<読書会> おもしろ☆本棚

毎月都内で読書会を開いています。参加者絶賛募集中!
お問合せは omohon.renraku@gmail.com まで

9月の課題本『娘巡礼記』

2008-10-11 22:28:04 | ・例会レポ

9月の読書会 『娘巡礼記』 高群逸枝 岩波文庫 

出席者  講師を除いて12名(女性のみ) 見学者3名(男性2名 女性1名)

今回は、菊池講師がご自宅で偶然手に取り読み始めたところ、
予想外に面白かったため是非課題本にと推薦された本です。こ
れはのちに女性史研究家となる高群逸枝(たかむれいつえ)が、
24歳の時に約半年間の四国遍路の旅に出た時の巡礼体験記
で、1918年に九州日日新聞に105回掲載され、かなり評
判になったそうです。

感想いろいろ

★素直に面白く読めた。明日はどうなるか分からないおもしろさがある。
★悲壮感なくすらすら読めた。 
★文語調で読みにくい。
★当時は珍しい若い女の一人旅をやり遂げた行動力は立派。
★当時は、多少の時間差はあるもののリアルタイムに近い感覚で読めただろう。
★紀行本としてはもの足りない。人々との触れあい期待した 
が、それより彼女の内面が書かれている。
★巡礼・遍路についての知識はほとんどなく、思いつくのは菅直人くらい。
★お遍路さんと聞くと、定年後の楽しみのようなお気楽なイ 
メージを持っていたが、当時はかなり違うことがわかり興味深い。
★文章を書くことが本当に好きな聡明で意思の強い女性。
★内面は書かずポーズをとって書いたように思える。
★自分の内面に向き合うための旅。
★文章は放浪記をもっと若々しくした感じで当時の流行か。
★性格がお嬢さんなのに奔放で真っ直ぐなところがおもしろい。
★情熱的でみずみずしい感性。
★巡礼に出た理由と、どう成長したのかわからない。
★健康なのに敢えて遍路に出る自分に酔っている。
★お爺さんという強力な助っ人が一緒なのだから一人旅ではなく自慢にならない。
★お爺さんに対する気持ちの記述が正直。
★お爺さんはなぜ旅に出たのか。
★このような格調高い文章が書けたのもお爺さんのおかげ。
★是非、お爺さんからみた巡礼記を読んでみたいものだ。
★旅の終わりになるにつれて母親を思う気持ちが強くなり、 
だんだん幼くなっていくところが印象的。
★自分から新聞社に投稿して、こういう文章を書く自分に酔っているようで鼻につく。
★上から目線で鼻持ちならないと思う反面、自分が素直に読めないことがいやでもある。  
★若く見られたがっている。小娘ぶっている。

講師から
まず冒頭の新聞社社会部長へ宛てた手紙の文章でインパクトを
受けた。かなりのストック(文学的素養?)をもって書かれて
いる。しっかりした文章は滑らかで、日本人のもつリズムがあ
りすばらしい。表現がうまく、豊かで柔軟な感受性とものを見
る目の確かさがある。沢木耕太郎の「深夜特急」を想起させる
。彼女の情熱や素直さ、ちゃめっけ、孤高の魂、エリート意識
や作為など、すべてひっくるめて生のタカムライツエの魅力と
なっていて、それを楽しめばよいのでは。旅に出た理由は最初
の新聞社社長の手紙に書かれている。
高群逸枝はその後、在野の女性史研究家となり「母系制の研究
」などの著書を書いたが、若い時のこの巡礼体験は、いつも心
の中にあったという。
 

レポート:幹事ペペロン7
 隣の部屋で演劇の稽古が行われていたため静かな環境では 
なかったですが、時間いっぱい意見が交わされて盛り上が っ
た例会でした。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