にいはんは周回遅れ

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2007-08-09 | オーマイニュース

---------- こ こ か ら -----------


8月28日から30日にかけて、韓国と北朝鮮の間で首脳会談が行われるそうです。ピョンヤンで行われるというこの首脳会談開催の合意が両国政府から発表されたのを受けて、多くのメディアがこのニュースを報じています。

日本版オーマイニュース(以下OMN)も例外ではなく、昨日、朴哲鉉記者による記事が掲載されました。こちらの記事では、いち早く今回の首脳会談が北朝鮮側からの提案であると伝えています。

しかし、産経新聞の黒田勝弘ソウル支局長の見立ては朴記者とは正反対のもので、韓国側の会談要請に北朝鮮側が応じたとしています。

これを受け、朴記者は早速黒田氏の見解が事実とは異なるとして、黒田氏への私信とも受け取れる反論記事をOMNに掲載しました。今回の会談に際して韓国から北朝鮮への何らかの支援が約束されているという黒田氏の判断に対して、朴記者は「提案された側が対価を支払う訳がない」という根拠を元に、この判断は事実に基づいたものではないと黒田氏の主張を斬って捨てています。

黒田氏が朴記者の私信に反応するかどうかはわかりませんが、ここまでの両者の見解は180度異なります。両者の記事を読み比べた段階では、どちらかと言えば韓国政府の会見を紹介している朴記者の記事に説得力を感じていました。

ところが、黒田氏の見解をサポートするかのような記事が朝鮮日報日本語版に掲載されていたのです。この記事では韓国側の提案を北朝鮮側が受け入れたとしていますが、不思議な事にその根拠となっているのは朴記者と同じ韓国政府の発表のようです。おそらく、同じソースなのに結論が正反対になった理由は、下記3点の解釈がことごとく異なっているからでしょう。

・長官レベルの会談提案 ←→ 首脳会談の開催提案 (韓国側の提案:7月初旬)

・韓国高官の訪朝依頼  ←→ 首脳会談の開催提案受け入れ (北朝鮮側の回答:7/29)

・北朝鮮側からの首脳会談開催提案 ←→ 開催を前提にした接触 (両国高官協議:8/3)

左側が朴記者(OMN)、右側が辛貞録記者(朝鮮日報)の見解です。これを受けて8月5日に首脳会談の開催が正式決定したという部分については、OMNと朝鮮日報に見解の相違はありません。

さて、朴記者は自身が最善と考える方法で取材を行い、記事を書いたものと思われます。その見解と180度異なるメディアの意見が出てくれば、反論記事を書くのもいいでしょう。その行為自体を批判するつもりはありません。ただ、同じ韓国政府の会見を元にしたはずの朝鮮日報からも黒田氏と同様の見解が出ている事を朴記者はどのように考えるでしょう?

繰り返しますが、朴記者と朝鮮日報は同じ韓国政府の会見を元に記事を書いているはずです。どちらの記事が正しいかは別にして、何故このような正反対の見解が出てくるのかは非常に興味深い事柄です。朴記者には一方の記事を書いた当事者として、こうなった理由を分析して新たな記事を書いて欲しいと思います。もし、当事者ゆえに冷静な分析ができないというのなら、中立な第三者に分析を依頼してもいいでしょう。

今回のケースは、メディアリテラシーというものを考える上でたいへん重要な示唆を含んだ事柄だと考えます。深く突っ込んだ分析を行う事は、OMNのみならずメディア全体にとってもプラスになると思うのですが、やってみる気はありませんか?


---------- こ こ ま で -----------


こういった個別の記事を元にしたエントリを書くと、OMNにトラックバックを飛ばしたくなります。