小黒啓子のブログ 日本共産党浜松市議会議員

政令指定都市・静岡県浜松市の中区から選出された市議小黒啓子のブログです。2003年4月に初当選。現在3期目。

けいこ日記 2月25日(木) 市議会本会議で反対討論

2010年03月01日 | けいこ日記
けいこ日記 2月25日(木) 市議会本会議で反対討論

 2月議会の前半戦、平成21年分の補正予算、条例改正等の採決が本会議で行われました。会派を代表して私が反対討論を行いましたので、原稿をみてください。

 一般会計補正予算では外郭団体に派遣している職員の人件費に対して、神戸での事例があり、最高裁判所で違法判決が昨年12月に出されましたので、浜松市においても法にのっとって公金を支出するよう求めました。

 また、トビオの飛び込みプールの利用料が10倍にも値上がりすることになり、公立高校や私立高校の部活動が練習場として使っていますが、大きな負担になってきます。開設時の料金設定が安すぎたと担当課は言いましたが、スポーツ振興の観点からも大幅値上げは認められません。

 指定管理者の指定について公募により再指定をしていく17施設について反対しました。
公の施設の果たすべき役割を、しっかりと見据えてほしいものです。


 以下は反対討論の全文です。

                           2010年2月25日小黒啓子
2010年 2月議会反対討論(平成21年度関連)

 日本共産党浜松市議団を代表いたしまして、
第 1号議案 平成21年度浜松市一般会計補正予算(第6号)
第22号議案 浜松市都市公園条例の一部改正について
第32号議案 指定管理者の指定について
(浜松市男女共同参画推進センター)以下第36号議案を除き第33号議案から第49号議案については議案番号と施設名のみ読み上げます。

第33号議案 指定管理者の指定について浜松市浜北温水プール)
第34号議案 指定管理者の指定について浜松市三ヶ日B&G海洋センター)
第35号議案 指定管理者の指定について浜松市天竜B&G海洋センター)
第37号議案 指定管理者の指定について(松市奥浜名湖田園空間博物館総合案内所)
第38号議案 指定管理者の指定について(浜松市市民協働センター)
第39号議案 指定管理者の指定について(浜松市立勤労青少年ホーム、浜松市立浜北勤労青少年ホーム)
第40号議案 指定管理者の指定について(浜松市中沢墓園、浜松市三方原墓園、浜松市舞阪吹上墓地 、浜松市雄踏墓地、浜松市細江高台墓地、浜松市納骨堂)
第41号議案 指定管理者の指定について浜松市浜北温泉施設あらたまの湯)
第42号議案 指定管理者の指定について(浜松市農村環境改善センター) 
第43号議案 指定管理者の指定について(都田総合公園)
第44号議案 定管理者の指定について(安間川公園、ゆたか緑地)
第45号議案 指定管理者の指定について(佐鳴湖公園)
第46号議案 指定管理者の指定について(和地山公園、高丘公園、船越公園、相生公園)
第47号議案 指定管理者の指定について(引佐総合公園)
第48号議案 指定管理者の指定について
  (中区、東区、西区及び南区の区域内に所在する市営住宅及び共同施設)
第49号議案 指定管理者の指定について(浜松市立中央図書館駅前分室)

 以上19議案について反対の立場から討論を行います。

 まず、一般会計補正予算のうち、モザイカルチャー推進費中、MIH2009運営推進事業、39,401千円、老人福祉費中、シルバー人材センター支援事業費12,068千円はそれぞれ観光コンベンションビューロー内の、モザイカルチャー世界博協会と、シルバー人材センターへの派遣職員の人件費分の追加として計上されたものです。

 本市における外郭団体への派遣職員数は、平成22年1月1日現在、静岡文化芸術大学へ2名、浜松国際交流協会へ1名、浜松市文化振興財団へ4名、浜松市社会福祉事業団へ1名、医療公社へ1名、清掃公社へ2名、浜松地域テクノポリス推進機構へ5名、浜松観光コンベンションビューローへ7名、そして、シルバー人材センターに1名、合計しますと9団体24名の方が派遣職員としてそれぞれの団体へ派遣されています。
 派遣されている職員のみなさんの人件費は「公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」の第6条1項「派遣職員には、その職員派遣の期間中、給与を支給しない」と規定されているとおり、市からは直接支給されておりませんが、その代わり人件費相当分を各外郭団体へ負担金、委託料、補助金などの名目で、市が負担をしています。

 神戸市では補助金として支出していた派遣職員の人件費に対して、神戸市の住民団体が「平成16年、17年に複数の外郭団体に支出した補助金のうち、派遣職員の給与分について、補助金の形で給与を支出したことは違法であるとして、約2億5千万円を返還する」よう、平成18年に提訴し、平成20年4月の1審の神戸地裁では「市は公益性を審査せず補助金を出しており、直接の給与支給と言われてもやむを得ない」として、神戸市長と2団体に対して、約2億1800万円を市に返還するよう命じました。
 その後、平成21年1月には大阪高裁でも市民団体側の請求を全面的に認めて全額を返還するよう命じています。

