開いた時に、そういうレベルの人間がたくさんいるような状態を作る。6試合中2試合か3試合くらい、そこそこ楽しめるゲームが打てれば、「面白かったな」とも思えると思うんですよ。それが6試合全てコテンパンにやられちゃったら、やっぱりつまらないですもんね。
2004年5月から大会を始めて2年とちょっと、中級者~上級者の参加者は増やすことが出来たと思っています。最初は月に1回だった大会も、今は3大会になりました。1大会当たりの参加者数でいうと若干減りましたが、3大会とも今のところそれなりの人数が集められており、とりあえず「大きな器」は用意できていると思っています。
参加者がもっと増えた場合の「器」を用意するところまではできたので、今度はどうやってその器をいっぱいにするかが大きな課題です。これはもう、今までの話の流れで分かるとおり、初級クラスの参加者を増やすことしかありません。今まで生の大会に参加したことのない人に足を運んでもらい、更に生の大会を楽しいと思ってもらい、そして生オセロを続けようという気になってもらう。
一応「生の大会を楽しいと思ってもらう」については、それなりにいろいろと考えてやっているつもりです。そしてたぶん、それなりに出来ていると思っています。
「今まで生の大会に参加したことのない人に足を運んでもらう」についても、これは実は最初から計算していたわけではないのですが、運良くCOBRAがそういう役を成すようになってきました。COBRAで夜な夜なオセロを打って力を付け、生オセロに挑戦する、という流れが出来つつあります。
ただ、COBRAから流れてくる人は既に相当強いんですよね。本当の初心者が対戦したらコテンパンにやっつけられてしまうくらい。なのでやっぱり今の状態はまだまだ不完全。「5年でオセロ人口を10倍にするぞ!」などと大きな目標は立てたものの、底辺を思いっきり拡大するのに有効な手段については、まだ見つけられていません。