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おせっちゃんの今日2

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奨学金について

2023-04-05 13:33:16 | いろいろ

物価高で学生の生活が苦しい、奨学金に頼ると、大学卒業後返却ができない額になる、という話を良く聞きます。先日書きましたように、貧乏学生だった私には、日本育英会の奨学金が命の綱だったし、返却もそれほど苦にしないで返せたと思いますのでその頃の事情を書いてみます。

私は、高校時代は1か月確か600円ほど支給されていたと思います。校内放送で事務局に取りに来るよう放送があり、受け取りに行っていました。今ならプライバシー云々と問題になることかもしれませんが、その頃は、不思議でもなんでもありませんでした。

大学は月3000円でした。受け取り方法はどうしたか覚えがありませんが。でも、高校・大学を通じて、奨学金を借りていると友達から何か嫌味を言われたことなどありません。堂々と借りていました。

母校山口大学は山口市にありました。実家からは本数の少ないバスなどでの通学は時間がかかりすぎると、同じ山口市のはずれの方に母の実家がありましたので、そこに下宿させた貰いました。賄いつき(朝・夕)、風呂付で、時には、防府から通学している友人が泊まりに来ておりました。友達にも食事つきでした。
その下宿代が月3000円、奨学金をそのまま渡しておりました。伯父伯母はすでになく、従姉が家主でしたけれどこう言ってくれました。
「おせっちゃん、春休み実家に10日帰ったじゃろう。1000円引いて2000円でええよ」と。これは大いに嬉しく、助かりました。

後に、次兄の長男が東京の大学に合格した時、駒場から近いしと2年ほど我が家に下宿しました。その当時、奨学金は3万円になっていました。私自身のことを思い出して、月3万円、(帰京した時は1日1000円引き)と取り決めたのでした。

さて、このところ問題になっている、返納について。

私の奨学金(大学分)は、卒業後、公立の学校に借りた年月の倍の長さ勤めたら、返却は免除されるという取り決めになっていました。私の場合は8年勤めればこの条件に当てはまるわけです。
勤めるつもりでした。ところが公立に採ってもらえませんでした。採用試験の成績が悪かったとは思いません。一説には、女だから、という、今では口に出せない理由だったようです。当時、学校の夜の宿直を男性教師が順に受けなければいけなかったようです。これは夜のことで、女性教師にはさせられない、女性を採用すれば、男性は回数多く宿直をしなければならない、女性は不採用、という理由付けがあるとのことでした。

いずれの理由か定かには分かりませんが、公立はだめで、私立の女子高校に職を得たのです。免除の条件には当てはまらなくなりました。私立に、この訳を言って、返納金分給料を上乗せしてほしい、と条件を付けましたが、無視され、「うちは公立の初任給と同じほど出すのだから」と言われてしまいました。当時の初任給1万3千800円でした。その中から返し始めました。

そうこうするうちに、結婚話。当時はほぼ親の意思で追い出されるのでした。3年ほど勤めて、今の夫の転勤先、福島市に嫁入りしました。女性もキャリアが・・・などという時代ではありませんでした。当然専業主婦です。自分の収入は1円たりともありません。夫に言いました。

「私借金があるの。毎月返さなくては」
「え?持参金があるのではなく借金なの??」
「そうよ、いいではないの。奨学金がもらえるほど優秀な奥さんをもらったのだから」
「う~ん、自分のも返さなくちゃだから一緒に返そう」

世はバブルに差し掛かっていたのかな、文句も言わず完済してくれました。

暮らしやすい時代だったのかなあ。

 

 

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