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腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ドンキーコングジャングルビート

2008年05月07日 01時14分41秒 | ゲームキューブゲーム感想文
ゲームの印象がやっているうちに変わるのは、良くあることだ。
出だしが良くても尻すぼみにダメになるゲームもあるが、
大抵の場合はやっていくうちにゲームは面白くなってくる。印象は良くなる。
少なくとも俺はそうだ。

しかしまぁ、こうもコロコロ印象が変化したゲームも珍しいわ。


まず最初、プレー前、ゲームの情報を聞いた頃。
タルコンガという音ゲーの為に作られたコントローラーを使ったアクション。
左右のタルを叩いて移動し、同時押しでジャンプ、手拍子で何らかの行動。
なるほど、斬新、単純、かつ明快、面白そうである。

次に発売後。値崩れを見て「ああ、受けなかったんだな」と思った。
またその崩れっぷりがかなりのものだったので、ゲームの質も
アイデアだけであまり高くないのではないかと想像した。

発売から1年後、クラブニンテンドーのポイントが欲しかったこともあり、購入。
タルコンガ同梱版で1980円だった。しばらくの後、プレー開始。
ここで「意外と取っ付きが悪いな」という印象を抱く。
確かに操作は単純だからすぐに覚えられるが、タルコンガはWiiリモコンの
ような「直感的に動かせる」タイプのデバイスではない。
結局の所慣れない操作を身体に染み込ませるのにはそれなりに時間がかかり、
そうなるまではあまりゲームを楽しめなかった。
それで結局、長期に渡る放置へ。


取っ付きが悪いという印象のまま、2年以上が経過。
いい加減再開しようとは思ったものの、数回やっただけでまた断念してしまい、
取り敢えずはとドンキーコンガシリーズに逃避。
単純かつ取っ付き易いゲーム性を嬉しく思った。
ドンキーコンガをクリア後、今度こそは、と逃げずに挑戦。

今度は「随分と簡単だな」という印象を抱く。
操作には徐々に慣れてきたので、プレーを継続することにはもう問題なかった。
しかし進めど進めど、難度は非常に低い。
ゲーム中の得点である「ビート(集めたバナナの数)」がそのままHPになるのだが、
普通にプレーするだけで500以上は楽に溜まるのに、
敵から受けるダメージは、せいぜい10~30。ラスボスであってもその程度だ。
また、多くのアクションゲームにおいて敵キャラ以上に恐れられる「穴」、
つまり落下による一撃死もこのゲームにはない。
穴や溶岩に落ちても、やはり10か20程度のダメージを受けるだけで、
直前の足場に強制移動させてくれるのだ。
ハッキリ言って、このゲームで死ぬことは殆どない。
実際、俺はプレー中一度も死ななかった。マジである。
その意味ではこれほど簡単なアクションゲームは他にない。
一応のラスボスを倒した頃には、「退屈だな」という印象を抱くに至った。
操作の斬新さは認めても、ゲームの面白さは見受けられないと思った。


で、ここからである。
このゲームではステージクリア後に「クレスト」をゲット出来る。
これはステージ中で集めたビート数によって貰える数が決まっている。
クリアーだけなら銅クレストのみ、500以上で銀も、800以上で金も、という具合だ。
俺はゲーム全体のクリア目的を「全ステージで金クレスト取得」と定めた。
何故ならそれがゲーム中に貰える最高評価であると思っていたからだ。
簡単だった。まぁどのステージも、2回ほど挑戦すれば楽に800以上を取れた。
クリアするだけでも簡単なのに、やり込もうとしても簡単すぎるなぁ……
そんな風に思っていた。
批評サイト「GC mk2」を見ると、同じ感想を持つ人が何人かいた。

だがそれは大きな間違いだったのだ。

あるステージで非常に調子良く進み、何と1400ものビート数でクリアーできた。
いやはや俺って天才だな金クレスト楽勝だなーーとヘラヘラしていたら……

「天からプラチナクレストが降ってきた!」


愕然とした。
そう、金クレストが最高ではなかった。実は1200ビート以上で貰える
「プラチナクレスト」が存在していたのだ!

