limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
たまに、写真も掲載中。本日、天気晴朗ナレドモ波高シ

まだまだ増える

2016年12月26日 15時34分56秒 | 日記
またしても、高齢ドライバーがコンビニへ突っ込む事故が起きた。もう、こうなれば社会現象と言っても過言ではない。博多の病院へタクシーが突っ込んだ事故では「ブレーキを踏んだ痕跡が無かった」事が判明した。やはり、信じたペダルはアクセルだったのだ。何故、こんな悲惨な事故ばかりが増えていくのだろうか?ある方は「ペダルの構造そのものに原因がある」と論じているが、そればかりではあるまい。現在、新車でMT(マニュアル)が選べる車種が「どれだけ残っているか」とAT(オートマチック)限定免許で交付を受けている人がどれだけいるかも問題だと思う。私が運転免許証を初めて手にした時代、教習車はMTが当然。半クラッチで何度ももたつき、エンストは当たり前。何度も教官に怒鳴られた。愛車も2代目までは、MT車であった。今時、擦り傷で車を修理に出したりする時「代車MTでもいいですか?」と聞かれるが、昔取った何とやらは健在なので「まったく問題ないよ」と答えられる。振り返って今を見れば、運転免許保有者の中でAT限定者が大半を占め、新車もAT・CVTのみの展開と言うのが当たり前の社会になっている。地域を守る消防団の消防車すら、AT車に置き換わりつつあるのだ。言うまでもなくAT限定免許の若者しか居ないからである。バスやトラックもセミAT化が進んでいる。多いものは16段もギアがあるので、運転者の疲労軽減の一環と環境への負荷低減(燃費対策ですよ)が主な理由だそうだ。「クラッチを踏んでギアを入れる」と言う行為と「ギアをニュートラルにする」と言う行為を省いたが故に、車両が暴走すると言うのは極論かも知れないが「自分が運転している車両がどういう仕組みで動いているのか?」を知らないままに公道を走っているドライバーが、大多数なのが今の車社会の現実だ。私は、陸運局に付随する車検場に勤めていた経験があるが、ユーザー本人が「行けば何とかなるだろう」と軽い判断で車検を受けに来て、大目玉を喰らい挙句の果てに「不合格」の烙印を押されて帰っていくのを何度も見ている。彼らは、まず「ボンネット」を開けられないし、車体番号の打刻位置やエンジン型式の打刻位置をまったく知らない。さらに恐ろしいのは「パッシング」の意味を知らない。もっとも困るのは「ギアをニュートラルに入れられない」事だ。そして、ハイブリッド車ならば「排気ガス検査を受けなくてもいい」と勝手に思い込んでいるし、検査を受けるための「整備モード」への移行方法を知らない。ともかく、車検を受ける「作法」をいくらレクチャーしても、言うことを聞かないのだ。あまりの無作法にブチ切れた事が何度あったことか・・・。まあ、これだけ車に対して「無知」なドライバーが何とも多い事かとため息が漏れたものだが、こうした人々が歳を取りこれから益々増えていくのだから、そら恐ろしい事である。今年、高齢ドライバーの死傷事故がとりわけ目立ったのではなく、これから始まる「高齢ドライバー交通戦争」の序章が幕を開けたと思ってもらえばそれでいい。「交通戦争」と呼ばれた時代からいつしか時は過ぎて「高齢ドライバー戦争」に突入したのが今年だったのである。安心して「歩道を歩ける時代」は、終わった。常に周囲に緊張感をもって街を歩く時代になったのである。無論、道路に面した店舗も例外ではない。明日は我が身に降りかかる。これが「新たな交通戦争」なのだ。