南アメリカのエクアドルから縄文土器そっくりな土器が出土しているとアメリカの考古学者が発表したのが1960年代。
即ち、縄文人が海を渡って南米まで辿り着いた証拠なのだ!という説となって90年代くらいにもてはやされていたが、今でもネット検索すると信じている人が多いようで、たまに私に真相を聞いてくる人がいる・・・知らんよ(笑)
あたかも縄文人が世界中に文化を広めていったような考えをする人がいるようだが、私はそんな考えを縄文中華思想と呼んでいる。
第一、私は縄文人を人種ではなく定住しながら土器を使い狩猟採集をしていた縄文文化を持った人と捉えておるのだ。
縄文土器に酷似しているとされるエクアドルから出土したバルディビア土器。文様は縄文ではなくヘラを押し付けて施文した爪型紋。
さて、縄文土器に詳しい人がくだんの土器を観察すると、一体どこがどう縄文土器なのだ???という代物。
これは縄文土器が専門の考古学者に聞いても「似ても似つかない」という見解だった。
それに縄文人が南下して東南アジアからミクロネシア、メラネシア、ポリネシアと経由して南米まで渡ったというなら、何で途中の先史ポリネシアに土器文化がなくてその先の南米に土器があるのだ?
似ているといえば土器に文様が施文されている事くらいで、器形はむしろ東南アジアの土器に似ているし、雰囲気が全然違うのよ。
むしろ小生が見つけた北部タイのパーイの屋台で使われていた土器のほうがよっぽど縄文土器に似ているが、これも雰囲気は別物。因みにお茶の屋台で、土器で温めた色んなお茶を青竹の筒に入れてくれます。
ちゃんと縄文が施文されてはいるが、縄文の匂いがしませんなあ。縄文中華思想の人なら、時空を超えて縄文土器が伝わった!とビックリするかも(笑)
ヒスイや石笛もそうだけど、ネット情報は眉唾ものが本当に多い。
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