昨日のエントリでは、自称勝手カフェとオーマイニュース(以下OMN)編集部の距離感について疑問を呈しました。主にその矛先は自称勝手カフェに向かいましたが、話はこれで終わりではありません。
今回のセミナーの企画意図が、主催したNPO法人のブログに出ています。おそらく、代表の池本修悟氏が書いたものでしょう。それによると、池本氏は元木昌彦編集長の手伝いをしたことから、吉岡忍氏や吉田司氏などと親しくなったようです。そして元木氏と仲良くなって一緒に飲みにいけるような学生の登場を望んでいます。
元木・吉岡・吉田の3氏は、OMN界隈では有名な主権在民!共同アピールの会のメンバーです。そういったつながりだったのかと思いながらブログを読み進めていくと、以下のような記述にぶち当たりました。(引用部分はイタリック体で表示、フォント変更・太字は筆者)
先日告知した闘う居酒屋(これも元木さんのご縁でお手伝いすることになったわけですが、、、)で、気になったこと2点。
池本氏は闘う居酒屋のサポートもしていました。ちなみに告知をしているのはこちら。
どうやらNPO法人創造支援工房フェイス(以下フェイス)は、OMNとは直接関係はないものの、元木氏や主権在民!共同アピールの会とは相当つながりの深い団体だったようです。それを踏まえた上で改めて今回のセミナーを振り返ってみましょう。
このセミナーは、OMNの全面協力があって初めて成立する内容でした。主題はOMN、元木氏の講演、おそらく編集部の呼びかけに応じて集められた市民記者によるトークライブがあって、コーディネーターは平野日出木編集次長です。主催者や主催者側の参加者にしてみれば、これだけの協力は大変ありがたい話でしょう。おかげで、セミナーは無事終了しました。参加者の多くは、学生1000円・社会人2000円の参加費を高いとは考えなかったと思われます。
それでは、逆にOMN側から見ると今回のセミナーはどれだけのメリットをもたらしたでしょうか?
セミナー開催にあたって、OMNは自社の市民記者スペースを提供しました。自称勝手カフェを除けば、OMN主催イベント以外でこの場所が使われたという記述をOMNのサイト上で見た記憶はありません。今回のセミナーはOMN主催ではなく、しかも有料なので、いくばくかの会場使用料は支払われるのが普通だとは思いますが、もし無料で貸し出されていた場合には、金銭面以外でのリターンが必要となってくるところです。
次に、OMNは人を提供しています。少なくとも元木氏と平野次長という現場のトップ2名と、市民記者5名です。こちらに対してもギャラなり寸志なりという形で金銭のやり取りがあったならば話は別ですが、そうでなければ無償ボランティアといってもいいでしょう。
ただし、念の為に付け加えますとセミナー参加者は20名ほどという事ですので、OMNに金銭が支払われなかったとしても、主催者がこれで儲けたという話ではありません。個人的には、こういう場合は基本的に持ちつ持たれつで、先方のセミナー成功に匹敵するだけのメリットがOMN側にももたらされれば良しと考えます。
さしあたって考えられるのはPR効果でしょうか。20名ほどの参加者にはOMNの存在が認知されたものと思われます。また、主催者のサイトにアクセスしている人にも、セミナー告知と事後報告でOMNの存在をアピールできたでしょう。特にセミナー告知では、埃をかぶって久しい創刊宣言を引用してくれたり、OMNがプラットフォームになりつつあると持ち上げてくれたりと、多少現状との乖離を疑問に思わないでもありませんが、なかなかいい感じでOMNを紹介してくれています。
次に、新たな市民記者の獲得です。セミナー参加の申し込み画面には、OMNで書いてみたいテーマの記入欄がありました。告知の最後が「市民記者の入り口を是非体験してもらえれば幸いです」と締めくくられている事と合わせて考えると、もしかしたらOMNに関心を持った学生達が市民記者登録をして記事を書いてくれるかもしれません。6月に行ったユースリポーター養成講座参加者の活動が活発とは思えない現状では、彼(女)らは貴重な存在になる可能性もあります。
このようにOMNの認知度が向上し、市民記者が増えてくれれば、それはOMNにとって良い事のように思えます。主催者に協力した甲斐があったというものでしょう。ですが、参加者の偏りがどうにも気にかかります。セミナー告知等を見た限り、池本氏は、OMNというよりは元木氏個人に心酔しているような印象を受けます。その人の呼びかけで集まった参加者が市民記者となった時、OMNにどのような方向の記事が増えるのかが正直いって心配です。
もう一点気になるのは、このセミナーが一般の市民記者にどのようなメリットをもたらすかという点です。
昨日紹介した別冊 社内報さんは、他の市民記者のトークや参加した学生の意識の高さが印象に残ったようです。できれば、他のトークライブ参加者にも一言でもいいので感想を書いてもらえればと思います。中でどういう事が行われたか、何を感じたかを参加できなかった一般の市民記者や読者と共有して欲しいという事です。そうなれば、市民記者全体にも今回のセミナーが還元されます。これはメリットと考えていいでしょう。
長々と書いてきましたが、OMNにもたらされるメリットは、結局今後の動き次第で増大もすればゼロにもなるというごく当たり前の結論が出た気がします。主催者はセミナーの開催ですでにメリットを得ていますので、OMNも負けずにがんばりましょう。
【OMNと元木氏へのお願い】
今後OMNとフェイスのコラボレーション企画が出たり、OMNの業務やイベントをフェイスが協力あるいは代行する場合には、拙ブログは批判エントリをアップする事になるでしょう。特に市民記者を駆り出した場合には、その内容が厳しくなる事が予想されます。元木氏が2006年4月現在でフェイスの顧問だった(現在は不明)というのが、その理由です。フェイスとは適度な距離感を保ったおつきあいをされますよう、ここに要望いたします。