ニュージーランド・ラグビー:オフ・ザ・ピッチ

ラグビー王国からのそのまんまレポート。子どもラグビーからオールブラックスまで、見たこと感じたことをお送りしています。

西のネズミ、東のネコ

2006-04-27 | スーパー14
「信じられないかもしれないけど、クルセイダーズが20:8で負けてるんだけど。」
と、夫が言いに来たのは夜中の12時半にならんとする時間でした。

「スーパー14全勝中のクルセイダーズ対全敗中のフォースとの試合だなんて、クルセイダーズのボロ勝ちで終わりでしょう。相手が誰でも手を抜かないチームなんだから。」
と高をくくって、その日に限ってテレビの前にいませんでした。いつもはどんな試合でも、時間がある限り見ていたのに・・・

リビングに飛んでいくと、前半戦が終わったところでした。信じがたいことに、
本当にクルセイダーズが負けてる―― 
テレビは何度も前半のトライシーンを写し出していました。堂々としたフォース。輝くライトブルーのジャージが目にしみるようです。

ウェスタン・フォースは、オーストラリアは西部のパースを本拠地にする今年からできた新チーム。パースはイギリス人たちが「ダウンアンダー」と呼んだ「地球の裏側=オーストラリア」という表現そのもののような場所。当初から発展の中心だった東部から広大な砂漠を隔てた反対側。しかもその下の方、大陸に引っかかるような位置にある街。

前の週に見に行った対ブルース戦では39:8で負け、ブルースが自信を取り戻す踏み台となり、練習相手のようだった彼ら。
「今週の相手はフォースか。勝って4点、ボーナスポイントももらって1点と、シメシメ・・・」
と、相手チームのファンをほくそ笑ませてきたチーム。
まるで負けるために試合をしているかのような、弱さにさえ印象のないチームでした。

その彼らがクルセイダーズの前に立ちはだかったとは!
このチームで唯一みんなが名前の言える15番カメロン・シェパード(ワラタスから移籍)が先制トライ。自分でキックも決めて7:0とリード。すぐにクルセイダーズの8番モーズ・トゥイアリイがお返しのトライを決め7:5。しかし、ダニエル・カーターはキックを外します。
(↑ブルース戦の時は黄色のセカンドジャージで)

「へ~、フォースもなかなかやるじゃん。」
この時点でテレビの前の大多数の人たちはソファーにもたれながら、大差がついたまま面白みがないまま終わるより、ちょっとは期待させてくれるフォースを褒め、
「まっ、そうは言ってもネコにいたぶられるネズミだよな。」
と思っていたことでしょう。
(つづく)


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