「能登はやさしや、土までも」と、加賀藩士が書き残している。
旅でであった能登の人々の人情に感嘆し、その風土までがやさしく感じたものであるらしい。
「能登のやさしい土」は産業も生んだ。
輪島漆器つくりは珪藻土をまぜた漆を下塗りする。
七輪コンロはくりぬいた珪藻土を焼成してつくる。
海に浮かぶ黄色い珪藻土の奇岩は景勝地として人を呼んだ。
珠洲焼や能登瓦も「能登のやさしい土」の賜物。
しかし「やさしい土」は災害時には液状化現象や地滑り、崩落しやすいという「困った土」でもあるようだ。
山道を走行中に先行車が急停車した。
通行止めの看板が風で倒れていたらしく、崩落した道路の工事区間に気付かなかったのだ。奥能登まで道路は通ってはいても、3月時点でもこんなことがあるので運転は慎重に!
崩落面を観察したら、黒い路盤と赤土の間に、厚み30㎝前後のベージュ色をした砂質層があった。海岸の砂や、液状化現象で噴出した砂と同じ砂質のようだ。
この土とどう付き合っていくかが、復興のカギだと思う。
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