 また、神戸市長に対して計約45億円を市長と18団体に返還させる同様の訴訟に対しても平成20年4月に神戸地裁で47億7千万円の返還を市長らに命じました。
 そして、2審の大阪高裁でも平成21年11月27日に「派遣法が例外規定と定める給与支給可能業務に当たらない」と1審判決を支持し、約55億円余りを市に返還させるよう命じました。

 ところが神戸市は「公益的法人等への職員の派遣に関する条例」を改正して『派遣先団体から派遣職員に支給された給与の原資となった、市からの補助金、委託料、その他の支出に係る、派遣先団体又は職員に対する市の不当利得返還請求権及び損害賠償請求権は放棄する』と議会で議決し、返還を受ける権利そのものを放棄しました。
 それらの経緯から、2審の大阪高等裁判所では、この条例が効力を持つかどうかも争点になりましたが平成21年11月27日の大阪高裁では「改正された条例は、市が受けた損害を取り戻す機会を放棄しており、住民訴訟の制度を根底から否定するもので、議会の議決権の乱用に当たる」として条例は無効であると判断を下しました。その後、翌月12月10日に最高裁判所で上告が棄却され判決が確定しています。

 以上のような神戸での判決を機に、大阪府では派遣職員の給与は原則団体負担とし、派遣法に基づき例外的に府が給与を直接支給する場合の規定も明確にしました。
 本市において平成16年度に行われました、「外郭団体等における出納その他市民負担にかかわる管理について」の包括外部監査の結果報告で派遣人件費の負担について「浜松市は形の上では原則規定第6条1項の立場をとっているが、委託の段階で第6条2項の考え方を併用しているという向きもあり、1項適用でもあり、2項適用でもあるというような便法が法律解釈として成り立つとは思えない。現行の運用は趣旨から離れた解釈に基づく運用になっているのではないかと判断するものである」と指摘されているとおりです。

 今回の補正予算で計上されている2団体に対する派遣職員の人件費については、一連の裁判結果に反する公金の違法支出に該当し、認められません。
 判決に従い速やかに手立てを講ずるべきであると考えることから、本補正予算には反対いたします。

 次に第22号議案 浜松市都市公園条例の一部改正についてのうち、古橋広之進記念浜松市総合水泳場の飛び込みプールの練習利用に係る利用料金の改正について述べます。
 改正内容は10人まで1時間110円であったものを、1人1時間110円にすることから、新料金では10人で1100円と10倍もの大幅値上げとなります。
従来の利用状況から試算してみると、あるシンクロチームでは年間利用回数が102回あり、従来35,500円であった料金が258,000円、飛び込みの練習で使用している私立高校では33,500円が224,500円になり、水球等で利用している公立高校のクラブ等も20,900円が119,500円と大幅な値上となり、飛び込みプール全体の料金の試算では、見直し前の年間利用料金201,800円であったものが、見直し後は1,106,500円と約5倍になることもわかりました。
 飛び込みプールの利用については、飛び込み、シンクロ、水球など、高等学校の部活動やクラブチームの練習に専ら利用されています。
 将来の競技スポーツの振興には欠かせない練習場としての利用料は値上げせず利用者の負担軽減に努めるべきであり、また、開設後たった1年での料金の見直しになり、開設当初の料金設定が適正であったかどうかも疑問を持たざるを得ないことから本条例改正には反対いたします。

 最後に第36号議案を除く第32号議案から第49号議案までの指定管理者の指定について討論します。今回の指定管理者の指定に関する 17議案に関連する施設は、指定管理者を公募し選定しています。
 3年から5年という指定期間終了ごとに、競争入札をし、指定管理者を選定することで、公の施設としての公共性、安定性、継続性、専門性等が損なわれ、民間企業の参入により利益が確保できなければ施設からの撤退もあり、施設で働く労働者の安定雇用が損なわれる心配があります。
 指定期間に合わせた有期雇用、臨時や短期の非正規雇用等、官製ワーキングプアを生み出す要因があることや、市民や利用者との継続した信頼関係も築くことが困難となり、本来の「公の施設」の趣旨に反する事柄も発生します。

 広島市では昨年の4月に指定管理者制度が見直され、専門的知識や経験のある職員により継続・安定的なサービスを提供する必要があることを理由に、重要な施設を公募から非公募にきりかえたり、公募基準を経費節減重視から事業内容・専門性重視に大幅に変更することが行われています。
 公の施設の管理は基本的には直営で行うべきことから、指定管理者の指定についての17議案には反対をします。

 以上で反対討論を終わります。