がんばれナラの木

震災にあわれた東北地方の皆様を力づけたくて
The Oak Treeを地方ことばに訳すことを始めました

イノシシが加害?

2011年04月01日 | エッセー
 東日本大震災以来、福島の農産品は放射能汚染されているから危険だということになりました。これは悲しい事実です。そのことがおもに関東圏の消費者にとって「被害」であるというトーンで報じられて来ました。そうかもしれません。
 しかしイノシシやクマなどの外部被曝についても同列に論じられ、福島の野生動物の肉は危険だと、同じ調子でした。私はこれに強い違和感をもっていました。
 考えてみましょう。確かに東北地方は関東地方に物資、とくに食物を供給する地方であり続けました。労働力もそうだったでしょう。そうであるから、社会全体がそういう体質を当たり前のことのように感じるようになっていて、放射能汚染の問題も「関東の消費者にとって」マイナスだから「被害」だということになってしまっています。たしかにハンターも獲物を商品として売るために狩猟をし、それが売れなくなるというマイナスを被害のひとつと感じるかもしれない。しかし、この問題は、そういう個人的なプラス、マイナスだけで考えてはいけないと思います。私はこのことは、日本社会が経済発展を至上命題のように思い込んで、そのためにエネルギーを産み出さなければいけなくなり、最初のころはためらっていた原発をたくさん作ってしまったこと、その結果、私たちが事故を起こし、福島の自然を汚染してしまったと捉えなければならないと思うのです。その意味ではイノシシやクマは被害者であり、私たちが加害者であるはずです。しかるに、関東の消費者が被害者というのはあまりに身勝手な解釈です。少し過激かもしれないけど、関東の消費者こそが加害者であるのに、それを被害者とし、そのことに何の疑問を感じないほど発想がおかしくなっていると思うのです。
 そういうことが言いたかったのですが、やや伝わりにくくなっているように感じました。

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