にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

続・未登録者のコメント欄

2007-08-02 | オーマイニュース

つい5日ほど前、未登録者のコメント欄(以下未※欄)の開放についてのエントリをアップしました。その時には一部編集部員の変化を取り上げましたが、気になって他の記事を調べてみたところ、この傾向は市民記者を含めたオーマイニュース(以下OMN)全体に及んでいるようです。今週に入ってから、ほぼ全ての一般市民記者が未※欄を開放しています。

これは、編集部員と市民記者がたまたま同じタイミングで外部からの声に聞く耳を持とうとしたのかもしれません。しかし、編集部だけならいざしらず、全ての市民記者が同時に未※欄を開放となると、その背景を考えざるを得ません。OMNの中では、軸丸靖子記者が記事によって未※欄を開いたり閉じたりしていますし、今週掲載の中村太郎コラムでは、これまで同様未※欄は閉じられたままでした。マイニュースジャパンやOMNインターナショナルからの転載記事は未※欄が開かれている事からして、編集部発の記事には基本的に未※欄を設けるが、コラムニストや編集部員の意向によってはその限りではないというOMNの方針がうかがえます。

編集部発の記事にはこうやって一応の説明がつくのですが、一般市民記者は多くの人がそれぞれの立場から記事を書いており、一斉に同じ方向へ舵を切るのはいかにも不自然です。ある市民記者によれば、記事投稿画面の設定画面はこれまでと変わりなく、デフォルトでは匿名コメント(未※欄設置)を受け付けないようになっているそうです。そうすると、全ての市民記者が記事投稿の際に、匿名コメントを受け付けるように設定を変更していることになりますが、そんな事がありえるでしょうか?当然、誰かが設定の変更を忘れて記事を投稿する事だってあるはずです。

市民記者規約にはこのように書かれています。(一部抜粋、引用部分はイタリック体で表記、フォント拡大・太字は筆者)

第1条(定義)

(9)「「未登録の方のコメント」欄」とは、編集済記事に対して市民記者のみならず誰でもコメント等を投稿することができる機能であり、市民記者が任意に開設、非開設を選択することができるものをいいます。なお、市民記者において開設、非開設を決定する資格を保有することをもって当社の権利が失効することを意味するものではなく、市民記者が「未登録の方のコメント」欄を開設した場合でも、当社の判断により非開設とする場合があります。

第24条にも似たような文言がありますが省略します。この定義を読む限り、未※欄を設置するかどうかは市民記者に選択権があります。OMNの権利については、市民記者が設置した未※欄を閉鎖するケースに言及しているだけで、逆のケースについての記述はありません。これは、記事投稿画面がデフォルトで匿名コメントを受け付けないようになっている仕様に沿った表現とも考えられます。

ここで指摘したいのは、市民記者が設置を望まない未※欄をOMNが誤って開放しているのではないかという点です。投稿された記事一つ一つに手動で未※欄を設置するには手間がかかりますし、そのようにするメリットも考えつきません。考えられるのは記事投稿ツールか編集プロセスのどこかにバグが発生している可能性です。

よって、バグを前提に話を進めますが、仮に市民記者が望まない未※欄が設置されているのならば、それは自ら認めた市民記者の権利をOMN自身が侵害しているとの解釈も可能なのではないでしょうか?こういう種類のバグは速やかにつぶすべきでしょう。

また、OMNが市民記者に未※欄を開放させるように方針を転換する(した)つもりならば、まず規約を方針に沿ったものに変更し、市民記者に対して十分なアナウンスを行ってからシステムの変更に手をつけるべきでしょう。前述したように、現在の規約は未※欄の設置がデフォルトになる事を想定していません。

OMNは市民記者登録にあたって、市民記者規約への同意を義務付けています。OMNには、自分が法律だという上から目線ではなく、謙虚な姿勢で公平な立場に立った規約の運用が求められます。