ニュージーランド・ラグビー:オフ・ザ・ピッチ

ラグビー王国からのそのまんまレポート。子どもラグビーからオールブラックスまで、見たこと感じたことをお送りしています。

当たっても砕けない?

2006-01-28 | スーパー14
「やばいんじゃない、チーフス。いきなり負けたら、今シーズン、ドドドドォっと崩れそう。」
と夫が心配していた、ワイカト・チーフスのスーパー14プレシーズンマッチ。初戦の相手は5日前に宿敵クルセイダーズを21:19で下し、意気軒昂なオタゴ・ハイランダーズ。
「最初から負けたりしたら、それこそもう・・・」

こういう心配がついつい出てしまうのもチーフスならでは。このチーム、主力選手のポリネシアン率が高く、
「サインプレーってなんだっけぇ?」
みたいなパワーとスピードがウリの荒削りなゲームが得意!

「ここ一番!」という勝負にはコロッと負け、
「4強入りを逃した消化試合」など、どーでもいいゲームで俄然張り切って圧勝´。`A
「ねぇねぇ、監督っている?」
(いますよ、イアン・フォスター監督。すっごくプレーヤーっぽいですが)
と言いたくなるような、行き当たりばったり、出たとこ勝負の試合運びなど、
先が読めないワイルド・ゲームでスタンドを沸かせるのもこのチーム。

「ポリネシアンは集中力が続かないから~」
このブログでたびたび登場する「ニュージーランド・ラグビーならこの人に聞け!」と断言できる情報通のミスターJも、夫と同じような心配をしてましたっけ? そうなんです、パワー全開で「当たって砕けろ!」と突っ込んでいくのはいいけれど、
当たりがワルいと、ホントに砕け散ってしまうのが彼ら。

オールブラックスやクルセイダーズでよくある、相手の出方を見るように前半負け越し、後半になってジワジワジワジワぁぁぁぁと冷静沈着に追い上げ、追い抜いていく、あの正確さ、ひつこさ、不気味さは、チーフスとは対極をなすもの。
あれをして「実力」と呼ぶなら、チーフスのかなりの部分は「勢い」かな、と。

その危うさもファンにはたまらない魅力なんでしょう。
応援の熱さは天下一品。
昨シーズン、彼らの本拠地ワイカト・スタジアムまでハイランダーズ戦を観に行き、噂通り腰の入った応援と濃いファンサービスに感動したものです。サラッとした都会的なオークランドにはない、チームとサポーターの強~い絆を感じました。(詳しい観戦記はコチラで)

(↑この時もハイランダーズ戦。消化試合なのに31:8と黄赤黒のチーフス圧勝。
新聞には「遅すぎたチーフスのピーク」と書かれてました´。`A)

けっきょく、周囲を心配させたプレシーズンマッチは、38:21でチーフスの勝利!
う~ん、読めません。今年は当たっても砕けない?

2004年、2005年とニュージーランド・セブンスのキャプテンとして大活躍だったリアム・メッサムが、自陣の22メートルラインから70メートル独走でチームのトライに貢献したそう。
「やっぱ、セブンスだよね~」
と、スーパー14直前のこのタイミングにセブンスで盛り上がっている西蘭夫婦。
気分はすっかり、ウェリントンです♪

チーフスの名前の由来は最近書いた「チーフ・オブ・チーフス」でどーぞ。