インテリアの書

文字を「書く」のではなく「表現」する

教室の取材に

2013年07月18日 | インテリアの書
         安部さんの作品  「花」 


今日は午前中は書道教室蘭秀会、午後からはインテリアの書の教室でした。

そして、午前の部から、書道雑誌「墨」ライターの石渡さんと、
芸術新聞社編集部の宮迫さんが、教室の取材にお越し下さいました~

午前の部では、皆さま少々緊張気味でいつもより大人しく真面目に
午後からのインテリアの書のメンバーはいつも通りに、笑い声が絶えずといった中で
それぞれの課題作品を鑑賞。

まずは最初の画像は安部さんの、やさしい色合いと雰囲気の作品「花」。
滲み具合といい、素敵です。

このシリーズで、是非もう少し作品を作ってみてくださ~いと。
この技法、なるほど~と唸ってしまいましたが、まだ内緒ということで 

そしてこちらは「木へんを遊ぶ」の課題をUさんが。

「柳」 しなやかな柳の感じがでています。 
左右上部のホワイトボードに貼るためのマグネットがちょっと邪魔ですね・・



「機械」機織のような機械のイメージ、うんうんうん。


「樹」 上へ上へと伸びていく様が伝わっています。 


こちらは、木へんを思いつくままに書かれたという倉科さんの楽しい作品。
こういう湧き出たままの作品というのは、書き手の感激が伝わってきて
思わず、楽しいですね~!って盛り上がり。



これ、何かできないかなぁ・・と呟いたら、てぬぐいは?と石渡さん。
おおお~!いいですね~ 


そしてこちらは山頭火の句「まっぱだかで太陽にのぞかれている」

倉科さん↓


と、Uさん。


このお題を借りて、私も書いてみました。
この句のどこの部分に心響いているか、まずはそれをじっくり感じてみる。
たとえば「まっぱだか」を強調したい場合、こんな感じに↓



そして、「太陽」だったら



最後は「のぞかれている」だったら、家政婦は見たのように隠れ気味に書いてみました。



ただ文字を書こうとすると、イメージが概念化するというか、形に囚われてしまうというか。
なので、まずはこの句のどこをどう表現したいかを探してみると、
意外とイメージは広がりやすいのでして。

私の場合、このヒントも大好きな木簡の臨書からなのでして。
その話はまた後日。


途中、皆さまのこれまでの作品とともに、記念誌撮影。
写真を撮る時の掛け声を、私はいつも「あはーん」と言ってるので、撮影者の宮迫さんにもお願いをば。
照れながらも、「あ・・あはーん」と言って下さって、もう更にみんなで大笑い。

最後に全員で撮った時は、「あいーん」に変わって、あいーんポーズをしながら。
それも載せたいと思いつつも、一番阿呆な顔してるのが私だったのでね 



そのあと、別の場所で教室のある母を迎えに行きがてら、取材のお二人も一緒にお茶に。

石渡さん、宮迫さん、朝から長時間の取材、ありがとうございました 
ぴーちくぱーちく、とても楽しいひと時でした。

このご縁に感謝を致しつつ、これからもどぞよろしくお願いいたします 


芸術新聞社刊「墨」の教室紹介記事に載せて下さるとのことで、楽しみです。


さんずいを遊ぶ

2013年07月17日 | インテリアの書
            「どうしようもない私が歩いている」 山頭火句 (半紙)


前回の教室の課題は、「山頭火の句を書く」と「草かんむりを遊ぶ」。

こちら↓はUさんの山頭火。



ことばを右端に寄せて左に空間を残すことで、「どうしようもない私」への虚無感だったり、
それでも一歩一歩歩んでいく自分の姿を、遠くから眺める様子だったり、
そんな想い、景色を感じます。

私が書いたのは最初の画像、こちらは半紙一面に書いてみました。
こうなると、どんな想い、景色を感じますかえ? 

