ニュージーランド・ラグビー:オフ・ザ・ピッチ

ラグビー王国からのそのまんまレポート。子どもラグビーからオールブラックスまで、見たこと感じたことをお送りしています。

青い竜、今週も快調

2006-04-14 | スーパー14
行ってきました、「ブルース対フォース戦」。

試合はいつものイーデンパークではなく、ノースショアにあるノースハーバー・スタジアムでした。なぜそんな所でするかと言うと、ブルースの下にはフランチャイズと呼ばれる3つのNPC(地域代表)チーム、オークランド、ノースハーバー(通称ハーバー)、ノースランドがあります。
ノースハーバー・スタジアムは名前の通りハーバーの本拠地なのです。

(←新しいものの資金不足もあってかなりローカルちっくなスタジアム。男性が集まるこの手の場所には珍しい「資生堂」の広告。写真は座席のない学生スタンド。雨の日はちょっとツラいです。経験者語る´▽`)

去年のNPCはオークランドが優勝したのにもかかわらず、今年のブルースには驚くほどたくさんのハーバーの選手がレギュラーとして出ています。
(屋根があるのも片側だけ。大きな試合をイーデンパークに取られてしまい、非常に苦しい台所事情のよう。そのためにも強くなって集客力を上げるのが命題なんだそうです→)

これは、
1) オークランドの選手にかなりの負傷者が出ている
2) ハーバーはNPCで準決勝まで進み、粒よりな選手を揃えている

ということが理由のようです。

例年であれば、ハーバーからのレギュラー組はオールブラックスの1番トニー・ウッドコック、10番ルーク・マクアリスターくらいなものでした。ところが今年は、

4番 グレッグ・ロウリンソン (スタメン定着でアリ・ウィリアムズとコンビに)
6番 トロイ・フラベル     (日本帰りの元オールブラック。危険なプレーヤーで有名)
8番 ニック・ウィリアムズ  (ケガをしたジャスティン・コリンズの代わり)
12番 ルア・ティポキ     (チーフスにドラフトされたサム・トゥイトゥポの代わり)

がレギュラーで出ており、他にもケガをしたブルース選手の代わりに、

13番 アントニー・トゥイタバケ     (ベン・アティガの代わり)
14番 ヴィリアム・ワカセドゥアドゥア (ダグ・ハウレットの代わり)

が数試合連続で出場し、よくよくピッチを見ると、
「半分がハーバーの選手ぅ@@」
というほどでした。

しかも、今シーズンは初戦から9番のポジションをノースランドのジョン・セニオ(クルセイダーズの9番ケビン・セニオの弟)が務めています。(オークランドの9番、手術後のデイビッド・ギブソン、初戦で頭を強く打ったスティーブ・ディバインはともに休場中)

本当に今シーズンのブルースはオークランドの選手を中心にケガ人の山!
他にもオールブラックのジェローム・カイノがシーズン最初から術後の療養で休養中。アンガス・マクドナルドも全治半年というケガをしてしまい、休場中。

ケガ人が出るたび、普段は一緒に練習していない選手で埋めてきたわけですから、混成チームもいいところ。しかも、急なメンバーチェンジでなかなか息が合わず、今年のブルースが勝ちに行けないチームとなってしまったのも、ある意味仕方がなかったのかもしれません。
しかし、勝負の世界には言い訳はありません。
勝ちは勝ち。負けは負けです。
キビシイですよね?

ハーバーの説明が長くなりこれで終わってしまいそうですが、今日のフォース戦。
来週からの南アフリカ遠征を控え、かなり抑えた戦力で臨みましたが39:8と圧勝しました。
青い竜の瞳こと、ルークの華麗にして力強い采配が再びカギを握りました。
実際の試合運びはブルースがグイグイ押していくというよりも、フォースの緩いディフェンスをついて得点を積み上げたという感じでしたが、負け癖がつき、すっかり自信を失くしていたチームが、遅ればせながら勝ちに行くチームへと体勢を整えようとしているのを強く感じました。立て直しを支え、自ら先陣を切っているのがルークです。

試合開始後11分で彼が初トライを決めたのは、その典型でしょう。
パスしてよし、蹴ってよし、当たってよし。
たくさんのカードが次々と切れる実力とフィジカルと度胸。そして、チームを勝利に導く天賦の才と精神力。先週のストーマーズ戦以降、メディアがこぞって、
Class player (ワンランク上の選手)
と褒め称えていたのがよくわかります。

今夜は特に、彼らのホームでの試合ということも追い風だったでしょう。
ハーバーでキャプテンを務めるティポキはハットトリックまで決めて大喝采でした。これで6トライのうち4トライがハーバー勢@@
ハーバーでスーパー14の試合があるのは1年に1度なのでファンもさぞや大喜びだったはず。
(←今夜のためだけに描かれた「スーパー14」のロゴ。色が鮮やか)

これでゲーム感覚をより確実なものにし、アウェイの南アフリカでいい戦績を残して!


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