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毎日新聞ボロボロの年金記事

2005-03-28 12:24:44 | Weblog
 普段は、特定の新聞記事は、著作権に触れない程度にだけ引用しているつもりですが、あまりにも今日の毎日新聞は、「内容がデタラメで酷すぎる」ので、名指しで修正しておきます。もし著作権に触れるならすぐ消去しますが、間違いを訂正するのも著作権に触れるのでしょうか(この辺は著作権法に詳しい人教えてください)

 引用先はこちらですが、3月28日午前11時40分現在の怒りですから、今後記事を修正されるあるいは差し替えされるかもしれません。その時はもうこのリンクには乗ってないかもしれません。

 その中で問題となる間違いの部分を取り上げます、
 「国民年金の保険料は現在月額1万3300円だが、4月から280円アップする。年間では3360円の負担増だ。しかも、この負担増は今年限りではない。今後13年間、280円程度ずつアップし、最終の17年度には1万690円になる。」
 
 おいおい、13,300円の年金保険料を毎月280円ずつ値上げして、12年後に10,690円になるかいな。正確には16,900円です。
 まあこれは、小学3年生でもわかるような単純な計算ミスなのか、校正ミスなのか知りませんが、大勢に影響はありません。10人のうち9人がわかるミスは、「影響力がない点でミスではない」とも言われますしね。

 大問題は次の文章、

 「保険料を20歳から納めている青果店を営むAさん(46)の場合、65歳になる2023年度から年金を受け取れる。しかし、月額は現在価値にして5万7000円程度。今年度の国民年金額(約6万6000円)から15%近くカットされる計算だ。これは労働力人口減少率などで給付を抑制する「マクロ経済スライド」が05年度から導入されるためで、民主党の山本孝史参院議員は「6万6000円という金額は、老後の生計を維持するための基礎的金額として設定されたもの。減額する以上、基礎年金とは呼べない」と強く批判する。」

 新聞記者さん この記事を読んだら 大抵の人は、「46歳のAさんは、65歳から5万7000円の年金になる」という風に受取りませんか?
 でたらめ記事で国民を騙したらいけません。

 マクロ経済スライドの前提となる、「賃金変動率」と「物価変動率」がいくらかという前提がまったく示されていません。

 マクロ経済スライドは、将来そういった不確定要素をどう年金に取り込むかを決めたシステムなのですから、「こういう前提で」という話は不可欠。なんでその前提なしに、突然5万7000円が出てくるのか。前提部分が完全に欠落しています。
  
 どうもこの記者さんは、「マクロ経済スライド」の意味すらわかっていない。こんなのが全国紙の記事を書くなんて。

 実はマクロ経済スライドはわし自分でも良く消化していません。まだまだ勉強不足。というのは、法律的には「マクロ経済スライドは今年の4月から実施なのですが、実際に年金に反映するのは数年先だといわれているのです。だから、まだ尻に火がついていない。

 年金額の物価スライドについては、実は最近3年分の下落分について、本来は支給額下げるべきだったのに下げなかったという時代があったのです。その調整をし終わってからやっとマクロ経済スライドが効力を発揮する。だから物価が現在より1.7%上昇しないと実際にはスタートしないのです。こういう細かいことは書く必要はないのかもしれませんが、いかにもあと四日後から年金が下がるようなイメージも大問題。あまりのずさんな新聞報道には本当に驚いてしまいます。

 最近の年金不信の元凶はもちろん、政治家、政府(厚生労働省)、そして「マッサージチェアーを買った」社会保険庁。 

 が、それにくわえて、「適当な記事を書いて、国民をミスリードしている一部マスコミ」も手助けしていると考えられませんか。毎日新聞は3流週刊誌とは違うのだからもっと自覚と責任を持って欲しい。

 ああ、月曜日の朝から不愉快な。