インテリアの書

文字を「書く」のではなく「表現」する

教室第4回目 作品を仕上げる

2012年09月20日 | インテリアの書
                     甲骨文字「炎」  K科さんの作品


今日は4回目の教室。

甲骨文字から、それぞれに選んだ文字を、ハガキサイズの作品に仕上げました。
今日はまだ作品を仕上げる方もいらしたり、工作もあったりで時間が足りなくてアタフタ・・

最後に写真を~となった時、既にアクリルが入った状態だったので
蛍光灯の明かりで白っぽくなってしまってごめんなさいです・・
せっかく素敵に仕上がったのに、全く、カメラも勉強しなきゃですね

ではさっそくご紹介。

最初の作品はK科さんの「炎」。
お料理している時の炎を思って書かれたそうです。
これからの季節にぴったりな、かわいい炎ですね。
背景の配色も、縦に赤いラインを入れることで、視覚的にも炎をイメージされたのかな?


こちらはT政さんの「明」。
単純な形なので難しそう・・って思っていましたが、
日と月が寄り添っているようにも見えて、ほっこりとあったかい「明」に。




そしてK合さんの「楽」。
写真ではわかりにくいのですが、背景はクリーム色と落ちついたピンク系の2色。
どこか人の顔のように見えてきて、何とも言えないおとぼけな表情につい笑みが浮かび。
雅印を押して、お化粧すると、文字もちょっと嬉しそうって思えてきます 




続いて千字文の「天地玄黄」を書かれたAさん。
配色はこの黄色とグレーと、紫系も考えておられたそうで
文字組も、縦一列、横一列の作品も書かれて、今回はこの構図と配色に決定。
配色、構図、文字の表情と、現代的で洋風な印象に。




「藝楽」と書かれたのはUさん。
2つの文字をどこかで繋げてみたいとのことで、藝の終画を思い切り伸ばして楽につなげてみて。
背景も2色にすることで、奥行きや立体感がでますね 




そして「喜楽」はTさん。
前回、半紙に「喜楽豊」の三文字を書かれていましたが、それは別個に裏打ちをすることにして
今回は二文字で。 若草色の洋風でモダンな感じの額にも合っていますね 




さて、前回の草稿から、まずは1つ目の作品が完成。
会場芸術としての「攻める」作品ではなく、誰かと競う公募展の作品でもなく
自分の作品をインテリアとして飾って楽しめる、そんな書の可能性を探って行けたらと。

また、だんだんとそれぞれの方の個性もわかってきて、それを壊さないようにしつつ、
けれどやっぱり臨書も怠らず、というスタンスで勉強していけたらと思っています。
お気軽に、ご感想などお聞かせ頂ければ幸いです。

次回は10月4日(木)。木簡集字千字文の臨書から始めます。
見学も歓迎 
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講師ブログはこちら→ 心の免疫力~書とことばから

教室第3回目 甲骨文字の作品に挑戦 その2

2012年09月07日 | インテリアの書
                       「楽藝」 (半紙) by 沙於里
  

前回に引き続き、甲骨文字を使って作品の構想を、ということで参考に書いてみました。

半紙横に二文字の場合、文字を同じ大きさにしてしまいがち。
ただ文字を並べただけではお習字になっちゃう。
ずっと見ていても飽きないのは、余白、空間が生きているかってことかな、と。

で、藝の終筆は思い切り左に空間を破り、横への力に対して、楽は縦長にしてみたなり。

こちらは「遊」。



半紙を横に使う場合、視覚的に横への意識が強くなるので、縦の線を強調してみた。
直線的に切った左余白が疎外感を与えないように、落款は揺らぎながら
空間の緊張感を少し緩めてみたつもり。

ということで、ここからは皆さまの作品をば。

前回のプリントの中の文字以外でも、自分の好きな文字を辞書で調べてみて~って。
昨日も猛暑だったということで、K科さんは「炎」を。
おほ。これは猛暑の憎々しさはなく、なんか可愛らしいですね。




そして、線も作品も強くてエネルギッシュなT政さんの「明」。
キラキラって朝日のイメージにってことで、私も何枚か参考に書いてみたけど
日と月という単純な造形はなかなか難しく。。
T政さんの、きりりとした「明」に、元気もらいました。




そして、T橋さんの「喜楽豊」。 
前回と比べて、線も空間も更に表情豊かに。
落款の揺らぎが難しいとおっしゃっていましたが、だいぶ揺らいでます 
この揺らぎのお話はまた後日にでも。




そして、Uさんの「光光光」。
初めは半紙中央に3つ並んでいましたが、こんな感じはどうですか?って参考に。

沙於里↓




すると、Uさん↓ おお~ 物語を感じますね。


 

同じ文字を3つというのは、なかなか難しいけれど、
構図を探せば、おもしろい作品になりそうです。


そして、前回「夢」を書かれていたAさんの「天地玄黄」。
線と造形も、シンプルであたたかく素朴な印象です。




だんだん、それぞれの方のお人柄を感じる作品に出会えて、これから益々楽しみです

次回は9月20日。
いよいよ額装作品を1つ、完成させる予定です。

講師ブログ→心の免疫力~書とことばから

教室 第2回目 甲骨文字の作品に挑戦

2012年09月02日 | インテリアの書
                   Aさんの作品 「夢」(半紙)

第2回目の教室では、まずは半紙に書いてこられた甲骨文字の添削から。
そのあと、甲骨文字での作品に挑戦。

最初の作品は、Aさんの書かれた「夢」。
思い切り右端に持っていく大胆な構図に対して、線と造形はあたたかく。
背景は、私の勝手なイメージで。
もっと淡いパステルっぽい色でと思ったけど、撮った写真が暗くて白い半紙が
グレーっぽく見えて返って暗い印象になるので、こんな感じに。。

この日は、絵になりそうな甲骨文字をいくつかご紹介。
光、月、星、虹、昔、夢、遊、芸、吉、楽、喜、豊。
組み合わせて、月光、遊芸、喜楽とかもできるかな、と。



この中から、それぞれに書いてみたい文字を伺いながら、参考に書いてみまして。
たとえば、光。 
静かでやわらかい光を、とのリクエストだったので、こんな感じに.




文字の意味を考え、感じ、イメージして書いてみてくださ~いとお話したら
皆さま、自由に楽しそうに書かれていました。


T政さんの「吉」

なんか、大きな口で笑ってるみたいで、いいことありそう!
釈文、名前もバランスよく。

  
T橋さんの「喜楽豊」

いいことたくさんあるように~と、3つの文字を。

なかなか崩すのは難しいですねぇ・・って仰っていましたが
「喜」の日の中の点の持って行き様なぞ、そしてそれに対して
「豊」の文字はちゃんと「喜」に向き合って対話していて。
「楽」は小さいけど、木の終筆が伸びやかで空間を支えているような。



K科さんの「楽遊」

なにげなく書かれているようで、全体のバランスがいい感じ。
線に変化をつけると、もっと面白くなりそうな。


K合さんの「楽」

こちらの「楽」は、半紙一杯に大きく。
糸の部分、4つの楕円が同じにならないように、と。
変化があって、楽しそうです。

今回、勝手に背景を遊ばせて頂いちゃいましたが、
それぞれどんな背景をイメージされたか、次回お伺いしたいと思います。

8月は変則だったので、次回はもう今週木曜日、9月6日午後1時半からです。