筒井 康隆著
税込価格 : 1,200円
出版 : 文芸春秋
発行年月 : 2007.3
講師を含め男7人女8人の参加。
全体的には不評でした。参加者の半数近くが、筒井康隆ファンだった、昔はよく読んでいたという過去を持ちながら、かなり辛辣な評価でした。
「全集を持っているほどのファンなのに今回は途中で挫折」
「筒井康隆の愚痴を聞かされた気分」
「こらえ性のなくなった老人がまとまらない話を書いて、それが安易に出版されることが現代文学の衰退だ(笑)」
「『大いなる助走』の頃の毒気がなくなった」
「結局は北宋社のことが書きたかったのか」……など。
多少は好意的な意見も「筒井康隆らしい表現もあり、つまらないわけでもない」という程度。
その中で筒井康隆の創作姿勢を絶賛する意見も出ました。
「天才と言われる人でも老境に入ると作風が変わる。筒井康隆は人から嫌われることをするのが好きな作家で、今回の北宋社のことも確信犯的に書いている。
過去の名声に安住しない姿勢が筒井康隆らしくて良い」
講師からは筒井康隆の作風の変遷、筒井ファンであった椎名誠との思い出、またその椎名誠絡みで北宋社との意外な接点などの話しが聞けました。
作品そのものの評価が低い割に、話しが盛り上がったのも筒井康隆ならではというところでしょうか。
(禁煙好き)
※出席できなかった方、その他のご意見はコメント欄へ・・・
筒井ファンとしては期待して読み始めたものの、中盤から、なんだかなーで、ま、しょうがないかで終わりました。『大いなる助走』も再読しましたが、毒気、皮肉に昔の凄みと切れ味はなくなった、というか40代の熱き人だった筒井康隆氏も30年という年月を経たのだなーと思いました。それでも、文壇に対する批判や滅び行く世界への感慨には同感多しです。
詩人・七尾の詩には爆笑しました。「はのへの すっぽん」いや~、筒井らしくて素晴らしい!