山頭火の句の解釈も人それぞれ。
字が下手だから、書はわからない、そんなことよりも、自分だったら山頭火とどう語り合うのか、
そしてどう自分と向き合うのか、まずはそこを楽しめたら、と思います。
そうすると自然と書きたいイメージが広がるのでして。

文字を並べる、文字の形を書くのではなく、
ことばの意味を、文字という形に助けてもらいながら表現する、
そんな作業を探していきたいと思っています 

さて、そしてこちらもUさんの草かんむりシリーズ。「若」の色々。



初め無造作にホワイトボードに並べたら、この5枚をどの順番に並べるかで
またイメージが変わってきますね~ということで、皆さまにもご意見を伺いあれこれと並び替え。

こちらもUさんの「華」。このサイズの横にこの文字は難しそうですが、
それぞれにテーマを持った「華」でした。



で、私も挑戦。
木簡を意識して、横画を思い切り伸ばす分、下の部分は求心的にすることで
余白を生かしてみたつもりですが~。




そしてこちらはAさんの「葉」。これまた私にとっては難しい文字でして。



顔彩を使って滲みが面白く出ています。これは紙質も影響してきます。
色合い、滲み、余白、線の質、造形・・・。
たった1つの文字を表現するにも、無限の可能性があるということでして 

こちらは「薄荷」。はっかってこんな風にも書くんですね。
色は顔彩で。 ブルーははっかの清涼感を連想します。



でもって、墨でだけど、私も書いてみました。小筆で線が細いのばかりになっちゃいましたが。



う~ん、むずかしや~。
でも、一人では気づかない、知る、感じる、学びのヒントは、こうして刺激しあう中にもたくさん

最後にKさんは、前々回家にあったうちわを差し上げたら、早速こんな楽しい作品を作って来られ。
この日の朝、ちょっと早起きして描かれたそうですが、暢気そうな蛙も気持ち良さそう~。



・・てな感じに、昨夏スタートしたこの教室では、みんなで同じ臨書のお稽古をすることもありますが、
毎回課題をいくつかお出しして、その中から書きたいものを書いてくる、というリズムが
徐々にできてきたところです。

今いらっしゃる3名の方々の、それぞれの個性にもっともっと出会えたらと毎回楽しみです。

明日も午前午後と町田市にある、せりがや会館というところで、教室があります。
見学、体験、大歓迎です。どうぞお気軽にお問合せくださいませ。

沙於里:a1019★mail.goo.ne.jp (★を@に変えてください)


そ、そ。明日18日は朝から、教室の取材にと、お二方がいらしてくださるのでして。
そちらも皆さまと~楽しみです。



横浜赤レンガ倉庫2013 Sho is it! 

2013年07月05日 | 展覧会のご案内

「現代書」の活性化を願って、”書と絵画の熱き時代”の再現を期しての結成でもあったという
表現集団の展覧会のご案内です。

これまで2回お邪魔していますが、一昨年は書、絵画や立体などの作品、
そして昨年は、書のメンバーによる現代書の作品がほとんどでしたが、
それぞれに見ごたえがありました。

毎回、メンバーもちょっとづつ変わっているようですが、今年はどんな作品に出会えるか楽しみです。

出品者は、石井抱旦氏喜代吉鐡牛氏、外林道子氏、谷川ゆかり氏、八重柏冬雷氏蔵元訓征氏
・・・総勢40名+今年も音響彫刻家の原田和男氏も。


 日時:2013年7月9日(火)~7月15日(月) 入場無料
           11:00~18:00 初日13:00~ 最終日16:00まで

           ギャラリートーク:10日、13日、14日、15日 14:00~
           書と音響彫刻のライブパフォーマンス:10日、13日、14日、15日 15:00~


 会場:横浜レンガ倉庫1号館2階 桜木町駅、関内駅より徒歩15分


過去の展覧会の模様はこちらから↓

2011年

2012年




続・般若心経 その4

2013年07月04日 | インテリアの書
                        安部さんの般若心経 (部分)


今日は5月の1回目の教室の時に、皆さまが書いて来られた作品のご紹介をば。
↑の作品の全体像はこんな感じ↓



面相筆で、色は顔彩を使って書かれています。
そして~何か見覚えがないですか~?

