にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

変わらなくてよかったもの

2007-08-30 | オーマイニュース

オーマイニュース(以下OMN)の創刊1周年を機に行われたキャッチコピーコンテストは、キャッチコピー・記者登録者の呼称とも採用のレベルに達する作品がなく、当面は現状維持という結果になりました。

実は、OMNでは元木昌彦氏の編集長就任と時を同じくして市民という言葉からの訣別を考えていたフシがありました。元木氏の編集長就任を告げる5月31日付のプレスリリース(pdf注意)で、OMNは自らを「参加型ニュースサイト」と称しています。それまでは「市民参加型インターネットニュースサイト」と称していました。そして、それから半月後にキャッチコピーコンテストの開催が告知されています。

ですから、この結果はOMNとしては残念なものかもしれません。しかし、この1年間で「市民みんなが記者だ」のキャッチコピーと「市民記者」の呼称が定着したという側面も無視できないのではないかと考えます。元木氏は今回のコンテストで採用作がなかった理由を結果発表の中でこのように述べています。(引用部分はイタリック体で表示、フォント変更・太字は筆者)

編集部員の中には、「(私も/たった一人にでも)伝えたいことがある」を推す声もあったのですが、【市民みんなが記者だ】に代わるまでには至らないと判断し、今回は、5本のキャッチコピーを佳作とさせていただきました。

元木氏が現行キャッチコピーの優秀さを認めた発言のように感じられるのは私だけでしょうか?

個人的には、市民という言葉の響きは別にして、今回の結果にホッと胸をなでおろしています。現行キャッチコピーは、ただのキャッチコピーにとどまらず、創刊宣言でOMNの核心となるコンセプトとして紹介されているからです。今回のキャッチコピーコンテストの結果が創刊宣言に与える影響についての懸念は以前に書きました。当時の想いは今でも変わっていません。

しかし、最初に書いたようにコンテストの結果は現状維持というものでした。これで当面は創刊宣言も安泰でしょう。今後は創刊宣言の理念に一歩ずつでも近づいていって欲しいと願うばかりです。