完全に想定外だった。金を最高と思い込み、ゲームを終盤までクリアーしていた
つもりだったのだ。それが根底から覆された。
なんせ1200である。800は楽でも、1200となれば大変である。
少なくともその頃の俺にはそうだった。

ここで俺はようやく、「ドンキーコングジャングルビート」にきちんと取り組むことになった。
そしてとうとう、このゲームの真髄を知ることが出来たのだ。
コンボである。

道端に落ちているバナナを普通に取ると、得られるビートは1のみ。
しかしそれを2「コンボ」を繋いだ状態で取ると、2ビートを得られる。
3コンボなら3、4コンボなら4……と、コンボを繋ぐほど得られるビートは増えるのだ。
また普通に触れて取るのではなく、手拍子アクションで取ることでも獲得ビートは増える。

こんな風に「コンボを繋いだ上、手拍子アクションをすることによって
たくさんのビートを得る」という考え方、つまり攻略の仕方は、
ただクリアーするだけなら殆ど必要がない。
金クレスト程度までなら、自然発生的なコンボだけでも十分。
しかしプラチナクレストを目指すとなると、必須のテクニックとなるのだ。

この段階までくると、ゲームは途端に難しくなる。
しかし同時に、非常に面白くもなってくるのだ。

コンボは基本的に空中状態を維持することで続く。
ジャンプから蔓に捕まり、そこから更に鳥に捕まったとすれば、その時点で3コンボ。
ゲーム中にはかなり多彩なコンボ要素があり、10以上のかなり長いコンボを
繋げられるシーンも頻繁に登場する。
それだけのコンボを繋いで、しかも手拍子アクションでバナナを取れば?
それはもう、驚くほどのビートをガンガン得られる。
そしてそれは、非常に強い快感を与えてくれるのだ。
プラチナクレストを知るまでは何の変哲もない5ビートだったバナナの束が、
コンボアクションを意識すると、途端に極めて美味しい数十ビートの素に化けるのである。
もうゲームの印象は最初の頃とはかけ離れたものに変化していた。
もちろん、非常に良い意味で、である。

多数のコンボを繋いで大量のビートを得るのは非常に気持ちが良い。
しかしそう簡単にはゲームがさせてくれない。
コンボを繋いでの大量ビート獲得は、当然ながら失敗すればそこで終わってしまうのだ。
具体的には、ドンキーコングが地面に触れてしまうと、そこでコンボは終了。
その時点での獲得ビートが得られるが、コンボ数はゼロに戻ってしまう。
尤も、地面の場合はビートを得られる分まだいい。問題は敵だ。
コンボ途中で敵に触れた場合、若しくは穴に落ちた場合、それまでに幾ら獲得していても、
ビートは一気にゼロになってしまうのである。ゼロである。
状況によっては3000ものビートが一瞬でゼロになってしまうこともあり、
さすがにこれにはヘコまされる。
ステージはコンボを繋げられるようには作られているが、それが容易であるとは限らない。
特に後半の面になると、かなり嫌らしく邪魔をしてくる。
しかしそれをこなさないと、プラチナクレストは得られないのである。

ここに至ってこのゲームには「難度」が発生し、それを克服する「攻略」を
考える要素が、そしてそれを超えた時の達成感が発生したのである。
これはプラチナクレストの存在を知らなければ行き付けない領域であると思う。
そしてかなり多くのプレーヤーが、知らないままにこのゲームを終えてしまったように思う。
実に勿体ない話である。

プラチナクレストを目指すとゲームは難しくなるが、それでも決して無理なものではない。
いや、それでも簡単な部類と言えると思う。
ただプラチナ以前が簡単過ぎたので、相対的に難しく感じるのだろう。
コンボの持続も、実際はそこまで厳しいものではない。
どのステージも極めれば2000~3000程度のビートを得られるが、
プラチナで必要なのはあくまで1200。多少は妥協しても問題ないレベルだった。
個人的には苦戦しつつも数回の挑戦で超えられる、手頃な難度だったと思う。





とまぁ、目まぐるしく変化した印象を中心にこのゲームを語った。
んで最終的な印象は「勿体無い」というものだろうか。
最も美味しい部分、プラチナクレストのことを知らない人が多いことが
とにかく非常にもどかしい。
プラチナクレストのことを公式サイト辺りで公開し、コンボの面白さを
購入者全員が知るに至れば、このゲームの評価はもっともっと上がり、
また値崩れの度合いも随分と違ったものになったのではないか、とすら思う。
それくらい重要な要素でありながら、知られていない要素なのだ。
実に勿体無い。そして今更どうこうすることも出来ない。
まぁプラチナを隠し要素にした気持ちも分からんでもないんだがね……。