そうなんです! 
これ、マチスの有名な絵をモチーフに、全体が女性の姿になるように書かれています。



前回は、胸のあたりがぼやけるとのことで、色の濃淡をつけてみては?と。
そして今回、すごーい! 

集中力もすごいですね~と言ったら、そんな大変じゃないですよ~って。
いえいえ、簡単そうに見えて、なかなかうまくいかないのでして 

このシリーズ、どんどん制作されて一堂に~というのも、拝見してみたいです。

そして、こちらはUさんの手作りのリース作品~「草」。
割り箸を顔彩で茶色に塗って、四隅を縛って。



自分で作品を書いて、自分で工作して、というのは、子供教室などでも楽しめそうです。
続いてこちらは、緑の和紙を八角形にくり抜いて、そこに白い和紙で般若心経を。



展示方法も、ただ買ってきた額に入れるばかりではなく、作品にあわせて色々と楽しむのもいいものです 

そして、こちらはかなりインパクトのある作品でした。
安部さんがマチスなら、私はムンクの「叫び」で、とおっしゃっていたのですが、
おおお~と、皆さまとまさに叫んじゃいました 



叫んでいる人型の中に、般若心経がびっちり。
あの脳内メーカーを思い出しちゃいました。

おまけ→正面バージョン 四角に氏名を入力するだけ~


皆さまの自由な発想に、いつも刺激を頂いています。
今日4日は、午前中は普通の書道教室、午後からは同じく町田市せりがや会館で
このインテリアの書の教室があります。

どちらも、見学、体験もOKです。
お気軽にコメント欄からか、メール one-shoart★mail/goo.ne.jp (★を@に変えて下さい)まで
お問合せくださいませ~ 


虫へんを遊ぶ

2013年07月02日 | インテリアの書
                         「蚊」 (半紙)



またまた更新が遅くなりましてててて・・です 

教室はちゃんと毎月2回、皆さまと楽しく過ごしておりましたが
なんだか私自身毎日やること満載で、追いつかず・・

さてと、と言うわけで早速。
前回の教室は「虫へんを遊ぶ」なぞをば。
この時期、虫も活動を開始しておりますのでね。

最初のは、参考に書いた「蚊」。
か細いキーンって音を立てながら、たゆたっているイメージで書いてみました。

でもって、こちらは安部さんの色んな「蟻」。半紙1枚の中に。


アップするとこんな感じ。大らかで暢気そうな印象です。


対照的に、繊細で儚げな蟻。


夏の盛りに働き疲れた蟻?  つらなって歩いているようにも見えます。


そしてこちらは「蛙」たち。



虫へんは、イメージが広がりやすいといいますか、書き始めると楽しいです。
と、私も書いてみました。こちらは蛙。 ぴょ~んって飛んでるイメージで。



「蛾」ぬらぬらと宙を舞うイメージで。


「蝉」体が固そうなので直線的に、点々はジージーと鳴いてるイメージで筆をいじめてぶつける様に。


「蜻」 蜻蛉(とんぼ)のつもりがカゲロウって感じかな。


これで完成ではありませぬが~いかがせうか 

そしてこちらはUさんの虫へんたち。
「虹」 滲みと、エの上下の横画をぐーっと伸ばすことで虹をイメージしますね。


こちらは「融」融けるをイメージされたんだったような?


たとえば虫へんの文字を、半紙という制約された中にどう空間を活かしながら
表現していくかという課題だけでも、1年かけて取り組むこともできるのでして。

どんな種類の半紙に書くのか、筆、墨色、線質、表情、空間、その組み合わせだけでも
無限に表現の世界は広がるわけで 

臨書の勉強はもちろん大切。
そしてそれと平行して、こういう遊びもまた。
羽目を外すのではなく、型からの解放、と言ってもそれが一番難しいんですけどねぇ 

えーっと、実はこの課題の前、5月の1回目の教室での皆さまの作品もあります。
順番が前後しますが、また明日にも