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2024年6月の課題本『ザリガニの鳴くところ』

2024-07-03 20:12:03 | ・例会レポ

出席者 男1 女5

2020年の刊行当時、本屋大賞翻訳部門1位になるなど話題になった本で、すでに読んでいた人も何人か。
2年後に映画化され、これも観た人数名。
本、映画共に自然描写がよい、という意見多し。
ミステリというより、一人の女性の成長小説
自然描写など、動物学者らしい描写

多かった意見(疑問点)は、2人の男が出てくるが、ヒロインのカイアは誰に愛されたかったのか?
2人とも好きだった?
クズ男みたいなチェイスは、実はカイトが好きだったのでは?
カイトが貝のペンダントをずっと隠し持っていたのは、愛の証? いや復讐のため?
単に珍しい貝だったから?という意見も。

講師からは
土地、所、自然は小説を左右する大事な要素、特に翻訳文学では土地や家、血縁と文学は切り離せない。
「嵐ヶ丘」「高慢と偏見」「サンクチュアリ」「サイラス・マーナー」など、自然の中で生きる、自然に左右される話。
毒されていない自然=ヒロインのカイア、で、カイアは野生の女、
一部の書評で少女ハードボイルドという言い方がされていたのは、そういう意味ではないか。
ミステリとしては、よくある犯人像などといった評もあるが、自然と人間の生き様を圧倒的な筆致で描いていることは間違いない。

映画について。
観た人の一致した意見は、原作に忠実、この長い原作を、あまり省略せず、うまく映画にまとめている、ということでした。
また原作は昨年暮れに文庫化され、発売即重版だそうで、図書館でも、現在も予約が多い。
これも映画の影響でしょうか。


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