後はテキトーに。

グラフィックは、GC発売3年ちょいというこなれた時期ということもあり、
割と綺麗で好感が持てるものになっていると思う。プログレ出力にも対応している。
美しさが必要なゲームとは思わんが、雰囲気はよく出ていた。

音楽は、ゲームに合わせてノリが良い曲が揃っており、意外なまでに良かった。
特にコンボを重ねていくと掛け声が入るという演出が良かった。燃える。
サントラが欲しい。絶対に出ないが。
個人的には面クリア後のバナナ連打獲得ゲームの曲が気に入った。

ステージは一面毎に、更に三つに分けられている。
1-1、1-2、そしてボス戦という具合だ。
ボス戦はバリエーションが少なく、先に進んでも同じタイプのボスと
少々形を変えて戦うというものばかりだった。
これはまぁ、基本的に単純な作りにするという意図もあるのだろう。
ただ、ボスを倒しても、一切ビートが増えないという点はどうかと思った。
ボス戦でダメージを食らうと当然ビートが減り、
ノーダメージで倒してもそう表示されるだけで一切ボーナスはない。
せめてノーダメージで倒せば200ビート程度のボーナスを用意すべきではなかったのか。
プラチナ狙いの場合、1200以下の状態ではボスに辿り着いた時点でリセットである。
ここは何とかしてほしかったなぁ。

ステージクリア後、ゲームのヒントを見せる短いムービーが流れるのだが、
これがその時にしか見られないのは不親切だと思った。
後で何度も見られるようにすべきだろう。難度低いくせに、妙な所で不親切である。

コンボを繋げてビートを稼ぐのは非常に楽しいが、その楽しみは完全に
「製作者に用意されたもの」であり、ゲーム中にそれ以上のことをするのは難しい。
要は覚えゲーなのだ。底が浅いと言えば浅い。

コンガ叩きはともかく手拍子はやり続けるとかなり手が痛くなる。
音ゲーであるドンキーコンガと違ってこっちはアクションなので、
そうそう冷静に叩いてもいられないのである。
よって長時間プレーはドンキーコンガ以上にやり難い。
これはタルコンガっつーコントローラーの宿命だな。

ちなみにステージと同じく、ボス戦もそんなに難しくない。
パターンを構築するまではそれなりに苦労するが。
ラスボスも非常に弱い。真ラスボスはあっけないほどに弱い。
もう少し威厳が欲しかった気がしないでもない。
そういや、このゲームの目的ってなんだったっけ?
ただの腕試しなのかな?

ドンキーコングは各ボスを倒した後、横たわるボスの傍で胸を叩いて雄叫びを上げる。
これが意外にもカッコ良いと思った。
まさかドンキーコングをカッコ良いと感じる日が来るとは思わなかった。
ゲームの印象は、最後にこのキャラの印象も変えてしまった。
最近触ってないが、今度スマブラXやる時はドンキーを操作してみよう。
そういや最後の奥義はコンガ連打だったっけな。

14年前に「スーパードンキーコング」で絶頂を迎えた以後、、
正直言ってドンキーコングはどんどん落ち目になっていってる。
あ、もちろん現ドンキーって意味ね。現ドンキーは2代目なんだぜ。
任天堂に欠かせないキャラであることは間違いないが、
どうにも二番手にすらなれていないと言うか。
正統シリーズが「ドンキーコング64」以来出ていないこともそれを
証明していると思う。
「ぶらぶらドンキー」など、色物系には出番があるのに……。

が!、この「ドンキーコングジャングルビート」こそは、
GCにおけるドンキーコングの正統シリーズであったとプレーして思った。
デバイスが特殊だけに色物扱いは仕方ないが、内容は真正面を向いている。
このゲームがきちんとユーザーに伝わっていれば、ドンキーの立場は
もう少し良いものになったと思うんだけどね。
今更復権は無理かなぁ。
Wiiで新たなドンキー……もあんまし求められてるように思えんし。
まぁその、なんだ。そんなこたどうでもいいか。

このゲーム、面白かったよ。もうそれでいいや。
長らく放置していたゲームを再開し、その真の姿を知り、それが非常の楽しめた。
とても良い形である。それでいい。

このゲームのスタッフの次回作は「スーパーマリオギャラクシー」であるらしい。
言われてみれば納得できるものがある。
どちらもディレクターは小泉という人らしい。
この人はきっと次代の任天堂を担うクリエイターになる。
よく覚えておこう。んむ。






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